2021/03/26

4月はピカピカの小学校一年生が入学する季節。親御さんとお子さんにとっても大きく環境が変わる時期です。

「給食ちゃんと食べられるかな」
「新しいお友だちとうまくやれるかな」

親御さんが気になることはたくさんあると思いますが、やはり学習面ではじめての授業についていけるかどうかは特に心配なところではないでしょうか。

なかでも、入学前のお子さんのママ・パパがよく疑問を持つのが「ひらがなの読み書きはできるようにしておくべき?」という件。

そこで今回は、公立小学校では入学時の「ひらがな」の習得についてどう考えているのか、また家でひらがなの読み書きを教えておくべきかどうかを、先輩ママたちの体験談に基づいて解説します。

公立小学校では、入学後にひらがなを教えるのが基本

文部科学省が2017年(平成29年)に告示した「小学校学習指導要領」では「第1学年および第2学年」の内容として以下のような解説があります。

平仮名及び片仮名を読み,書くとともに,片仮名で書く語の種類を知り,文や文章の中で使うこと。

参考:【国語編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説

漢字は1年生で80字、2年生で160字を習うため、全国の多くの公立小学校では、1年生の1学期のうちにひらがな・カタカナをしっかりマスターするという進め方のところが多いようです。

ただ、ひらがなをていねいに教える学校と、書ける前提でサクッと進める学校でやや差があるのも事実。

入学説明会や近所のママに聞くなどして様子が分かるとベターですね。

また、必須ではなくとも、入学前に読み書きができる子は実際にはかなり多いのも事実。

Benesseが2016年に実施した調査では、年長の時点でひらがなを読める子は554名中97.2%、自分の名前をひらがなで書ける子は98.6%と、ほとんどの子が「読み」はできていると言う結果でした。

数行程度の文が書ける、つまりひらがながほぼ全て書ける子も72.4%で4人中3人という結果に。

ひらがな教える?教えない?先輩ママにアンケート

ほとんどの子が読める、名前を書ける…と聞くと、小学校の授業についていくためには、家や幼児教室でひらがなを教えなくてはいけないの?と不安になってしまいますよね。

そこで、小学生のお子さんがいる先輩ママ50人に「入学前にお子さんにひらがなの読み書きを教えましたか?」とアンケートをとり、その理由も聞いてみました。

ひらがな「就学前に教えた」派の理由

まず、入学前に子どもにひらがなの読み書きを教えた人は50人中36人と、約3分の2。やはり多数派のようです。

しかし、その理由は人それぞれでした。

「進んで教えるつもりではなかったのですが、外出先でも、これなんて読むの?あれは?とどんどん聞いてきて。興味があるなら…と、お風呂で何度も文字を書いて消せるおもちゃを買ったところ、覚えてしまいました」
「保育園で子ども同士のお手紙交換が流行。ちゃんと形を教えないとめちゃくちゃに覚えそうだったので、やむを得ず正しい字を教えました」
「うちの子は何ごとものんびりペースだったので、なにか1つくらい余裕を持ってできることがあった方が、周りに劣等感を持たずにいられるかな…と思って、比較的親でも教えやすいひらがなを練習しました」

「教えなかった」派の入学後のようすは?

いっぽう、あえてひらがなを教えなかった1/3の人はなぜそうしたのでしょうか?また小学校に入学後は読み書きで苦労しなかったのか聞いてみました。

「中途半端に教えて間違って覚えてしまうより、小学校で書き順やとめ・はね・はらいを1つずつ丁寧に教えてもらったほうがいいと思ったので。入学時にはまったく書けませんでしたが、いま5年生ですが困ることもなく国語の成績は良いですよ」
「幼稚園では、自然に触れあって五感を刺激したり生活習慣や人間関係を身につけたりする方が大切という方針で。それでも、絵本を1人で読んだりしているうち、入学時にはひらがなとカタカナはだいたい読めていました」
「以前、学童保育のスタッフをしていました。子どもたちの宿題のサポートをしていたのですが、入学当初はまったく読み書きできなくても、すぐに追いつく子がほとんどでしたね」

先輩ママたちの結論「ひらがな読めればOK!」

先輩ママの声をまとめると、小学校入学時点でひらがなが書けるようになっている必要はあまりなく、「だいたい読める」程度で大丈夫!という意見が大半でした。

ひらがなに興味関心の出てくる時期は、その子によって大きく異なります。

大事なのは「楽しい」という気持ちを持てること。

「周りができているから」という理由ではなく、あくまでもその子のペースで進め、無理強いしないことが大切ですね。

コラムニスト

認定子育てアドバイザー/育児教育ライター  高谷みえこ 

私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。

娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。

親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。

しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。

まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。

より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。

現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。

かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。

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