不倫から抜け出す方法

2019/12/10

今年もあと数日となりましたね。皆さんにとって、2019年の印象に残った芸能ニュースは何でしょうか?

私は、12月9日の日刊スポーツ「ベッキー 第1子妊娠!」。
このニュースを聞いてよかったね、よかったねと思われている方も多かったことでしょう。ベッキーファンでなくてもそう思ったのではないでしょうか。赤ちゃんの父親は、巨人軍の片岡治大コーチ。我が広島東洋カープじゃないのが残念です。カープのコーチ陣にもいい人、たくさんいますよ。高信二コーチ。すごくいいコーチです。横山竜士コーチとか倉義和コーチもいます。そうだ、東出輝裕コーチがいた。みんな結婚してましたか?

脱線してしまいました。

話をもとに戻しましょう。

ベッキーはあの騒動の後、今年1月に片岡コーチと結婚して来春に出産というおめでたいニュースが私の今年度ナンバーワン芸能ニュースです。ベッキーと言えば2016年にあの騒動が起こります。「ゲスの極み乙女。」ボーカルの川谷絵音との“ゲス不倫”がスクープされて以降、テレビですっかり見なくなってしまいました。当時のベッキーはレギュラー番組11本、CM出演10本という超売れっ子でした。一方、川谷絵音はアーティストということで早々と復帰して多方面で活躍。ベッキーファンの私としては、なんともやるせない気持ちでいっぱいでした。なぜ、ベッキーだけが。もちろん、川谷絵音の才能も認めているのですけど。

元々は明るくて聡明、気遣いや優しさという面でも好感度抜群で幅広い層から支持されていたベッキーです。今後の活躍を期待しています。

不倫は依存症の一つ

筆者は公認心理師・臨床心理士・特別支援教育士スーパーバイザーであり、カウンセラーをしています。最も得意としているのが発達障害のある幼児・児童・生徒や学生の支援であり、発達障害者の就労支援、生活支援そして保護者の悩みに対する相談です。

ここ数年、発達障害のある子どもの親からの相談でゲームをやめられない。大人だとギャンブルへの依存の相談をたくさん受けるようになってきました。不登校の相談も多く受けますが、ほとんどの子どもたちは学校へ行っていない間、スマホでゲームをしています。 依存症(addiction)とは、ある対象に過度にふけって溺れ、不適応状態に陥っていることをいいます。依存対象には、アルコール、薬物、ギャンブル、性、ニコチン、買い物、食行動などがありますが、依存のメカニズムは対象に関わらず基本的には同じと言えるでしょう。不倫も女性の側からいえば、相手の既婚男性に依存しているので似たような要素があるのです。「やめたいけど、やめられない」「相手の男性の奥さんを傷つける行為だと分かっていてもやめられない」「自分のためにならないと分かっていてもやめられない」、不倫にはまっている女性からの相談での生の声です。

ある小学校女性教諭の悩み

小学校教諭のAさん(29歳女性、独身)も不倫からなかなか抜けられずに悩んでいました。地元の国立大学教育学部を優秀な成績で卒業しています。卒業後すぐに22歳で公立小学校の教諭に採用されています。優しそうで、きりっとしていて、スタイルもよく人気のある先生です。仕事はまじめに取り組んでおり、保護者からの評判も高い先生です。これまで、学校現場は忙しくて結婚どころではなかったと言います。しかし、結婚願望は強く、早く結婚したいと思ってもいたそうです。同僚の中に独身の先生もいたそうですが、結婚を意識するような相手はいなかったそうです。好きになるのは、少し年上の既婚男性ばかりだったそうです。声をかけられるのも自分と同学年に所属する先輩の既婚男性教諭だったと言います。

現在の不倫相手の教諭と知り合ったのは今から3年前だそうです。本人は1学年4クラスの中の1クラスを担任していたそうです。学校には、学年を取りまとめるリーダーとして学年主任という職位があります。大量に採用されていた現在50代の先生方が退職を迎える時代に入ってきており、現在若い先生が多く採用されています。若い先生が学年主任になることも多くあります。当時の学年主任は30代中頃の仕事の良くできる男性教諭だったと言います。学級経営に悩んでいた時にその学年主任に相談したことから関係が始まります。

その女性は男性と会うために実家を出て、マンションに一人住むようになりました。そこで男性が来るのを待つという生活です。会っているときは幸せを感じます。愛されているという満足感も持ちます。しかし、男性が帰った途端に自分は何をやっているのだろうという自己嫌悪感やこのままではいけないという焦燥感を覚えます。象徴的な言葉を聞きました。それは、「いやなのはクリスマスや年末年始。あの人は家族(奥さんと2人の子ども)と楽しく過ごしている。このマンションに来ることはない。」 そう思っても結局、男性と別れることはせずに男性が来るのを待つ。目の前の快楽に負けてしまい、ずるずると3年が過ぎてしまったということでした。 Aさんの状態は、恋愛に対する依存症と言えるかもしれません。アルコールや薬物の依存症の治療は薬物やアルコールを断つことしかありません。Aさんもこの男性を断つことでしか不倫から脱出することはできないのです。

なぜ依存症になるのか。

自己肯定感の低さが依存の原因と思われます。今の自分、自然な自分、アナ雪でいうところの「♫ありのまま」の自分を受け入れられないことに起因するのです。愛されたい、大切にされたい、認めてほしいなどの欲求が満たされないときにその心の穴を埋めるべく「見せかけの愛」に手を出してしまい、虚構の愛情で快楽を感じているのです。相手の男性は、自分の性的な欲求や女にもてているという自己顕示欲などを満たすために依存傾向の強い女性を利用しているだけなのかもしれません。したがってこの傾向にある男性は、一人ではなく複数の女性と不倫関係になっていることはよくあることです。

自己肯定感の低さがどこからくるのかも人それぞれです。幼少期の家庭環境が少なからず影響していることもあると考えられます。家庭内暴力、両親の離婚体験、貧困により満足な子育てをされていなかったなどにより親からの愛情を十分に受けずに大人になったということもあるかもしれません。もともと持っている特性として緊張しやすくコミュニケーションをうまくできないことからくる対人関係づくりの弱さがあるのかもしれません。対人関係づくりの弱さはその後の友達づくりや先生との関係、上司や同僚との関係づくりを困難にして自分を生かすことができない場面を作ります。すなわち、対人関係づくりの弱さという特性は自己肯定感を高められないという結果を招くことになります。

自己肯定感の低さは「問題解決力の自信」の低さを生みます。さらに、「問題解決の関与」の低さを生み、問題から逃げる姿勢を作るのです。また、「自己統制」につても低さを生んでしまいます。「自己統制」とは、感情からの誘惑に対してやってはいけないことを我慢したり、間違えてやってしまっていることを止めたりという力です。

このような背景を前提として依存症になるのです。

不倫から抜け出すにはどうするか。

不倫相手を断つことが治療となりますが、これはなかなか難しい作業となります。そんなの痛いほどわかっている。できるならとっくにやっていると言われそうである。 不倫相手を断つために「今の思考」を変えることが重要になってきます。そのためには、なぜ今の不倫状況に自分がなってしまったのかを時系列に過去から振り返り、受け入れることから始めなければなりません。

実際には、次の①~④に従ってカウンセリングを行いました。私がカウンセラーで、クライエントがこの女性ということになります。

①自分は不倫相手をなぜ欲するのか。
②自分が本当に欲しているものは何か。
③不倫をせずに②のものを得る方法や手段は他にないのか。
④結果としてどのようになればよいのか。

そして、

①の答えとして(自分を認めて欲しいから)、
②の答えとして(自分を高められる確かなものを獲得したい)、
③の答えとして(大学院へ内地留学又は自費留学して教師としての力量を高めたい)、
④の答えとして(自信をもって教師の仕事を全うしている自分を感じる毎日を送りたい)

となりました。

結果だけを書けばこれだけですが、実際には半年に渡って2週間に1回、合計25回のセッションが行われました。
不倫はこの女性にとって、心の崩壊に対する自己防衛により立ち入ってしまった行為なのかもしれません。瞬間でも快楽を感じて紛らわす行為だったのかもしれないのです。不倫も最初はどうしようもない心の崩壊をくい止めるためのものだった可能性があるということです。そんなに否定するものでもない可能性すらあるのです。しかし、自分でコントロールが効かなくなるようなら話は別です。不倫は女性によっては人生の大切な時期を無為に過ごしてしまう結果を招くかもしれません。実際に若い頃不倫関係を継続して、気が付けば50歳なんていう例は多くあります。50歳からでも遅くはないという考え方もあります。しかし、早い段階で悩むということの方が多いのではないでしょうか。それが不倫です。私も男ですが、不倫相手の男はその女性の明るい未来など想像もしていないかもしれません。今さえ良ければいい、どうにかなる。このくらいの考えしかもっていないかもしれないのです。

そうだったとしたら、一人で悩まずに心理臨床の専門家の力を借りてみることも試してはいかがでしょうか。あなたにとって、それは今かもしれません。

コラムニスト

公認心理師・臨床心理士・特別支援教育士スーパーバイザー
  竹内 吉和 

私が大学を卒業してすぐに教師となって教壇に立ってから30年が過ぎ、発達障害や特別支援教育について講演をするようになって、10年以上が経ちました。特別支援教育とは、従来知的な遅れや目が不自由な子供たちなどを対象にしてきた障害児教育に加えて、「知的発達に遅れがないものの、学習や行動、社会生活面で困難を抱えている児童生徒」にもきちんと対応していこうと言う教育です。
これは、従来の障害児教育で論議されていた内容をはるかに超えて、発達障害児はもとより発達障害と診断されなくても認知機能に凹凸のある子供の教育についても対象としており、さらに子供だけでなく我々大人も含めたコミュニケーションや感情のコントロールといった、人間が社会で生きていくうえにおいてもっとも重要であり、基礎的な内容を徹底して論議しているからであるととらえています。

そのためには、児童生徒一人ひとりの教育的ニーズを把握して適切な教育的支援を行う必要があります。ここで、単に教育とせず、教育的支援としているのは、障害のある児童生徒については、教育機関が教育を行う際に、教育機関のみならず、福祉、医療、労働などのさまざまな関係機関との連携・協力が必要だからです。また、私への依頼例からもわかるように、現在、小・中学校さらに高等学校において通常の学級に在籍するLD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)、知的に遅れのない自閉症(高機能自閉症・アスペルガー障害)などの児童生徒に対する指導及び支援は、喫緊の課題となっており、これら児童生徒への支援の方法や指導原理や全ての幼児・児童生徒への指導は、私達大人を含めて全ての人間が学び、関わり合うための基礎といえるコミュニケーション力を考える上で必須の知識であることを色々な場で訴えています。

今までたくさんの子供たちや親、そして同僚の先生方と貴重な出会いをしてきました。また、指導主事として教育行政の立場からもたくさんの校長先生方と学校経営の話をしたり、一般市民の方からのクレームにも対応したりと、色々な視点で学校や社会を見つめてきたつもりです。ここ数年は毎年200回近くの公演を行い、発達障害や特別支援教育について沢山の方々にお話をしてきました。そして、満を持して2014年3月に広島市立特別支援学校を退任し、2014年4月に竹内発達支援コーポレーションを設立致しました。
今後は、講演、教育相談、発達障害者の就労支援、学校・施設・企業へのコンサルテーション、帰国子女支援、発達障害のセミナーなどを行っていく所存です。

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