2021/08/20

産後2~3か月頃から「抜け毛」に悩まされるママは少なくありません。

今回は「どうして産後はこんなに抜け毛が増えるの?」「いつまで続く?」「また生えてくる?」などの疑問にアンケート結果もまじえてお答えします。

出産後に特有の抜け毛の原因とは

妊娠中、おなかや手足などの産毛が濃くなって驚いた…という経験はないでしょうか。

妊娠中には、胎盤形成や乳腺発達の働きをもつ黄体ホルモンの「プロゲステロン」の分泌が盛んになりますが、妊娠9か月頃にピークを迎えたあとは徐々に減ってゆき、出産と同時にほとんど分泌されなくなります。

実はこのホルモンには体毛の成長を促す働きがあり、体毛が濃くなるのもその影響なのです。

そして髪もその影響を受けて、妊娠中には本来抜けるはずの髪の毛が抜けずに成長を続けます。

ところが出産後、ホルモンがストップすると、今まで抜けていなかった髪は寿命を迎え、2~3か月のうちに次々と抜け落ちていくわけですね。

ある意味自然な現象で病気ではありませんが、多くの人が経験するため「産後脱毛症」や「分娩後脱毛症」という名称がついています。

みんなはいつまで抜け毛が続いた?元通りになる?

ホルモンの変化で仕方のないこととはいえ、毎日のようにどんどん毛が抜けると「これ、いつまで続くの…?」と不安になってしまいますよね。

ベビー用品メーカーのコンビが行ったアンケートによると、産後の抜け毛がおさまった時期として最も多かったのは、「産後10か月~1年」、次に多いのが「7~9か月」と、産後半年から1年頃までは抜け毛に悩まされていた人が多いようです。

この時期は、赤ちゃんがハイハイや伝い歩きを始めて目が離せなかったり、後追いや夜泣きが続いたりと、ママもゆっくり休めず、髪の手入れどころではない人も多いかもしれません。

アンケートでは抜け毛に対し「特に何も対策しなかった」という人が74%と大半を占めていましたが、抜け毛がおさまった後は、年齢相応のサイクルによってしだいに元通りになることがほとんどだといえるでしょう。

参考

産後の抜け毛をカバーするママたちのアイデア集

産後の抜け毛で一時的に地肌が透けて気になるとき、ママたちはどんな風にカバーしていたのでしょうか?

先輩ママに産後の体験談を聞かせてもらいました。

Yさん・1歳児のママ

「妊娠中はロングヘアだったのですが、赤ちゃんのお世話でゆっくり髪を乾かしている時間がなさそうだと思い、出産前に耳下あたりのボブにカットしました。産後は、お世話のこともさることながら、本当に抜け毛がひどくて。ロングだと髪の重みでぺたんとなって余計に地肌が目立っていたかもしれません」

Nさん・3歳児と0歳児のママ

「全体的に抜けているはずですが、どうも顔まわりが特に薄く感じちゃうんですよね。ちょうど太めのヘアバンドが流行っていたので、抜け毛のひどい時期の外出は、帽子かヘアバンドが欠かせませんでした」

Hさん・2歳児のママ

「抜け毛が落ち着いたと思ったら、生え際に新しく伸びてきた毛がツンツン飛び出して目立つこと…!美容師さんに相談したところ、バング(前髪)を厚めにすると目立ちにくいと言われたので、しばらくそうしていました」

見た目が気になるときに手間をかけずにカバーする方法として、ぜひ参考にしてみて下さいね。

髪のためにとりたい食材と栄養素

私たちの髪は「ケラチン」というたんぱく質が主成分となっています。

脂肪分が少なく良質なたんぱく質である赤身の肉、白身魚、サーモンなどは髪や肌、爪にも良いといわれています。

また、女性ホルモンと似た働きを持つ大豆イソフラボンを含む豆腐や大豆製品、甲状腺の働きを助けて髪の発育を促進する「ヨード」が豊富なワカメ・ひじきなどの海藻などの食材をバランスよく摂りましょう。

参考

おわりに

産後半年~1年頃といえば赤ちゃんから目が離せなくて大変な時期だと思いますが、やはり休息は身体はもちろん髪の回復にもプラスに働きます。

忙しい毎日ですが、ぜひ少しの時間でも一休みして、身体と髪をいたわって下さいね。

コラムニスト

認定子育てアドバイザー/育児教育ライター  高谷みえこ 

私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。

娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。

親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。

しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。

まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。

より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。

現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。

かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。

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