2021/03/03

腸の中には太る菌と痩せる菌があって、太る菌の増加速度は非常に早いです。

例えば、食物繊維が多く、脂肪が少ない食生活を送る南アフリカの人達に、低食物繊維・高脂肪な、いわゆるファストフードに近い食事を2週間続けてもらいました。すると腸の中では、痩せる菌は消え、太る菌だらけになったそうです。また、別の研究では、ファストフードを食べ始めてからたったの2日で、腸内細菌の約40%が消滅したという報告もあります。

昔から「美容や健康には腸が大事」と言われてきましたが、ファーストフードや、買ってすぐ食べられるパッケージフードが溢れる現代社会。食品添加物や身体に悪い油のせいで、私たちの腸内環境は乱れています。だからこそ、痩せ体質を作るために「腸内環境を整える食品」が不可欠なんです!

食物繊維

ダイエットを考えたとき、多くの方が「カロリー計算」を行うと思います。 ですが、やってみてどうでしたか? いつもカロリー表示があるものばかり食べている訳ではないし、毎日、何ヶ月も続けるのは大変じゃありませんか?

そんなあなたを助けてくれるのが「食物繊維」です!

米国内科学会は、メタボリックシンドロームの成人240名を対象に、2つのダイエット法を比較しました。1つは、カロリーや三大栄養素の配分、どんな食材を選ぶかなどを細かく設定した、アメリカ心臓協会推奨のダイエット法。もう一つは、食物繊維を増やすだけのシンプルなダイエット法でした。

1年間の体重の変化を比較すると、どちらも平均して2kg程度の減量に成功し、結果に極端な差は出ませんでした。つまり、細かいカロリー計算に頭を悩ませなくても、食物繊維をしっかり摂るようにするだけでも、十分減量できるということです!

食物繊維が豊富な食材で、イチオシなのは「キャベツ」です。キャベツには食物繊維に加え、善玉菌の定番である乳酸菌が葉の表面に多く付着しているので、ダブルで腸内環境を整えてくれるんですね。また、生のままでも食べられるので、野菜を増やす最初のステップとしてはオススメです。

美容と健康に不可欠な食物繊維ですが、平成30年国民健康・栄養調査によると、一日の摂取平均は14g程度。国が定める目標量に対し、5g程不足しています。千切りキャベツ100g(およそ両手一杯分)で2gの食物繊維が摂れるので、カット野菜などを活用しながら、徐々に野菜を増やしてみてはいかがでしょう?

オリゴ糖

オリゴ糖は、乳酸菌やビフィズス菌など、一般的に「善玉菌」と呼ばれる腸内細菌のエサになって、菌を増やす効果があります。特定保健用食品として認められているので、名前くらいは耳にしたことがあるかもしれませんね。

「糖」というだけあって、味は甘く、お砂糖の代替え品として用いられることも多いです。甘いものは体脂肪に変わりやすいように思えますが、オリゴ糖は内臓から出る消化酵素ではほとんど分解されず、消化・吸収されないまま大腸に届きます。このため、糖質として体のエネルギーになりにくく、善玉菌が住む大腸まで届くので、脂肪が増える心配をしなくていいんですね。

食材なら玉ねぎ、ゴボウ、ニンニク、バナナなどがオススメです。特定保健用食品としてシロップのような形状で売られていますが、こちらは摂り過ぎるとお腹が緩くなるので、砂糖の代わりに使う際は、使用量に注意してくださいね。

発酵食品

最初にお話しした通り、現代の食生活では腸内環境が荒れている人がとても多いです。悪玉菌の数が多いのはもちろん、菌のエサが少ないため、善玉菌も悪玉菌もお腹がペコペコです。そんな状態では、菌はそのまま餓死してしまいそうですが…

実はエサがないと「腸の壁」を食べ始めるんです!

その結果、腸に小さな穴がいくつも空き、体に入ってはいけない雑菌や毒素が侵入します。これがアレルギーや風邪などの体調不良を引き起こしてしまうんですね。もちろん、腸が内側からボロボロになれば、栄養の吸収も十分にできず、悪玉菌が増え続け、太りやすい体質を作ってしまいます。

そんなボロボロになった腸のバリア機能を回復させてくれるのが、発酵食品です。

BMI25以上の肥満体型の方が4〜8週キムチを食べたところ、体脂肪や血圧が改善したというデータもあるくらい。まさに腸内環境の救世主ですね!

一口に発酵食品と言っても、キムチ、ぬか漬け、ザワークラウト、納豆、味噌、ヨーグルトと様々ありますよね。これらは、それぞれ違った種類の菌を含んでいます。

毎日同じものを食べるよりも、ローテーションにすることで善玉菌の「数」と「種類」を増やし、痩せやすく、元気な身体を作っていきましょう!

オメガ3脂肪酸

魚に含まれるEPAやDHA、亜麻仁油、くるみなどのナッツ類に多く含まれることで有名な、身体に良い油を指します。

細胞膜の動きを高める働きがあり、栄養素やホルモンの吸収率を高めてくれるので、荒れた腸内環境の回復にうってつけです。また、食事や運動の習慣改善と組み合わせることで、内臓脂肪を減らしやすくしたり、食欲を抑える効果もあります。

サプリを活用する方も多いですが、オメガ3脂肪酸はとても酸化が激しい成分です。サプリでは逆に体に害が出たり、フィッシュオイルでアレルギー症状が出るケースもあります。身体を良い状態に保つためにも、まずは週に最低200g以上のお魚を食べることから始めてみてはいかがでしょう?

脂肪酸とその他の栄養のバランスが優秀なのはサーモン、タラ、サバです。特にサバは缶詰で手軽に食べられるのでオススメですよ。

コラムニスト

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