2021/05/12

おむつを卒業してトイレでおしっこやウンチができるようになる「トイレトレーニング」。

思うように進まず、ストレスを感じているママ・パパもいるのではないでしょうか。

今回は、親子ともにできるだけストレスを減らして楽しくトイレトレーニングを進める方法を、先輩たちの体験談もまじえつつ紹介します。

いつから始める?最近のトイレトレーニング事情

過去、みんなが布おむつを使っていた時代には毎日の洗濯が本当に大変だったため、ママたちは少しでも早く子供のおむつを外すべく頑張っていました。

しかし、最近では紙おむつの使用率は0~3歳で90%を超え、「トイレトレーニングはその子の心と体の準備が整ってから」という考え方が主流になってきています。

参考

では、具体的に、子供が心身ともにトイレトレーニングの準備ができたサインとしてはどのようなものがあるのでしょうか?

おしっこの間隔が空いてくる

赤ちゃん時代は、膀胱(ぼうこう)のサイズも小さいため、ひんぱんにおしっこを出す必要があります。

2時間程度の間隔が空いてくれば、ある程度おしっこをためられるようになった証拠です。

尿意に自分で気づける

膀胱に尿がたまると脳に信号が送られ、「おしっこがしたい」と感じます。そして脳からは膀胱におしっこを出すように指令が送られます。

この神経経路は生まれたばかりの頃はまだ未発達で、平均1~2歳頃に完成するとされています。

ママやパパから見ると、子供が遊びの途中で動きを止めて一点を見つめているような時は、尿意を感じているサインです。

さらにもう一歩進むと、尿意を感じたり、おしっこが出たりすると、おむつや股間を触って知らせてくれる子も。

サインを見逃さず「あ、おしっこ出そうなのね」と関連付けてあげられるとベストですね。

トイレまでおしっこをがまんできる

最初のうちは、尿意を感じても、トイレにたどり着くまでがまんできないこともあります。

また、パンツの上げ下げに手間取っているうちにもらしてしまうことも。

しっかりがまんできるようになるのは早くて3歳、遅ければ小学校入学頃といわれています。

この段階までくれば、トイレトレーニングの準備はバッチリといえますね。

参考
日本小児泌尿器科学会|排尿機能発達・尿失禁症

上記のようなサインがみられる時期はその子によってさまざま。

さらに、その子の性格や通園の有無・季節などによって、最適なトイレトレーニングの開始時期はとても幅広いものになります。

ストレスの少ないトイレトレーニングの進め方

トイレトレーニングの進め方について、正解は1つではなく、きょうだいでもそれぞれ異なっていたりします。
そこで、先輩ママたちに「この方法がよかったよ!」という体験談を聞かせてもらいました。

「イヤイヤ期は無理しない」(Yさん・当時3歳3ヶ月のお子さんのママ)

Yさんのお子さんは、2歳台の「イヤイヤ期」が激しく、無理にトイレに誘うのは親子ともストレスだと思い、落ち着いてからチャレンジすることに決めていたそう。

「2歳の時はおまるも補助便座もパンツもイヤ!だったのですが、3歳を過ぎると、トイレでした方がおしりもキレイだし、お兄さんらしくてかっこいいよねという話が通じるようになり、ほんとにスムーズになりました」

「トイレを特別な楽しい場所に」(Kさん・当時2歳10ヶ月のお子さんのママ)

Kさんは、トイレをお子さんがすすんで行きたがるような楽しい場所に演出したそうです。

「子供の好きなキャラクターの補助便座や踏み台を揃え、ドアの内側や便座のふたを開けるとキャラクターの顔が出てくるようにしたり、おしっこができたらシールを貼るようにしたり」

「でもこちらから行こうというと、いまない!とごねた挙げ句にもらす…ということが多く私もストレスだったので、誘うのをやめて、トイレはおしっこやウンチする人だけ入れるいいところなんだよ!と話したところ、じゃあおしっこ行くー!と言うようになりました」

「急がば回れ、がよかった」(Tさん・当時3歳7ヶ月のお子さんのママ)

Tさんのお子さんは、幼稚園の3歳児クラスに入園まで数ヶ月の時点でおむつが取れていなかったため、何とか入園までにと思っていたそうです。

「おしっこ出そうと言われて、早く早く!とトイレに急いだのに直前でもらしてしまったときは、なんでもっと早く言わないの?こんなんじゃ幼稚園行けないよ!といつも叱ってしまっていました」

しかしそんなある日、立ち寄った実家でいつものようにトイレに急かしていると、おばあちゃんであるTさんのお母さんが「大丈夫だからゆっくりでいいよ~、急がば回れでね」と声をかけたそう。

「そしたらなんと、ちゃんと落ち着いてトイレでできたんです。しかも、自宅に帰ったあともかなりの確率で成功するようになり…私の焦りが子供のストレスになっていたのかなと反省しました」

「割り切ってトレーニングパンツを使用」(Sさん・当時2歳8ヶ月のお子さんのママ)

「娘は2歳半を過ぎると、おむつが濡れたら私のところに来て知らせるように。実家の母やママ友から、何もはかせないで過ごせばすぐにトイレでできるようになるよ、とアドバイスをもらったのですが、そこらじゅう拭き掃除をしたり、庭に出てしまって人目が気になったりと、私のストレスが多すぎて1日ともちませんでした」

というSさん。

「あきらめて、布製と紙製のトレーニングパンツを揃えてトレーニングに臨むことに。少し費用は高くつきましたが、そのぶん娘には余裕を持って接することができたのでよかったかなと思っています」

おわりに

今回は、よりストレスの少ないトイレトレーニングの時期や進め方のヒントを、体験談もまじえてお届けしました。

ぜひ、ご家庭の状況やお子さんのタイプに合わせて参考にして下さいね。

コラムニスト

認定子育てアドバイザー/育児教育ライター  高谷みえこ 

私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。

娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。

親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。

しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。

まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。

より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。

現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。

かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。

 関連記事

column/btn_column_page
トップ