「いくら寝ても疲れが取れない」「たまった疲れをなんとかしたい」
疲れがたまっていると、毎日の生活がとてもつらく感じてしまいますよね。なかには十分に寝ているはずなのに疲れが取れないと感じている方もいるのではないでしょうか。疲労回復に役立つのが市販のビタミン剤や漢方薬などです。
今回は疲れに効く市販薬の種類や選び方、使うときの注意点などを詳しくご紹介します。
アリナミン製薬株式会社が行った調査によると、74.4%もの方が日頃から疲れを感じています。「日本人は働き過ぎ」などと海外の方から言われることがありますが、この数字を見るとたしかにその通りなのかもしれません。いったいなぜ、疲れが取れずにたまってしまうのでしょうか。
睡眠時間は、疲れを取る大切なタイミングです。眠っているときは日中よりも多くの成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンには疲労を回復させる働きがあるため、睡眠が十分に取れないと疲れが取れづらくなってしまうのです。よく体を動かした日についついうたた寝をしてしまうのは、体が疲れを取ろうとしているからなのですね。
私たちの体は、食べたものからエネルギーを作り、そのエネルギーを使って動いています。偏った食生活を続けていると、必要な栄養素が不足してエネルギーが作られにくくなってしまうため、疲れの原因となってしまうのです。とくに炭水化物ばかりを食べてビタミンやミネラルが不足するような生活を送っていると、エネルギー不足となり疲れがたまりやすくなります。
体調を崩しているときは、菌やウイルスと体が戦っているためいつもより体力を消耗しやすいものです。食欲不振で思うように食べられなくなることもあるでしょう。体調が回復した後も消耗した体力が元に戻るまで数日かかるため、疲労感が続くことがあります。
疲れに効く市販薬としては、次の3つが代表的です。
それぞれに特徴があるので、自分の疲れに合うものを選んでみてください。
このような方に向いているのがビタミン剤です。ビタミンB1やビタミンB2、ビタミンB6が入っているものを選びましょう。ビタミンB1は炭水化物を、ビタミンB2は脂質を、ビタミンB6はたんぱく質をエネルギーに変える働きがあります。
ビタミン剤は食べたものからエネルギーを作る手助けをするものなので、食後すぐの服用がよいでしょう。
肝臓や胃腸の疲れが体の疲れとして出ることもあるのをご存知でしょうか。とくに肝臓が疲れている方は、寝たつもりでもなかなか疲れづらくなります。そのような方に向いているのが肝臓水解物。肝臓水解物とは、肝臓(レバー)をアミノ酸やペプチドレベルにまで分解したものです。
エネルギーの多くを作り出す肝臓の働きを肝臓水解物がサポートすることにより、疲れやだるさを軽減します。
食欲がなかったり、病み上がりで食事が思うように摂れなくなったりすることもあるでしょう。そのような状況で疲労回復のためにとしっかりとした食事を摂るのは難しいものです。
漢方薬なら食欲不振や病後の倦怠感などにも対応できます。よく知られているのは補中益気湯(ほちゅうえっきとう)です。術後の体力回復のためにも使われているもので、胃腸の働きが弱っていて疲労感がある方に使われます。ほかに十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)や人参養栄湯(にんじんようえいとう)なども代表的です。
漢方薬やビタミン剤と聞くと、このようなことを思われる方もいるかもしれません。しかし、漢方薬もビタミン剤も立派な医薬品です。使い方にはいくつか注意点があります。
ビタミン剤や滋養強壮剤のなかには、カフェインが含まれているものが少なくありません。たとえばキューピーコーワゴールドαプレミアムには2錠あたり50mgのカフェインが含まれています。これはレギュラーコーヒなら約100ml、紅茶なら約200ml分に相当する量です。
カフェインは過剰摂取することで震えや不眠、吐き気などの症状があらわれることがあります。米国食品医薬品局(FDA)では健康な成人では1日あたり400mgの摂取ならカフェインによる健康被害がないとしているため、日頃からコーヒーや紅茶などカフェイン飲料を摂る方は摂取量に注意しましょう。
人によっては、お腹が空いているときにビタミン剤を飲むと胃がむかむかする場合があります。胃のむかつきを感じた方は、できるだけ食後に飲むようにしてみてください。
疲労回復によい市販薬を使うことで、疲れが楽になることでしょう。しかし、いくら薬を飲んで疲れが楽になったからといっても「疲れがたまっている原因」を無視してはいけません。睡眠時間を十分に取ったり、栄養簿ランスに気をつかった食事をしたりなど基本的な対策が大切です。
「薬を飲んでいるから無理をしても大丈夫!」と思わずに、基礎的な対策をしっかりしたうえでビタミン剤や滋養強壮剤などを活用してみてください。
疲れがたまらないような対策といわれても、何をしていいの?と思う方もいるでしょう。大事なのは食事、そして睡眠です。
ビタミンB群は、体を動かすエネルギーを作るために必要となる大切な栄養素です。とくにビタミンB1は疲労を感じやすい方には積極的に摂ってほしい栄養素として知られています。
エネルギーの60%以上は炭水化物から作られていることが特徴です。ビタミンB1は炭水化物からエネルギーを作るサポートをするため、積極的に摂ることで疲労感の改善が期待できるでしょう。豚肉やうなぎ、玄米などに多く含まれているの意識して取り入れてみてください。ビタミンB2はレバーや納豆、ビタミンB6はマグロやカツオなどに多く含まれています。
疲労回復につながる成長ホルモンの分泌を促すためにも、十分な睡眠時間を確保するように心がけましょう。必要な睡眠時間は人によって違うため一概に「○時間以上寝るべき」とは言えません。日中に眠くならない程度の睡眠時間が適切だと言われています。
寝る直前に食事をしない、寝床についてからスマートフォンを見ない、寝る2時間前に入浴を済ませるなどが深い睡眠を取るためのコツです。
多くの方が日頃から感じている疲労。「疲れているのはいつものことだし…」と思う方もいるでしょう。しかし、場合によっては疲れの裏になんらかの疾患が隠れている可能性もあります。疲れのほかに次のような症状があったら、医療機関を受診しましょう。
このように日常生活に支障が出るほど重い疲労感が続くものを慢性疲労症候群といいます。検査をしても体にはなんの異常もないのに、どんなに寝ても疲れが取れないのです。
血液中の鉄分が不足することで起こる貧血。貧血になると、酸素が体に供給されづらくなるため息切れや立ちくらみ、さらには疲労やだるさを感じやすくなります。
貧血の80~90%は鉄欠乏性貧血といわれるものですが、骨髄の働きが低下している再生不良性貧血、葉酸やビタミンB12が不足して起こる悪性貧血など原因はさまざまです。自己判断をするのは難しいため「貧血かな?」と思ったら受診するようにしましょう。
インスリンの分泌や働きが悪くなることで血糖値が上がってしまう糖尿病は、異常にのどが渇いたり疲れやすくなったりなどの症状も出ます。ほかに足がつりやすい、しびれる、食欲が増進するなどの症状も代表的です。糖尿病は早めに血糖コントロールをしなければ網膜症や腎障害などの合併症をきたしやすくなります。
真夏でも汗をかかず、むしろ寒いと感じることはありませんか?甲状腺の働きが落ちると、やたらと眠かったりむくみやすくなったりなどの症状が出やすくなります。とくに汗をかきにくくなることは甲状腺機能低下症の代表的な症状です。
睡眠不足や食生活の乱れなどにより疲労を感じやすくなります。疲労を改善するためには日中に眠気がこないくらいに睡眠をしっかり取り、ビタミンB群を積極的に摂る食生活を心がけることが大切です。市販には疲労回復に効くビタミン剤や滋養強壮剤、漢方薬などがあるのでこちらをうまく活用するのもよいでしょう。
ただし、日常生活に支障が出るほど強い疲れがあったり、のどの乾きや汗をかきにくくなるなどの症状があったりする場合は念のため医療機関を受診して何か疾患が隠れていないか検査をしてもらうと安心です。
薬剤師としてドラッグストアで働いていくなかで「このままではいけない」と日に日に強く思うようになっていきました。なぜなら「市販薬を正しく選べている方があまりに少なすぎる」と感じたからです。
「本当はもっと適した薬があるのに…」
「合う薬を選べれば、症状はきっと楽になるはずなのに…」
こんなことを思わずにはいられないくらい、CMやパッケージの印象だけで薬を選ばれている方がほとんどでした。
市販薬を買いに来られる方のなかには「病院に行くのが気まずいから市販薬で済ませたい」と思われている方もいるでしょう。かつての私もそうでした。親にも誰にも知られたくないから市販薬に頼る。でもどれを買ったらいいかわからない。
そんな方たちの助けになりたいと思い、WEBで情報を発信するようになりました。この症状にはどの市販薬がいいのか、どんな症状があったら病院に行くべきなのか、記事を通して少しでも参考にしていただけたら幸いです。
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