「つわり」は多くの妊婦さんが辛い思いをする症状で、統計によると、66.8%の妊婦さんが何らかのつわりの症状を経験しています。
妊娠中は、赤ちゃんに会えるのが楽しみな反面、さまざまな体調の変化も起こります。一日中吐き気や倦怠感などで苦しむ日が続くと、「いったいいつまで続くの?」と不安に思ってしまいますよね。
そこで今回は、つわりの期間やピーク時期についての調査結果と、出産を経験したママの体験談も参考に紹介します。初めての妊娠であれば特に、何もかもが新しい経験で不安を感じるのは自然で当然のことです。妊娠に伴い大量に分泌されるホルモンの影響で、イライラや不安感が増すケースもあります。
この記事を通して、妊娠中に体内で起こるさまざまな変化を理解し、不安が少しでも和らぐよう願っています。
厚生労働省が企業向けに配布している「母子健康管理ガイドブック」には、つわりの症状が起こりやすい時期として、下記のように記載されています。
妊娠5~6週といえば月経予定日が1~2週間遅れたあたりで、多くの人がこの時期につわりの症状から妊娠に気づきます。妊娠12週は妊娠4ヶ月にあたります。しかし、「母子健康管理ガイドブック」に記載されているつわりの時期は、アンケート調査で最も多い回答結果とは少し違うようです。
このセクションでは、実際に「つわり」がいつからいつまで続くのか、アンケート結果を交えながら解説していきます。
つわりは一般的に妊娠5〜6週頃から始まります。早い場合は妊娠4週目から始まる場合もありますが、つわりの時期は個人差が大きく、全く経験しない妊婦さんもおられます。多くの妊婦さんは、食べ物の嗜好の変化、だるさや胃のむかつき、吐き気、食欲不振などの症状を経験するようです。
赤ちゃん用品メーカー「コンビタウン」が行った、つわりの時期に関するアンケート調査でも、「4~5週」「6~7週」の上位2つの最も多い回答結果が、一般的にいわれているつわりが始まる時期と重なります。
※以下の「コンビタウン」によって作成されたグラフ内の数値は人数
つわりのピークは妊娠8週から10週頃といわれています。この時期はヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)という妊娠ホルモンの分泌量がピークに達し、つわりの症状が最も重くなる時期です。その後、つわりの症状は一般的に妊娠19週頃には徐々に落ち着いていきます。
※四捨五入のため、各数値の和は100%にはなりません。
一方で、妊娠7週目以前が合計13.6%、妊娠11週目~17週目が35.4%と、個人差が非常に大きいことがわかります。(回答時点でまだつわりが終わっていないママさんを除く。)
次に、実際につわりを経験した先輩ママたちに、具体的なつわりの期間やピーク時の様子を教えてもらいました。先輩ママの体験談を聞いてみましょう。
など、やはり、「妊娠8~10週目あたりがピークだった」という人が多数派ですが、中には「大きなピークを迎えないままにつわりが終わった」という人もいました。
つわりは妊娠8週から10週頃にピークを迎え、その後は徐々に軽減し、19週頃までには治まるケースが多いです。つわりの終わり方も個人差があり、徐々に症状が和らぐ場合もあれば、突然吐き気や気持ち悪さが消える場合もあります。また、出産まで何らかのつわりの症状が続いた人も数%見られます。
実際につわりの症状が落ち着き、スッキリして活動しやすくなるのは、一般的に「安定期」といわれる妊娠5ヶ月(16週)以降という人も多いようです。「コンビタウン」が行ったアンケートでも、つわりが終わった時期は「16~19週」が最多となっています。
「母子健康管理ガイドブック」に書かれている「つわりが終わる時期」が、アンケート調査で「最も多い回答結果と少し違う」と感じたのはこの点でした。
つわりで辛い思いをしている妊婦さんにとって一番知りたいのは、「いつになったらつわりが終わって楽になるの?」ということではないでしょうか。
つわりの期間は個人差が大きく、同じ人でも1人目と2人目の妊娠時で違うことも珍しくありません。「つわりがそろそろ終わりそう…」という兆候や目安はあるのでしょうか?つわりが終わる兆候について出産を経験したママたちに聞いてみたところ、次のような答えが返ってきました。
このように、最初は小さな変化が起きて、そこから「少しずつ調子のいい日が増えていった」というパターンが多いようです。
一旦つわりが治まっても、妊娠8か月以降の妊娠後期になって再び吐き気などの症状が現れる「後期つわり」を経験する人もいます。 前期つわりはホルモンの変化が原因で起こると考えられていますが、後期つわりは大きくなった子宮が胃を圧迫することや、血流量が増えて心肺に負担がかかり疲れやすくなることなどが原因とされています。
「つわり」とは、妊娠初期に現れる吐き気や嘔吐などの症状を指し、厚生労働省によると、つわりは「日常生活に著しい影響を及ぼす疾患」とされています。つわりの主な症状は吐き気や嘔吐ですが、重症の場合は妊娠悪阻(にんしんおそ)と呼ばれ、体重減少や脱水などの症状が現れます。水分が摂れない、体重が著しく減少しているなどの症状がある場合は、早めに産婦人科を受診しましょう。
「つわり症状」と呼ばれる妊娠時の悪心・嘔吐(以下、 つわり症状)は全妊婦の 50~80%に生ずる一般的な症状であり、軽 症の場合には治療を必要としないか、あるいは薬物によらない食事 療法などが行われる。これに対して、重症の場合には「妊娠悪阻」 と診断し、治療を必要とする。現在、本邦では妊娠悪阻については 輸液療法などが保険適用になっており、入院管理が必要な場合には 「過度の妊娠嘔吐」という DPC の病名がある。
上記の「コンビタウン」によるアンケート調査で挙げられた上位5つの症状は、次の通りです。「吐き気、嘔吐」「胸やけ、胃のもたれ、むかつき」は、吐きづわりに該当します。
このセクションでは、下記のつわりの典型的な5つの症状と対処法について解説します。
「吐きづわり」は妊娠初期によく見られるつわりの症状です。吐き気や嘔吐、胃もたれや胃のむかつきなどが特徴で、常に吐き気が続き、食べ物を口にしてもすぐに吐いてしまいます。そのため、脱水症状や栄養不良、低血糖を防ぐために、以下の点に注意しましょう。
酸味のある梅干しやレモン、トマトなどが食べやすいという方が多いです。イチゴやキウイ、パイナップルなどの酸味のあるフルーツや、そうめんやうどんなど、喉越しの良い食べ物もおすすめです。
食べたくないときに無理して食べる必要はありませんが、吐かないために何も食べないより、吐いたとしても少しでも食べた方が体力を保てます。食べられるときに少量ずつでも食べれば大丈夫です。ただし、何日も食事が取れずに栄養失調が疑われる場合は、産婦人科を受診して点滴などの処置を受けた方がいいかもしれません。
吐きづわりによる脱水症状を防ぐため、水分を補給しやすい経口補水液やイオン飲料を飲むようおすすめします。全く水分が取れない場合は、氷を舐めると少しずつ水分を補給できますが、体を冷やさない程度に抑えましょう。氷の味が苦手な場合はレモン水を凍らせておくと、口の中に含みやすいですよ。
「食べつわり」は、妊婦さんが空腹時に気持ち悪くなる症状です。気持ち悪さを軽減するために何かを食べるのは問題ありませんが、過度な体重増加には注意が必要です。食べつわりを経験すると、妊娠中の適正な体重増加なのかがわからなくなるかもしれません。
下記の記事で妊娠中の適正な体重増加について説明していますので、気になる方は参考になさってください。
炭酸飲料や飴やガム、ビスケットなどすぐに食べられるものを常備しておき、こまめに水分補給をしたり、よく噛んで食べたりして食べつわりに対処している先輩ママもいるので、参考にしてくださいね。
普段は気にならない匂いを突然不快に感じて吐き気を催すのが、においつわりの特徴です。ごはんを炊く匂いや、好きだった香水や洗剤の香りが苦手になることもあります。
においつわりの症状は個人差がありますが、一般的には妊娠初期から中期にかけて症状が出やすくなり、妊娠5週目から16週目頃にかけて匂いに敏感になります。妊娠後期に入るにつれて次第に治まっていくケースが多いです。
以下に示す「においつわりの7つの対策方法」を、ぜひ役立ててくださいね。
眠りつわりは、昼間でも強い眠気が続き、どれだけ寝ても「もっと眠っていたい」という症状が現れます。こうした症状が現れた場合は、家族や職場の方々に事情を説明して状況を理解してもらい、無理のない生活を心がけることが大切です。
では、眠りつわりに対してどのような対策が有効なのでしょうか?下記に挙げる、4つの方法を試してみてください。
夜に眠れなくならないように時間の調整は必要ですが、眠気の最も有効な対策は、仮眠を取って時間が許す限り寝ることです。妊娠中に眠くなる理由や、眠気がいつからいつまで続くのかを調査したアンケート結果については、下記の記事を参考にしてくださいね。
よだれつわりの特徴は、過剰な唾液の分泌や、味覚が変わって唾液に不快な味を感じてしまい、飲み込むのが困難になったり、飲み込むと気分が悪くなったりする症状です。
妊娠に伴うホルモンバランスの変化が原因で、唾液の分泌が増えるとされています。つわりの影響で唾液を飲み込めないため、口の中に唾液が溜まりやすくなり、さらに唾液が増えたように感じることがあります。
1回に食べる食事の量が増えると唾液の分泌量も増えてしまうので、食事の量を少なくして回数を増やすことが、よだれつわりの緩和に役立ちます。また、あめやガムを噛んで不快な味を紛らわせ、マウスウォッシュや歯磨きなどの口腔ケアをこまめに行うことも症状の緩和に繋がる場合があります。
いつでも唾液を吐き出せるように、夜寝るときには洗面器を近くに置き、外出時には空のペットボトルにカバーをかけて持ち歩くと便利ですよ。つわりは辛い症状ですが、これらの対策を試してみて少しでも楽に過ごせるように工夫してみてくださいね。
つわりの原因は、妊娠による代謝やホルモンの変化が主な要因とされてきました。
妊娠中、黄体ホルモンであるプロゲステロンの増加が胃腸の動きを抑制して体内にガスが溜まりやすくし、これが不快感や吐き気を引き起こしているとされています。また、エストロゲン(卵胞ホルモン)などのホルモンが嘔吐中枢を刺激することにより、つわりが発生するとも考えられています。
その他にも、ビタミン不足による血糖値や代謝の変動、疲労や心理的なストレスなどがつわりの一因とされています。しかし、つわりの明確な原因は未だに完全には解明されていません。
今回、話を聞いたママたちからの共通したアドバイスは、「つわりは大変だけど、いつかは必ず終わるから安心して!」ということでした。
つわりが辛い期間には、できるだけムリせず休むことを基本に「食べられるものを少量ずつとる」「気が紛れるなら軽く動く」「ショウガやレモンなど好みの香りをかぐ」といったセルフケアを取り入れるのもおすすめです。
いつまでつわりが続くのかは人それぞれですが、今回の記事も参考にして、身体をいたわりつつ乗り切ってくださいね。
私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。
娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。
親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。
しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。
まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。
より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。
現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。
かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。
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