虫除けの正しい選び方!蚊に効かない成分もあるので要注意
気温が高い時期がやってくると気になるのが蚊やハエなどの虫。虫除けスプレーやシートを購入する際に「効果はどれが高いの?」「子供に使えるのはどれ?」と気になることもあるでしょう。
虫除けは成分や濃度によって効果や使える年齢が異なります。今回は虫除け成分の効果や特徴、選ぶときの注意点などを見ていきましょう。
蚊の視力は、人間と比べると数百分の1程度しかないと言われています。しかし、視力が悪いとはとても思えないほど素早く人間の存在を察知して近づいてくるものです。
目が悪くても人間を察知できるのは、蚊が二酸化炭素を感知する働きをもっていることが関係しています。人間が呼吸をすることで吐き出される二酸化炭素を感知して集まってくるのです。二酸化炭素濃度がわずか0.01%変わっただけでも変化に気づけるほど高い感知能力をもっています。
蚊は触覚を使って温度を感知することも可能です。温度が高いほど蚊に見つかりやすくなるため、運動や飲酒後で体温が上がっていると蚊に刺されやすくなります。
汗とともに発せられる乳酸や脂肪酸のニオイを感知する能力があることも特徴です。とくに足の裏のニオイにおびき寄せられることが近頃の研究でわかっています。
二酸化炭素や体温を感知する働きを鈍らせることで、蚊が寄りつかないようにできます。そのために有効なのがディートやイカリジンなどの虫除け成分です。
「昔から使われている成分が安心?」「それとも新しい成分のほうがいい?」と、どの虫除けを選んだらいいのか迷ってしまいますよね。虫除けは成分によって効果がある虫の種類や使える年齢などが違うため、用途に合わせて選ぶことが大切です。
3種類の虫除け成分のうち、ディートは濃度の違う製品がいくつか販売されています。濃度によって虫除け効果の持続時間が変わるため、外出先や外にいる時間、塗り直しできるかどうかなどシーンに合わせて適した濃度のものを選びましょう。
ディート10%以下 | 約3時間 |
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ディート30% | 約8時間 |
ディートが30%のものは持続時間が長いため、塗り直しの頻度が少なく済むメリットがあります。しかし使えるのは12歳以上から。生後6か月から12歳未満の子供に使う場合は、ディートが10%以下のものを選びましょう。
肌質によっては濃度が高いディートだと肌荒れを起こしてしまう方もいます。持続時間が長いからといって無闇に濃度が高いものを選ぶのではなく、外出する時間に合わせて選ぶのが無難でしょう。
ディートは年齢によって1日に使用できる回数が決まっています。
12歳以上 | 使用回数に制限なし |
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2歳以上~12歳未満 | 1日1~3回まで |
生後6か月以上~2歳未満 | 1日1回まで |
生後6か月未満 | 使用不可 |
年齢によっては使用回数の制限があるため、長時間にわたって外出するときには向いていないことがあるでしょう。
たとえば2歳の子供にはディートの成分が10%以下のものしか使えません。10%以下だと効果の持続時間が3時間ほどしかありませんが、使えるのは1日に1回までです。そのため、3時間以上出かける予定があるときはディートだと不十分な可能性があります。
一方でイカリジンや天然ハーブは1日の使用回数に制限がありません。長時間外にいる場合は、ディート以外の成分を選んだほうが便利なこともあります。
実はディートとイカリジンでは、効果を発揮する虫の種類が違うのをご存知でしょうか。
イカリジンはニオイがなく使いやすいのですが、ノミやサシバエには効果がありません。サシバエは竹やぶや森林、馬小屋や牛舎などに存在する昆虫です。刺されると強い痛みやかゆみがおこります。より多くの虫から守りたいのであれば、イカリジンよりもディートを選ぶのがおすすめです。
ミントやユーカリを使ったものはあらゆる虫に効果があると言われていますが、具体的にどの虫に効果があるのかまでは公表されていません。
昔からある虫除けはほとんどの製品でディートが使われています。虫除けといえば独特のニオイがあるイメージをもっている方も多いでしょう。あの虫除けのニオイは、実はディートによるものなのです。
一方で、新しく承認されたイカリジンには独特のニオイがありません。「虫除けのニオイが苦手」「できるだけニオイがしないものを選びたい」という方はイカリジンを使った虫除けを選んでみてください。
なお、ミントやユーカリを使ったものは虫除け独特のニオイはしませんが、成分そのものがもつ香りがあります。人によっては香りが強くて使いづらいと感じることもあるようなので注意しましょう。
虫除け製品には、スプレーやシートジェルタイプなどさまざまな形状のものがあります。できるだけ手を汚さずに塗布したいのならスプレータイプのものが便利です。
持ち運びの利便性が高く、虫除け成分を吸い込まないものがよいのならシートタイプのものが便利でしょう。お肌に満遍なく塗布でき、かつ周りに薬剤が飛び散らないものがよいのならジェルタイプを選んでみてください。
子供に使うものとなると、自分に使うのとは違い気をつかう方もいるのではないでしょうか。使われている成分や濃度を確認することで、虫除けは小さな子供からでも使えます。
濃度によって使える年齢が異なるため、使用者の年齢に合わせて選ぶことが大切です。
ディート10%以下 | 生後6か月から使用可能 |
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ディート30% | 12歳以上から使用可能 |
イカリジン | 年齢制限なし |
ミントやユーカリ | 年齢制限なし |
年齢を気にせず使えるものを探しているのであれば、とくに制限がないイカリジンや天然ハーブを使ったものを選ぶとよいでしょう。
ミントやユーカリは虫除け成分のなかでも安全性が高いと考えられます。またこれらの天然ハーブを使った虫除けは、お肌ではなく衣服に吹きかけて使うものです。
直接吹きかけることなく使えるので、お肌への負担が心配な方でも使いやすいでしょう。
玄関やベビーカーなどに吊り下げて使える虫除け製品は、お肌に成分が直接触れないため子供を蚊から守るために使っている方も多いものです。しかし、吊り下げタイプの虫除けに使われているピレスロイド系の薬剤が効果を発揮するのはユスリカのみ。
ユスリカは見た目こそ蚊と似ているものの、人間を刺すことはありません。つまり吊り下げタイプの虫除けを使っても蚊に刺されるのを防ぐことはできないのです。人間を刺す蚊から守りたいのであれば、ディートやイカリジンなどが使われている虫除け製品を選びましょう。
虫除けは、使われている成分によって使用可能な年齢や効果を発揮する虫の種類が異なります。より多くの昆虫から守りたいのならディート、ニオイがなく年齢を気にせず使えるものならイカリジン、お肌への負担を優先したいのならミントやユーカリなどが主成分のものを選んでみてください。
成分の特徴のほかに、スプレーやシートなど使うシーンに合わせて選ぶのもよいでしょう。誰が使うのか、どこで使うのか、どれくらいの時間出かけるのかなどに合わせて合う虫除け製品を選ぶことが大切です。
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