「腰痛や肩こりが気になるけど、どの湿布薬がいいの?」「とりあえず家にあった湿布薬を使っているけど、いまいち効いている感じがしない」
このようなお悩みをおもちではありませんか?湿布薬はどれも同じように見えるかもしれませんが、症状や痛みの程度によって適したものを選ぶことが大切です。しかし「パッケージを見ても違いがよくわからない」と感じる方が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、湿布薬に使われている成分や効果の違い、症状に合った選び方などを詳しくご紹介します。
湿布薬に使われている痛み止めの成分にはいくつか種類があります。成分によって効果の持続時間や痛み止めの強さが違うため、症状に応じて自分に合う成分が入った湿布薬を選びましょう。
市販されている湿布薬のなかでもっとも鎮痛効果が高い成分です。医療用のボルタレンと同じ成分が使われています。1日に1回貼るだけで効果が24時間にわたり持続することが特徴です。市販薬では「ボルタレンEX」や「フェイタスZαジクサス」などが代表的でしょう。
医療用の「セルタッチ」や「ナパゲルン」にも使われている成分です。鎮痛効果は比較的高いほうで、湿布薬の成分として一般的によく使われています。市販薬では「フェイタス5.0」や「パテックスフェルビナスターAシップ」が代表的です。
ロキソプロフェンは「ロキソニン」の成分としてもよく知られています。鎮痛効果が高く、知名度も高いことが特徴です。
市販薬でロキソプロフェン配合の湿布薬が販売されてからしばらくは薬剤師の説明を受けなければ購入できませんでしたが、2020年7月からどなたでも購入できるようになりました。「ロキソニンSテープ」や「ロイヒ膏ロキソプロフェン」などが代表的な製品でしょう。
ジクロフェナクナトリウムに次いで鎮痛効果が高いといわれている成分です。医療用では「モーラス」に同じ成分が使われています。市販薬では「オムニードケトプロフェンパップ」が代表的です。ほかの成分の湿布薬と比べると、取扱店舗はあまり多くありません。
医療用の「インテバン」や「イドメシン」と同じ成分です。市販薬では「バンテリンコーワパップS」や「サロンパスEX」などに配合されています。ジクロフェナクやケトプロフェンと比べると鎮痛効果はマイルドです。
鎮痛効果はほかの成分と比べると弱く、強い痛みにはあまり向いていません。しかし、ほとんど副作用なく使えることが大きな特徴です。
ほかの成分は痛みの元となるプロスタグランジンの産生を抑えるものですが、サリチル酸メチルはプロスタグランジンには関与しません。局所的に刺激したり血行をよくしたりすることで鎮痛効果を発揮します。
医療用では「MS冷シップ」、市販では「サロンパス」や「サロメチール」が代表的です。
湿布薬のパッケージを見ると、どれも「痛みの芯から効く!」「肩こり・腰痛に!」など書いてあり、正直言って違いがわかりづらいと感じます。選び方がわからないという方は、次の項目を参考に選んでみてください。
冷湿布と温湿布の使い分けに厳密な決まりはありません。一般的には急な痛みには冷湿布、慢性的な痛みには温湿布を選ぶことが多いでしょう。どちらを選ぶべきか迷ったら、使っていて心地よいものを選んでもらってOKです。ただし、患部が腫れている場合は冷やすことが効果的なことから、冷湿布を選ぶことが基本とされています。
茶色い湿布薬はテープ剤、白い湿布薬はパップ剤です。テープ剤は薄くて伸縮性に富んでいるため、関節のようによく動かす場所に貼るのに適しています。パップ剤は水分を多く含んでいるため、冷感を求める方に適しているでしょう。成分が同じであればテープ剤とパップ剤のどちらを選んでも効果に差はありません。
鎮痛効果が高い湿布薬がよければジクロフェナクナトリウムやケトプロフェン、ロキソプロフェンなどの成分が入ったものを選んでみてください。とにかく効果の高さを重視するのであれば、ジクロフェナクナトリウムがよいでしょう。
学校や会社など周りに人がいる環境で湿布薬を使うときは、においが気になることもありますよね。いわゆる「湿布のにおい」と言われているのはサリチル酸メチルが原因となることがほとんどです。そのためにおいが気になる方は、サリチル酸メチル以外の成分が使われている湿布薬を選んでみてください。
ただし製品によっては、サリチル酸メチルが入っていないものでもにおいがする場合もあります。
「家族に湿布薬をあげた」「近所の人から湿布薬を貰った」など、湿布薬をあげたり貰ったりする様子はよく見られます。しかし、実はこういった湿布薬のやりとりに頭を悩ませる医師や薬剤師は少なくありません。
湿布薬といえども、立派な薬の1つ。使い方によっては思わぬ副作用が出てしまう可能性があります。
光線過敏症とは、太陽にあたることで皮膚が赤くなったりかゆくなったりすることです。湿布薬を貼ったまま外出したり、貼っていた部位を太陽光にさらしたりすることで光線過敏症が起こることがあります。
光線過敏症が起きやすい成分としては、ケトプロフェンが代表的です。ほかにジクロフェナクでも光線過敏症が起こる可能性があると言われています。とくにケトプロフェンは光線過敏症が起きやすい成分で、湿布薬を剥がした後も4週間は患部を太陽光に当たらないようにしなければいけません。
とくに温湿布は貼ったままお風呂にはいるとしみやすいものです。剥がした直後でもヒリヒリとしみることがあります。お風呂に入る30分から1時間前には剥がしておきましょう。
市販薬の場合、湿布薬と鎮痛剤の飲み薬は併用しないことが基本です。湿布薬にも鎮痛剤にも同じような働きの成分が使われているため、併用することで副作用が起きやすくなる可能性があります。
湿布薬を貼っても痛みが治らない場合は、痛みの原因を診てもらい適切な治療をするためにも、医療機関を受診しましょう。
「よく効く湿布薬だからあげるよ」と隣人から貰った湿布薬を貼ったところ、吐き気や嘔吐などの副作用が出たという事例が過去にいくつかあります。がんの疼痛を抑えるために処方されていたフェンタニルパッチを貼ってしまったのです。
フェンタニルパッチは麻薬性の強力な疼痛治療剤ですが、誤った使い方をすると吐き気や嘔吐、ときに中毒を起こして命に関わることもあります。市販ではフェンタニルパッチが取り扱われていないのでこのような事例が起こることはありませんが、安易にほかの人にあげることで健康被害をもたらす可能性があることは覚えておきましょう。
腰痛や肩こりなど、痛みは多くの方が悩まされている症状の1つです。珍しい症状ではありませんが、むやみに市販の湿布薬を使い続けることはおすすめできません。
患部が腫れている場合は、骨折の可能性も否定できません。あまりに痛みが強く腫れがある場合は医療機関を受診しましょう。
痛いのは確かだけど、どこが痛いのかいまいちわからないという場合は要注意です。心筋梗塞ではまれに漠然とした痛みが出ることがあります。痛い場所がはっきりしない場合は、早めに受診してください。
1週間以上にわたり市販の湿布薬を使っても痛みが改善しない場合は、市販薬では対応しきれない可能性があります。「湿布を貼っても改善しない」「すぐに痛いがぶり返す」というときは無闇に使い続けないようにしましょう。
湿布薬は配合されている成分によって効果の高さが違います。もっとも鎮痛効果が高いといわれているのはジクロフェナクナトリウムです。そのほか、ケトプロフェンやロキソプロフェンも効果が高いといわれています。痛みの強さに応じて合う成分が使われているものを探してみましょう。急な痛みには冷湿布、慢性的な痛みには温湿布を選ぶのもおすすめです。
湿布薬といえども人によって副作用が出ることもあるので、安易に誰かへあげたり貰ったりしないことも大切です。痛みが1週間以上続く場合は、医療機関の受診も検討しましょう。
薬剤師としてドラッグストアで働いていくなかで「このままではいけない」と日に日に強く思うようになっていきました。なぜなら「市販薬を正しく選べている方があまりに少なすぎる」と感じたからです。
「本当はもっと適した薬があるのに…」
「合う薬を選べれば、症状はきっと楽になるはずなのに…」
こんなことを思わずにはいられないくらい、CMやパッケージの印象だけで薬を選ばれている方がほとんどでした。
市販薬を買いに来られる方のなかには「病院に行くのが気まずいから市販薬で済ませたい」と思われている方もいるでしょう。かつての私もそうでした。親にも誰にも知られたくないから市販薬に頼る。でもどれを買ったらいいかわからない。
そんな方たちの助けになりたいと思い、WEBで情報を発信するようになりました。この症状にはどの市販薬がいいのか、どんな症状があったら病院に行くべきなのか、記事を通して少しでも参考にしていただけたら幸いです。
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