2021/11/30

年末も近づき、もうすぐ小学校に入学するお子さんのいるお宅では入学準備が進んでいることと思います。

学習机の購入を検討しているご家庭も多いと思いますが、ふと「小学校の宿題って、最初から自分の部屋でできるものかしら」と疑問に思うことはないでしょうか。

最近よく聞く「リビング学習」は、子供部屋の学習机ではなくリビングで宿題や勉強をするスタイル。

今回は、子育て経験者の体験談も参考に、子供のリビング学習についてメリットとデメリットをお伝えします。

「リビング学習」とは

「リビング学習」とは、名前のとおり、家族の集まるリビングのテーブルなどで宿題や勉強をすること。

目新しい言葉に聞こえますが、子供時代を思い出してみると「せっかく学習机を買ってもらったけど、結局お茶の間のコタツで宿題をやっていたっけ」という方も多いのではないでしょうか?

アンケート調査によると、小学校1年生にあたる7歳の時点で学習机を購入済みの家庭は約60%ですが、ふだんの宿題などは「リビングでやっている」という子が80%にも上るそうです。

参考

先輩ママに聞いた!リビング学習の失敗談

テレビやインターネットで「東大生の8割が子供の頃にはリビング学習をしていた」といった特集を見かけると、それならうちも…と考えてしまいますよね。

しかし、リビング学習にはデメリットや注意点はないのでしょうか?

そこで実際にお子さんがリビング学習をしていたお宅の体験談を聞かせてもらいました。

Jさん・2年生と年中のママ

「子供部屋が狭いので、小さいうちは学習机を置かずリビングだけで勉強を完結させる計画だったのですが…きょうだいの場合、1人が宿題をしていても、もう1人がお友だちを連れてきて、うるさくて集中できない時がありますよね。その場合個室に移動して続きをやるので、けっきょく机は早くから購入することに」

Wさん・3年生のママ

「子供だってちょっと息抜きしたい時や、あまり気分が乗らない時ってあると思うんですよ。でも、目の前でさっきから全然進んでいないのを見るとつい、早くやらないと!あと計算ドリルもあるでしょ!などとイライラしてせかしてしまいがち…見なければ何も思わないのに」

Uさん・4年生のママ

「夫がインテリアにこだわりがあり、ガラステーブルにニューヨークの美容室みたいなムーディな照明で大人の雰囲気のリビングなんです。一度、リビングで宿題してみる?と試してみたのですが、勉強するには暗いしガラスが反射するしで、やっぱり勉強には向いてなくて断念しました」

リビング学習がうまくいくコツは

一方、リビング学習がうまくいっているという人にも、良かった点や成功のコツを聞いてみました。

Mさん・5年生のママ

「共働きなので、平日は学童保育から帰ってすぐ夕食作りと後片付けでゆっくり子供と触れあう時間がありません。リビングで勉強していてくれると、ちょっとした疑問が出てきた時にすぐ見てあげられるし、合間に今日学校であったことを話してくれたりして、家事をしながらコミュニケーションが取れるのがうれしいですね」

Tさん・1年生のママ

「よくある子ども向けの学習机って、プリントや教科書・ノート・文房具などを広げると意外とスペースいっぱいで使いにくいんですよね。ダイニングテーブルは広くて作業しやすいようです。私も、子供がリビング学習できるよう、テーブルに出しっぱなしだったダイレクトメールや調味料などを毎日きれいに片付ける習慣がつきました」

Aさん・4年生のママ

「やっぱり親がスマホをいじっている横で宿題はいまひとつ気が乗らないようなので、ママもお勉強するね!と、家計簿をつけたり読書するようにしたら、子供も集中するようになりました」

おわりに

住宅事情や家族構成などは家庭によりさまざまなので、どの家庭でも「リビング学習」がうまくいくとは限りません。

しかし、よく言われるように成績がアップするかどうかはともかく、忙しい毎日の中でも親子が互いを身近に感じながら宿題や家事ができて、困った時はさりげなく手助けできるといったメリットもありますので、入学を控えたお子さんのいる家庭では一度試してみる価値はあるかもしれませんね。

コラムニスト

認定子育てアドバイザー/育児教育ライター  高谷みえこ 

私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。

娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。

親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。

しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。

まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。

より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。

現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。

かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。

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