2021/11/08

幼児期のおやつのは、“お楽しみ”よりたりない栄養を補う“補食”としての役割があります。大人が内容や量を管理することが大切です。

おやつは第四の食事と考えて

子どもは胃が小さいので、一度に食べられる量は少なく、摂取できる量は限られてしまいます。そのため、おやつは1日3日の食事ではとりきれない栄養を補う、大切な第四の食事となります。
特に日ごろの食生活では鉄、食物繊維、カルシウムなどが不足しがちなので、おやつで積極的にとりましょう。

1〜2才代の子供のおやつは、“お楽しみ”より“補食”の要素が大切です。3才以降になって、3回の食事でしっかり栄養がとれるようになったら、お楽しみとしての要素を取り入れていきましょう。
市販のおやつを与えるなら、大人と同じものではなく、糖分や油脂分、塩分などが少ない子ども用のおやつを!カフェインなどの刺激物、誤嚥しやすいものも避けて。袋ごと渡さず、大人が量を決めて食べさせましょう。

おやつルールを決めましょう!

内容:食事からとりきれない栄養を補うメニューに

午前のおやつは牛乳やジュースなどの水分を中心にして、午後のおやつはおなかにたまるものにします。食事でビタミン類がたりない場合は果実のおやつにするなど、とくに午後は3回の食事で不足する栄養を補うものを選びましょう。

量:1日の目安は摂取カロリーの10%〜15%

おやつとしてとりたいカロリーは、子どもに必要な1日の摂取カロリーの10%〜15%。1〜2才代は100〜150kcal、3〜5才は130kcal〜195kcalを目安に考えて。1日2回与えるときは、午前:午後=1:2のバランスでメニューを考えて!

時間:1才代は10時と15時の1日2回が理想

食事と同様、おやつも決まった時間に与えることが大切です。1才代は1日2回。10時ごろ飲み物などの軽いおやつ、15時ごろにおなかにたまるおやつを与えるのが理想です。2才以降になったら、午後の1日1回にしていきましょう。

水分補給:おやつに添えるのは水か麦茶、牛乳を中心に

子どもはたくさんの水分を必要とするので、おやつのときは飲み物を一緒に用意してあげましょう。ただし。ジュースなどは糖分が多く、カロリーも高いので、水か麦茶、牛乳を中心に。水や麦茶以外の牛乳や果汁100%ジュースの1回量は100mlが目安です。

カルシウムと鉄分をプラス!牛乳でわらびもち風

材料

牛乳 50g
バニラエッセンス 少々
粉寒天 1g
水 50g 
黒蜜 適量
きな粉 適量

栄養価

エネルギー 41kcal
タンパク質 2.0g
脂質 2.2g
炭水化物 4.5g

アレルギー

乳・大豆

作り方

  1. 耐熱ボウルに水と粉寒天を入れて、ダマがなくなるまでよく混ぜる。
  2. (1)を600wの電子レンジで1分加熱し、粉寒天を溶かす。
  3. (2)と温めた牛乳、バニラエッセンスを加えて混ぜる。
  4. バットに流し入れて、粗熱をとってから冷蔵庫で冷やし固める。
  5. (4)を食べやすく切り、黒蜜ときな粉をかける。

ビタミン・食物繊維を補給!野菜蒸しパン

材料

にんじん 10g
ズッキーニ 10g
トマト 10g
溶き卵 大さじ1
A(小麦粉 1/8カップ・ベーキングパウダー 小さじ1/4)
B(牛乳・サラダ油 各小さじ1)
砂糖大さじ1/2

栄養価

エネルギー 148kcal
タンパク質 3.9g
脂質 8.5g
炭水化物 14.7g

アレルギー

卵・小麦・乳・大豆(サラダ油)

作り方

  1. Aは合わせてふるう。
  2. にんじんとズッキーニは1cmの角切りにし、やわらかくなるまで茹でる。トマトは皮と種を取り除き、1cmの角切りにする。
  3. ボウルに溶き卵と砂糖を入れてよく混ぜ合わせ、Bを加えてさらに混ぜる。
  4. (3)に(1)を加えてよく混ぜ、(2)を加えて混ぜる。
  5. (4)を型に流しいれる。蒸気のあがった蒸し器にいれ、中火で7分蒸す。

カルシウムとビタミンE、セサミン補給!ごまと桜エビのせんべい

材料

ごはん 40g
黒いりごま 小さじ1/2
桜エビ 小さじ1/2
しょうゆ 少々

栄養価

エネルギー 77kcal
タンパク質 2.4g
脂質 0.9g
炭水化物 15.2g

アレルギー

エビ・大豆・ごま

作り方

  1. ボウルに全ての材料を入れ混ぜ合わせ、3等分にしてだんごにまとめる。
  2. (1)を1個ずつラップに挟み、手で押して薄く伸ばす。
  3. (2)のラップをはがし、耐熱皿に並べて600wの電子レンジで1分〜2分加熱する。

おやつは子供にとって楽しみの一つです。たりない栄養を補う“補食”としての役割を意識して選び与えてあげましょう!

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コラムニスト

管理栄養士  天野 裕葵 

給食委託会社で病院の献立作成や厨房業務に携わった後、フリーランス管理栄養士として栄養コラム執筆やレシピ開発、栄養価計算などを行なっています。
私は、管理栄養士が国家資格にも関わらず社会的地位が低いことに疑問を感じています。もっと世の中に貢献できることがあるはずです。管理栄養士の活躍が人々の毎日を健康にすると信じております。
私は、管理栄養士の専門性を活かし、栄養学の楽しさを知ってもらう、興味を持ってもらうことが大切だと感じております。
そして、栄養学を通して「食の大切さ」を伝えてゆき、「健康な毎日」の実現に繋げていきたいと思っております。


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