2021/11/19

いっぱい食べて元気に育ってほしい。そんな願いを子供は気に留めないで、食べたり食べなかったり。

けれど、「食べない」のには何かしらの原因があるかもしれません。
「嫌い」と決めつけないで子供が食べやすいよう工夫しながら食べるようになるのを待ちましょう!

「好き嫌い」は子供の意思の表れ

子供の「好き嫌い」は、大人とは違います。1〜3才代の子供にとって、「好き」=「気に入っているもの、慣れているもの」、「嫌い」=「飽きてしまったもの、食べづらいもの」という意思表示程度のこと。だから、今は「嫌い」でも、諦めずに調理法や演出方法を工夫すれば、いずれ解決できるはずです。

「ばっかり食べ」とはこだわりの表れ

一度気にいると、そればかり食べる「ばっかり食べ」も、こだわりの強い2〜3才代によく見られます。でも、どんなにお気に入りでも毎日食べ続けるとさすがに飽きて、突然食べなくなることも。そしてまた新しい「マイブーム」を見つけたりします。
好みは変わることもあるので、大人は他のものも食べるように促しながらも、あまり気にしないで様子を見ていきましょう。

「嫌い」と決めつけないで食卓に出して

子供は気まぐれ。味、かたさ、見た目のちょっとした変化で食べ物の好みが変わります。だから、すぐに「この子はこれが嫌いだから」と決めつけないで。大人が思い込むと自然とその食材が食卓に登場する機会が減り、子供の食べるチャンスもなくなります。子供の味覚はいろいろな味や香り、食感などを体験することで広がっていきます。
今、嫌がっているものでもいろいろ工夫して、変化をつけながら食卓に出し続けましょう!

好き嫌い 解決技!

子供が喜ぶ、楽しい形にしよう。

嫌いな食材を「ちょっと食べてみたい」気分にさせるコツがあります。それはクッキー型などでかわいい形にしたり、すこし見た目を楽しく変えてみること。さらに大人が美味しそうに食べてみせて、子供をその気にさせて!

ほかの食材に混ぜて、食べやすく

すりおろし野菜に苦手な食材を刻んで入れるなどして、混ぜてしまうのもおすすめです。食べたときは、「今、〇〇が食べられたよ、すごいね」と子どもをたくさん褒めてあげることも忘れずに!

食材の切り方・形を工夫して食べやすく!

1〜2才代はまだ歯が生えそろっていないので、大人のように容易く食品をかみ切ることができません。

根菜
  • 7mm〜1cm角で4cmの長さ。スティク状に切ると手づかみしやすい。
  • 5〜6mm厚さのいちょう切り。大人用の煮物よりもやわらかく加熱する。
葉野菜
  • 大人のおひたしよりやわらかくして。葉先は1〜2cmに切る。
  • 茎の部分は硬くてかみにくいので、3〜4mm幅に細かく切る。
  • 小さな奥歯の上にのせやすいように、薄切り肉を1〜2cm四方に切る。
  • 繊維を断ち切るように、2〜3mm幅の細切りにする。
  • 白身魚、鮭、アジなどを、3〜5mmの厚さで2〜3cm四方に切る。
  • 2cmの厚さのそぎ切りに。骨と皮は取り除くと食べやすくなる。

食べ物別に、好き嫌い解決レシピをご紹介します。

【肉嫌い】多めに作って冷凍保存も。マヨネーズでしっとり!ウインナー

材料(10本分)

鶏ひき肉 300g
しいたけ 1個
青ネギ 10g
A(卵1個 パン粉・マヨネーズ各大さじ2 みそ・牛乳各大さじ1 砂糖小さじ1/2)
ごま油少々

栄養価(1本)

エネルギー 85kcal
タンパク質 6.6g
脂質 6.2g
炭水化物 1.7g

アレルギー

卵・小麦・大豆・乳・ごま・鶏肉

作り方

  1. しいたけとねぎはみじん切りにしてボウルに入れ、Aとひき肉を加えて、粘りが出るまでよくこねてビニール袋に入れる。
  2. 15cm四方のホイルを10枚用意し、それぞれに油を薄く塗る。(1)のビニール袋の角を切り落として10等分になるようにホイルに細長くしぼり出し、キャンディー状に生地を包む。
  3. 受け皿に(2)をのせて、オーブントースターで10〜15分焼く。取り出して粗熱が取れるまで冷まし、ホイルを取り、一口大に切る。
    余った分は冷凍保存!

【魚嫌い】衣で旨味をとじこめて!タラのフリッター

材料(子ども1人分)

タラの切り身 30g
*人参すりおろし 小さじ1
*溶き卵 1/4個分
*牛乳 大さじ1
*小麦粉 小さじ2
*塩 少々
*サラダ油 適量

栄養価

エネルギー 119kcal
タンパク質 8.1g
脂質 7.5g
炭水化物 5.8g

アレルギー

卵・乳・小麦・大豆(サラダ油)

作り方

  1. 生たらは骨と皮を取り除き、そぎ切りにする。
  2. ボウルに*を混ぜて、衣を作る。
  3. 鍋に油を熱し、180度になったら、(1)を(2)にくぐらせてカラッと揚げる。

【根菜嫌い】すりおろして食べやすく!れんこんのお焼き

材料

れんこん30g
ほうれん草 5g
塩 少々
サラダ油 適量

栄養価

エネルギー 30kcal
タンパク質 0.7g
脂質 1.1g
炭水化物 4.8g

アレルギー

なし

作り方

  1. れんこんは皮をむいて酢水に5分さらす。
  2. ほうれん草は3〜4分ゆでて冷水に取り、水気を絞ってから1cm幅に切る。
  3. (1)の水気をきり、すりおろす。
  4. ボウルに(2)、(3)、塩を入れて混ぜあわせ、フライパンを中火にかけて油を熱し、(4)をスプーンで直径3cmに薄く落として行く。弱火で約2分焼いて裏返し、もう片面も同じように火を通す。

たとえすぐ食べなくても、あまり気にせず、工夫しながら気長につきあうことが大切です。 楽しい食事の時間にしましょう!

コラムニスト

管理栄養士  天野 裕葵 

給食委託会社で病院の献立作成や厨房業務に携わった後、フリーランス管理栄養士として栄養コラム執筆やレシピ開発、栄養価計算などを行なっています。
私は、管理栄養士が国家資格にも関わらず社会的地位が低いことに疑問を感じています。もっと世の中に貢献できることがあるはずです。管理栄養士の活躍が人々の毎日を健康にすると信じております。
私は、管理栄養士の専門性を活かし、栄養学の楽しさを知ってもらう、興味を持ってもらうことが大切だと感じております。
そして、栄養学を通して「食の大切さ」を伝えてゆき、「健康な毎日」の実現に繋げていきたいと思っております。


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