「広大」とは「広島大学」のことではなく、「目標とする大学」を意味すると考えてください。
どんな子でも、簡単に勉強ができるようになります。
そして、広大に合格できます。
しかし、実際には本来取れるはずの半分以下の点数しか取れない子どもが驚くほどいます。 そのようなお子さんのお母さんは口をそろえたように次のようにおっしゃいます。
「言っても、言っても、ぜんぜん勉強しない」
「塾に行っているのに、なんでこんな点数しかとれないの?」
塾に行かせることで安心していても成績は上がりません。 すべてのお子さんに共通して言えること。 それは、お子さんの勉強時間を占める割合として、圧倒的に多いのが学校の授業だということです。
中学3年間の学校での授業時間、それも国語、社会、数学、理科、英語の5教科だけでも2000時間なのです。もしも、この膨大な時間を寝ていたり、ぼーっとしていては成績が上がるはずはありません。寝ていないにしても、「わからない」「ついていけない」「ノートを取っているだけ」「おしゃべりばかりしている」なんていう状態でまったく有効に活かしていないとしたら広大は無理です。
これでは、勉強が遅れ気味になったり、嫌になったりして、家で勉強しなくなるのも無理はありません。
つまり、この2000時間の学校の授業を有効に活かせるかどうかによって、今後の子どものやる気だけでなく、テストや成績、さらにはその後の進路まで、大きく変わると言っても過言ではありません。広大に行けるかどうかは、授業を活かせるかどうかなのです。
大学受験は、高校時代の受験勉強で決まると思っている方が多いのではないでしょうか?
そのようなことはありません。
大学受験で成功するか、失敗するかは、小中学校をどのように過ごしたかで決まるのです。 エリクソンという心理学者がいます。エリクソンが提唱した発達段階は「心理社会的発達理論」と呼ばれています。 人間の一生を8つの段階にわけ、その段階ごとに心理的課題と危機、課題達成により獲得する要素などを分類したものです。 人間は、生涯どの時期においても発達し、どの段階においてもクリアすべき課題とクリアするための障害となるものが存在し、障害を乗り越えた時に得られるものも定義されています。また、発達段階で関わる人物や具体的に何を通して課題をクリアしていくのかということもまとめられています。
次に8段階の発達段階と発達課題について示します
Ⅰ 乳児期(生後~) | 基本的信頼 対 基本的不信 |
---|---|
Ⅱ 幼児期前(18か月~) | 自律性 対 恥・疑惑 |
Ⅲ 幼児後期(3歳~) | 積極性 対 罪悪感 |
Ⅳ 児童期(5歳~) | 勤勉性 対 劣等感 |
Ⅴ 青年期(13歳~) | アイデンティティの確立 対 役割の拡散 |
Ⅵ 成人初期(20歳~) | 親密性 対 孤立 |
Ⅶ 壮年期(40歳~) | 生殖性 対 自己吸収 |
Ⅷ 老年期(65歳~) | 統合性 対 絶望 |
乳児期は、基本的信頼を獲得する時期と言っています。失敗すると基本的不信に陥ると言っているのです。以下同様に前者を獲得する時期であり、失敗すると後者に陥ってしまうというのです。
Ⅳの児童期が小学校に当たります。この時期は勤勉性を獲得する時期なのです。したがって、小学校というのは宿題を出して必ずやってこさせることが大切なのです。親としても出された宿題はやらせ切るのが重要なのです。学力をつけさせるという以上に勤勉性を獲得させるという視点が重要です。勤勉性さえ身についていれば後に不登校となっても登校できるようになってから十分に学力を取り戻すことができるのです。
だから大学受験についても小学校が重要です。
Ⅴの青年期の前半が中学校に当たります。ここでつまずくと、アイデンティティの確立ができません。自分という存在を自分で受け取り頑張っていくという意思をアイデンティティと言います。これがなければ、大学受験に立ち向かうことは難しいでしょう。
だから大学受験にとって、中学校をどう過ごしたかが重要なのです。
ズバッと言いましょう。大切なのは学校の授業の「予習」と「復習」です。
どんなに塾で勉強時間を増やしても、予習・復習なしに成績を上げることは絶対にできません。 予習をする目的は、授業の前に「わからないところ」すなわち「疑問」を発見することです。 学校の授業というのは、頭にひっかかっている「疑問」がなければ効率よく理解することはできません。つまり、何の問題意識もなく授業を受けても、頭を素通りしてしまうのです。
だからこそ、授業の前に自分の中にある「疑問」を設定しておくことが大切なのです。 予習をすると「これまでの知識や経験でわかること」と「経験したこともないし、理解も推測もできないこと」があることに気づきます。 まったく新しい内容に対しての「それは何?」「どういうこと?」「どうすればいいの?」を理解するために授業を聞くのです。
つまり、「わかること」と「わからないこと」をハッキリさせるために予習は必要なんです。
そして、学校の授業を受けても、まったく復習をせずにそのままにしておくと、せっかく学んだ知識は定着しません。 エビングハウスという心理学者は、人間の脳は例えば今日英単語を5個覚えても翌日には1個しか覚えていないと言っています。もちろん実験によって得たデータです。
では、どうすれば効率良く知識を定着させることができるのでしょうか?
ズバッと言いましょう。復習をやることです。
つまり、復習は「学んだ知識を自分のものにするため」にやるのです。 復習をするタイミングとして最も効果があるのは、授業が終わった直後です。どんなに遅くてもその日のうちに復習することが重要です。 記憶がまだ新しいので、勉強した内容が整理しやすく、また知識が脳に定着しやすいので、非常に効果があるからです。 予習・復習をするだけで、定着率が20%に70%に増加します。つまり、基礎学力に「3倍以上の差」がつくのです。 勉強が苦手な子ほど、普段の授業をおろそかにしてテスト前に詰め込んで勉強するよりも、予習復習をして普段の授業を活かす勉強法が「抜群に効果が出るやり方」だということなのです。
家庭学習の習慣を身に着けることが大切です。
ただ、これがなかなか難しいのです。
仕事なら「お金がもらえます」。これがモチベーションになるので人間は我慢して仕事に行きます。そのうちに仕事そのものが面白くなってくれば幸せです。
しかし、勉強しても「お金はもらえません」。
したがって、家庭学習の習慣を身に着けるのはなかなか難しいのです。
目に見えるものを「ものさし」にしなければ人間は動かないのです。
成績はすぐには効果が出ません。
「100日効果」と私は言っています。今やっている勉強は、やり続けて100日後に出るものなのです。途中でやめればまた最初からやり直し。 したがって、成績をモチベーションにすることはできないのです。成績にすぐに日々の勉強が反映されれば人間はみんな、勉強していたかもしれません。
だとすれば、そこには目に見える「ものさし」が必要です。「ものさし」である以上、数字がなければ人間には刺激とはなりません。会社でも役所でも商店でも「数値目標」を立てるのはそのためなのです。「1か月の売上げ金額が100万円」と目標があるから人間は頑張るのです。今が70万円の売り上げを達成していれば、あと30万円売り上げようと努力できるのです。がむしゃらに「がんばれ」と励ましても頑張れないようにできているのです。 目標数値はわかりやすく単純なものでないといけません。人間とはかなり単純な生き物です。
まずは、「勉強時間」を目標にしましょう。
中身は問いません。机についていたら良しとします。最低条件は教科書を開いて、ペンを持っていること、とします。ゲームやスマホをいじっていてはいけません。
そして、時間設定。これが重要です。
私は、教師をしていた頃。と言っても、今のように大学の教員ではなく、中学校の教師をしていた頃、生徒や親によく言っていました。
勉強はやり続けて初めて面白くなるものなのです。
学校推薦の問題集や学校で購入した問題集がいいでしょう。答えを見ながらやっても構いません。むしろ、まずは答えを見てやることをお勧めします。 最低3回は繰り返しましょう。何種類もの問題集をあっちをやり、こっちをやりというのが一番ダメなやり方です。問題集は基礎トレーニングと心がけましょう。最低3回繰り返しましょう。
カレンダーを活用して、計画を立てるのです。3回繰り返す計画です。
学校は1週間前に、テスト週間として試験範囲や提出物一覧表を最近は配ってくれるようになりました。1週間では遅すぎます。2週間前にはおおよそのテスト範囲と提出課題の情報をつかみましょう。簡単です。「早くから準備したいのでテスト範囲と課題について教えてください」と先生に聞くように子どもに言えばいいのです。先生は、必ず対応してくれます。
最新の子育て理論です。
皆さんもそうだったでしょう。
うまくいって、ほめられて、これでいいのだと自分で思って頑張れるようになったはずです。これを心理学では「自己肯定感」と言います。
「自己肯定感」を持つ子どもなら簡単に広大に行けます。
さあ、明るい未来を子どもが持てるようにわが子を広大に導きましょう。
私が大学を卒業してすぐに教師となって教壇に立ってから30年が過ぎ、発達障害や特別支援教育について講演をするようになって、10年以上が経ちました。特別支援教育とは、従来知的な遅れや目が不自由な子供たちなどを対象にしてきた障害児教育に加えて、「知的発達に遅れがないものの、学習や行動、社会生活面で困難を抱えている児童生徒」にもきちんと対応していこうと言う教育です。
これは、従来の障害児教育で論議されていた内容をはるかに超えて、発達障害児はもとより発達障害と診断されなくても認知機能に凹凸のある子供の教育についても対象としており、さらに子供だけでなく我々大人も含めたコミュニケーションや感情のコントロールといった、人間が社会で生きていくうえにおいてもっとも重要であり、基礎的な内容を徹底して論議しているからであるととらえています。
そのためには、児童生徒一人ひとりの教育的ニーズを把握して適切な教育的支援を行う必要があります。ここで、単に教育とせず、教育的支援としているのは、障害のある児童生徒については、教育機関が教育を行う際に、教育機関のみならず、福祉、医療、労働などのさまざまな関係機関との連携・協力が必要だからです。また、私への依頼例からもわかるように、現在、小・中学校さらに高等学校において通常の学級に在籍するLD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)、知的に遅れのない自閉症(高機能自閉症・アスペルガー障害)などの児童生徒に対する指導及び支援は、喫緊の課題となっており、これら児童生徒への支援の方法や指導原理や全ての幼児・児童生徒への指導は、私達大人を含めて全ての人間が学び、関わり合うための基礎といえるコミュニケーション力を考える上で必須の知識であることを色々な場で訴えています。
今までたくさんの子供たちや親、そして同僚の先生方と貴重な出会いをしてきました。また、指導主事として教育行政の立場からもたくさんの校長先生方と学校経営の話をしたり、一般市民の方からのクレームにも対応したりと、色々な視点で学校や社会を見つめてきたつもりです。ここ数年は毎年200回近くの公演を行い、発達障害や特別支援教育について沢山の方々にお話をしてきました。そして、満を持して2014年3月に広島市立特別支援学校を退任し、2014年4月に竹内発達支援コーポレーションを設立致しました。
今後は、講演、教育相談、発達障害者の就労支援、学校・施設・企業へのコンサルテーション、帰国子女支援、発達障害のセミナーなどを行っていく所存です。
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