2021/04/26

人が生まれてから死ぬまでの各段階をライフステージとよびます。年齢や生活環境の変化に応じて、大きく「乳幼児期」「学童・思春期」「成人期」「高齢期」などにわけられています。

それぞれのライフステージによって身体の状態や取り巻く環境など、さまざまなことが変化します。そしてその変化に応じて、必要となる栄養素やエネルギー量、食事のとり方や注意点も異なります。

今回は、乳幼児期の食事のポイントについてです。

乳児期(0〜1歳)

生まれたばかりの乳児期は母乳が生きる源です。自分では食事を取れない乳児期に必要な栄養素は全て、母乳や人工乳に含まれています。その後、消化器官が発達する5〜6ヶ月くらいを目安に離乳食がスタートし、母乳以外の食べ物から栄養素をとるようになります。この時期は、心身ともに発達の個人差が大きいので、子供の状況に合わせて離乳食の硬さや大きさ、進め方など調整します。
POINT
  • 消化器官が発達した生後5〜6ヶ月くらいから離乳食を始めます。まずは、10倍粥などをすり潰すなど、ドロドロ状のものから与えます。
  • 離乳食は栄養素の補給だけでなく、咀嚼機能を発達させ、味覚を育てます。また噛むことで筋肉が発達し、脳も刺激します。

幼児期(1〜6歳)

食の嗜好が形成される幼児期はいろいろなものを食べさせてあげることが大切です。前歯と奥歯がほぼ生え揃う1歳半〜2歳ごろを目安に、栄養のほとんどが母乳から食事に移行すると離乳は完了です。
幼児期は食の嗜好が形成される時期なので、できるだけ薄味で多彩な食材を食べさせ、食事を楽しく感じられる工夫が大切です。
生涯の食習慣の基礎が身につく時期なので、主食・主菜・副菜が揃ったら食事を心がけましょう!
1日3食へ近づく時期ですが、1回に食べる量が少ないので、補食も大切です。
POINT
  • 薄味を心がけ、いろいろな食材を食べさせて、食への興味をもたせ、正しい食習慣が身につくようにしましょう。
  • 一度にたくさんの量が食べられないので、間食(補食)を入れます。

離乳食での野菜の基本の下ごしらえ

離乳食でよく使う野菜の基本の下ごしらえの方法です。
赤ちゃんが、母乳やミルク以外の食べ物を、はじめて食べるごっくん期(5〜6ヶ月)、食材にも興味を持ちはじめ、手掴みで食べようとする姿も見られるもぐもぐ期(7〜8ヶ月)、あごを上下して歯茎でかむ食べかたを覚えるかみかみ期(9〜11ヶ月)の形態に分けて紹介していきます。

  • にんじん

    ①皮を厚めにむく。
    ②細かく切る。
    ③お湯でしっかり柔らかくなるまで加熱する。
    ④ごっくん期はしっかりとろとろになるまでつぶす。

  • かぼちゃ

    ①かぼちゃの種を取り除く。
    ②皮を剥く。
    ③柔らかくなるまで茹でる。

  • ほうれん草

    ①下茹でしてあくを茹でこぼす。
    ②茎の部分は使用せず、葉先を切る。
    ③細かく刻む。

  • トマト

    ①トマトに切れ込みを入れ茹でる。
    ②湯むきして、種を取り除く。
    ③芯をとって細かく刻む。

今回は乳幼児期の食事のポイントでした。健康な毎日を生きていく上でライフステージごとの食事のポイントをおさえることが大切です。
離乳食でよく使う野菜の下処理を覚えておくことで様々な離乳食レシピに活用できるので是非覚えて活用してみてください。

  • 冷凍宅配幼児食「mogumo(モグモ)」

コラムニスト

管理栄養士  天野 裕葵 

給食委託会社で病院の献立作成や厨房業務に携わった後、フリーランス管理栄養士として栄養コラム執筆やレシピ開発、栄養価計算などを行なっています。
私は、管理栄養士が国家資格にも関わらず社会的地位が低いことに疑問を感じています。もっと世の中に貢献できることがあるはずです。管理栄養士の活躍が人々の毎日を健康にすると信じております。
私は、管理栄養士の専門性を活かし、栄養学の楽しさを知ってもらう、興味を持ってもらうことが大切だと感じております。
そして、栄養学を通して「食の大切さ」を伝えてゆき、「健康な毎日」の実現に繋げていきたいと思っております。


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