育児書にはよく「赤ちゃんは生後4ヶ月を過ぎると昼夜の区別がつき始め、生後半年以降は夜中の授乳も減り、朝まで眠るようになる」などと書かれています。
しかし実際は、ある時期から、授乳やおむつ交換は必要ないのにいくらあやしても泣き止まない「夜泣き」が始まり、困っているママやパパも多いのではないでしょうか。
そこで今回は「夜泣き」の原因について解説。実際に夜泣きを体験したママやパパがとっていた対策も紹介します。
「ミルクも飲んだし、おむつも替えたのに…なぜ?」
赤ちゃんが夜中にずっと泣き止まないと、ママやパパが眠れなくて心身とも辛いのはもちろん、近所への迷惑も気になりますし、何より「どこか具合が悪いのでは」と心配になりますよね。
しかし、実は、夜泣きの原因はいまだに完全には分かっていないのです。
近年、脳波の研究などで少しずつ推測されてはいるものの、赤ちゃんは言葉で気持ちを説明できないので、ママやパパが「これかな?」と想像力を働かせてあげるしかないわけですね。
その上で、現在、夜泣きの原因と考えられているのは次のようなものがあります。
空腹やのどの乾き・おむつ・暑い寒いなど、まず思いつくこと以外にも、湿疹がかゆい、服の肌触りが気持ち悪い、鼻が詰まっている、歯が生えかけでムズムズする、おなかにガスやゲップがたまっている…など、赤ちゃんはさまざまな身体的不快感を訴えていることがあります。
赤ちゃんは新生児期には昼夜の区別なく2~3時間おきに目覚めますが、生後4ヶ月を過ぎると、2~3歳にかけて次第に大人と同じ睡眠・覚醒のサイクルに近付いていきます。
しかしまだ発達段階のために切り替えがうまくできず、夜、眠いのに眠れなくて泣き続ける子がいるともいわれています。
毎晩同じような時間帯に泣く場合、赤ちゃんは朝だと感じて目覚めたのにあたりは真っ暗で、ママやパパも相手をしてくれない…という不安から泣くのではないかという説もあります。
人が夜眠っているあいだ、脳内ではその日のできごと(情報)を整理して定着させる作業が行われています。
赤ちゃんもこれを繰り返して情緒や精神が発達していきますが、日中にとくに怖いこと・目新しいことがあった日や、寝る直前に興奮しすぎた日は、情報の処理が追いつかず夜中に目覚めて泣いてしまうともいわれています。
現在では、おもに、これら3つの原因が複合的に夜泣きに関わっているのではないかと考えられています。
Benesseが2017年に5818人に実施したアンケートによれば「夜泣きで困った/困っている)」と答えた人は62%。
実に多くの人が赤ちゃんの夜泣きを体験し、困ってきたということですね。
そこで今回は、夜泣きを体験したママ・パパたちに、当時やっていたことや対処法で効果があったことを教えてもらいました。
「抱っこしてゆらしたり、トントンするだけでは泣き止まなかったですが、メリーの音をちょっと鳴らすと気分が変わるのか、落ち着くことも多かったです」
「泣いているのをすぐに寝させるのは無理だと悟り、気長に付き合うつもりで、私も好きな歌を歌って抱っこしながら歩き回ってました」
「音」で気分転換する方法としては、ほかにも「赤ちゃんが泣き止む」と有名なCMソングの動画をスマホで再生して聞かせる、レジ袋のカシャカシャという音を聞かせる…というテクニックもありました。
「赤ちゃん 泣き止む 動画」などで検索すると数多く見つかるので、どれが効果があるか試してみるのもいいですね。
「お昼寝はリビングで、眠くなってきたらいつも同じ毛布をかけて寝ていたんです。7ヶ月頃から夜泣きするようになったのですが、お昼寝用の毛布を探している風だったので持たせてみたら、大泣きに移行する前に眠りに戻ってくれることが増えました」
そのほか、寝る前にはいつも同じ手遊びをして電気を消すなど、眠る前の「入眠儀式(ルーティン)」を決めると、夜泣きの時にも使えたという人が複数いました。
「やっぱり、夕方に寝てしまうと夜の眠りが浅くなって目覚めてしまう気がしたので、お風呂の時間を早めて眠らせないようにしてました。外出で夕食や離乳食を用意している間に寝てしまいそうな時は、割り切ってベビーフードにしたりも」
「昼間に支援センターに行ったり来客があったりした日の晩はよく泣く気がしたので、ある程度覚悟しつつ、夕方からはそれ以上興奮させないように静かに過ごすようにしてました」
「寝る時間にパパが帰ってくると大喜び。微笑ましいですが、高い高いなどの激しい遊びをするとどうしてもその後興奮して夜泣きしてしまうため、休日にしてもらうように頼みました」
「えんえん寝かしつけようとするよりも、一度リビングなどで電気をつけて少し相手をしてから寝室に戻るほうが、泣かずにまた寝てくれることが多かったです」
「皆さんやっていると思いますが、少し外を歩いたり、車でドライブするとスヤスヤ寝るか泣かずに起きていることが多かったのでおすすめです」
「いろいろ試してもどうしても泣き止まない時は、安全や近所へは十分配慮して、泣き疲れるまで付き合ったこともありました」
「孤独で疲れ切った状態での夜泣きは本当につらいので、夫に話してねぎらってもらったり、ママ友に愚痴を聞いてもらい、うちも一緒だよ~と言われると、同じように1時間以上夜泣きをあやすのでもずいぶん気が楽でした」
「育休中は、夫は翌日出勤なので私が夜泣きの対応をしていましたが、どうしても辛いときは30分だけ外に連れ出してもらい、そのあいだにお茶を1杯飲むだけでもホッとしました」
夜泣きはいつか終わる時がくる…と頭では分かっていても、その最中は先が見えずに辛いですよね。
別のアンケートでは、夜泣きが続いた期間は「6ヶ月」が最多、夜泣きが終わった時期で最も多かったのは「1歳1ヶ月」でした。
睡眠のサイクルは個人差がとても大きいですが、今回お話を聞いたママからも「必ず終わります!懐かしく思い出す日がくることを信じて」というメッセージが寄せられています。
どんな赤ちゃんの夜泣きにも効く特効薬は残念ながらありませんが、今回紹介した対策で使えそうなものがあればぜひ試してみて下さいね。
私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。
娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。
親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。
しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。
まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。
より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。
現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。
かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。
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