プライベートゾーンって何かな?
皆さんは、小学校、中学校、高等学校時代に「性教育」を受けた体験がありますか? 学級活動の時間に担任教師から受けたのでしょうか? 保健体育の時間に体育の先生から受けたのでしょうか? 保健室の先生から受けたのでしょうか?
おそらく、その年代によって違いがあるかもしれません。また、通った学校のエリアによっても違うかもしれません。担当している先生によっても違うかもしれません。
国語や算数などの教科学習や道徳などは「学習指導要領」に学習内容が書かれています。そして、教科書を使って授業がなされます。したがって、日本全国一律に同じ内容が教えられています。性教育については保健体育や理科などに「生命の誕生」や「思春期の心」などといった内容がありますが、「性教育」というまとまった形での授業は学校の裁量になるのではないかと考えられます。
特に知的障害や発達障害などのある子どもへの性教育についてはどのように展開したらよいのかを現場の先生方も悩んでいるというのが実態のようです。もちろん、親御さんもどうしたらよいのかわからないのではないでしょうか? 今回は、「知的障害者の性教育の実際」と題して具体的にどのように授業がなされているかを報告したいと思います。
特別支援学校高等部2年、年齢でいうと17歳、知的障害のある生徒への性教育の実際です。こんな感じで行われます。もちろん、生徒の実態や教師の目的意識などにより学校や学級ごとに違いはあります。私が特別支援学校の教師をしていた頃を思い出して再現してみました。
この授業の目的は、「自分の体は自分だけの大切なもの」「他者の体は他者だけの大切なもの」という理解を促すこと、「自分と他者の体を大切にするために守るべき性行動のルール」を知ることです。
授業は3場面に分かれています。
方法は、次の2つの教材により行います。
資料は、パワーポイントに示した【人体図】です。
むね、おしり、くち、ペニス、ワギナが図示されています。
教師や親の側も性について教えることについては躊躇があるというのが現実かもしれません。しかし、知的障害者は性的な被害に合うこともあります。子どもの時からわかりやすく性のことを教える必要があります。特に対処法を教えておかなければいけません。
知的障害がなければ、ある程度のことは友達との交流の中で自然に学ぶようなこともあるかもしれません。知的障害がある子どもは、自然に学ぶことが難しいということを認識して親や教師は課題意識を持って教える必要があるのではないかと私は考えています。
特別支援学校の教師時代にいつも思っていたことがあります。知的障害者への教育は、実は知的な遅れのない子どもにとってはさらにとても分かりやすい教材となるということです。今回は、性教育の授業展開を紹介しましたが、皆さんのお子さんにもこのように教えるとわかりやすいかもしれません。
現在では、インターネットを活用すると具体的な教材にヒットすることができます。興味関心のある方は、「知的障害者 性教育」と検索してみてください。新しい発見があるかもしれません。
私が大学を卒業してすぐに教師となって教壇に立ってから30年が過ぎ、発達障害や特別支援教育について講演をするようになって、10年以上が経ちました。特別支援教育とは、従来知的な遅れや目が不自由な子供たちなどを対象にしてきた障害児教育に加えて、「知的発達に遅れがないものの、学習や行動、社会生活面で困難を抱えている児童生徒」にもきちんと対応していこうと言う教育です。
これは、従来の障害児教育で論議されていた内容をはるかに超えて、発達障害児はもとより発達障害と診断されなくても認知機能に凹凸のある子供の教育についても対象としており、さらに子供だけでなく我々大人も含めたコミュニケーションや感情のコントロールといった、人間が社会で生きていくうえにおいてもっとも重要であり、基礎的な内容を徹底して論議しているからであるととらえています。
そのためには、児童生徒一人ひとりの教育的ニーズを把握して適切な教育的支援を行う必要があります。ここで、単に教育とせず、教育的支援としているのは、障害のある児童生徒については、教育機関が教育を行う際に、教育機関のみならず、福祉、医療、労働などのさまざまな関係機関との連携・協力が必要だからです。また、私への依頼例からもわかるように、現在、小・中学校さらに高等学校において通常の学級に在籍するLD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)、知的に遅れのない自閉症(高機能自閉症・アスペルガー障害)などの児童生徒に対する指導及び支援は、喫緊の課題となっており、これら児童生徒への支援の方法や指導原理や全ての幼児・児童生徒への指導は、私達大人を含めて全ての人間が学び、関わり合うための基礎といえるコミュニケーション力を考える上で必須の知識であることを色々な場で訴えています。
今までたくさんの子供たちや親、そして同僚の先生方と貴重な出会いをしてきました。また、指導主事として教育行政の立場からもたくさんの校長先生方と学校経営の話をしたり、一般市民の方からのクレームにも対応したりと、色々な視点で学校や社会を見つめてきたつもりです。ここ数年は毎年200回近くの公演を行い、発達障害や特別支援教育について沢山の方々にお話をしてきました。そして、満を持して2014年3月に広島市立特別支援学校を退任し、2014年4月に竹内発達支援コーポレーションを設立致しました。
今後は、講演、教育相談、発達障害者の就労支援、学校・施設・企業へのコンサルテーション、帰国子女支援、発達障害のセミナーなどを行っていく所存です。
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