気温が下がってくると気になりやすいのがお肌の乾燥です。
年中乾燥してかゆみに悩まされている方もいるでしょう。つらい乾燥肌、なんとか改善したいですよね。
乾燥肌は市販薬を使って改善ができます。今回は、どのような成分がお肌によいのか、どうすれば乾燥肌を防ぐことができるのかなどを見ていきましょう。
お肌の乾燥は、さまざまな原因で起こります。人によって原因は違いますが、思い当たるものがないかをまずは確認してみてください。
細胞と細胞の間をつなぎとめるように存在しているセラミドが不足すると、バリア機能が低下してお肌のうるおいがなくなってしまいます。水分をお肌にとどめておくことができなくなるため、乾燥してしまうのです。水分が少なくなる原因としては、加齢や刺激などが挙げられます。
皮脂の不足も乾燥肌の原因です。お肌は水分と油分の両方がほどよくないと乾燥してしまいます。皮脂はお肌から水分が蒸発しないように保護膜のような役割をしているものです。保護膜が不足することでお肌の内部にある水分が簡単に蒸発してしまうため、乾燥しやすくなります。
お肌にとって刺激は大敵でしかありません。衣服によるこすれやマスク、紫外線などさまざまな刺激によってバリア機能が低下し、水分が逃げやすい状態になってしまうのです。
とくに紫外線は、大きな影響をもたらします。水分を奪い、さらにダメージを与えることで赤みや炎症を起こしてしまうこともあるでしょう。
湿度が低いところにいると、お肌の水分が蒸発して乾燥しやすくなります。そのため、湿度が低下しやすい秋から冬にかけて乾燥肌に悩まされる方が増えるのです。湿度が50%を切るとお肌の水分が蒸発しやすくなります。お肌のためには65%前後の湿度を保つようにしましょう。
乾燥肌になるとバリア機能が低下して肌荒れや赤み、かゆみが起こりやすくなるため、できるだけ予防したいものです。乾燥してから保湿剤を塗るのももちろん大切ですが、まずはお肌が乾燥しにくいような習慣をつけましょう。
意外にも、洗顔料やボディソープのせいで乾燥している方は少なくありません。とくにニキビができやすい方は、洗浄力の強い洗顔料を使って皮脂を落としているという方もいるのではないでしょうか。
洗浄力が強いものは皮脂がスッキリと落ちるので爽快感がありますが、お肌を守るために必要な皮脂まで取り除いてしまうものもあります。洗った後にお肌がつっぱるような感じがあったら、洗浄力が強いのかもしれません。
肌を強くこすることで刺激を受けて、乾燥しやすくなります。こすることでキメが荒くなり、ゴワゴワしたお肌になりやすいことからも、ゴシゴシこするのは厳禁です。洗顔するときや体を洗うときは、こすらず泡でなでるように洗いましょう。
お肌が乾燥しやすい方は、日頃から保湿しておくことが大切です。乾燥した状態を放っておくと、どんどんお肌の水分や皮脂が失われて悪化してしまいます。次に紹介するような成分が含まれている保湿剤を使って、乾燥肌を予防しましょう。
市販で購入できる保湿剤には、いくつか種類があります。成分によって特徴が異なるので、自分にあったものを選んでみてください。
保湿剤の王道とも言えるのがワセリンです。
病院で処方されることもあり、赤ちゃんから使用できます。石油から作られた天然の保湿剤です。お肌の表面を保護しながらうるおいを守ってくれます。少しベタつきがあるので、薄く伸ばすように塗ってみてください。
保湿する以外に、ちょっとした傷を保護する効果もあります。感染を予防する働きもあるので、傷口を細菌から守ることも可能です。
保湿効果に優れてはいますが、お肌の奥に水分を届ける効果はありません。あくまでもお肌から水分が蒸発しないようにフタをしてあげるものです。
ヘパリン類似物質も赤ちゃんから使用できる保湿剤として知られています。ほかの保湿成分とは違い、角質層を超えてお肌の奥まで浸透する成分です。そのため、高い保湿効果があります。
お肌の中にうるおいを届けてくれるので、皮脂ではなく水分が不足しがちな方に向いているでしょう。保湿効果のほかに、炎症を抑えたり血行を促進したりする効果もあります。乾燥肌が原因で肌が荒れやすい方に使いやすい成分です。
お肌のバリア機能が正常に働くために欠かせないのがセラミド。
細胞と細胞の隙間を埋めるように存在し、お肌の水分を保っています。角質細胞の間にある細胞間脂質のうち、約50%はセラミドです。
セラミドが十分にあるお肌はバリア機能がしっかりと働くため、肌荒れを起こしにくくなります。しかし、セラミドは年齢とともに減ってしまう成分です。年を重ねるにつれてお肌が乾燥しやすくなるのは、セラミドの減少とも関係していると考えられます。
セラミドが主成分の保湿剤にはいろいろとありますが、ひびやあかぎれなど乾燥による症状に適応がある医薬品タイプのものがおすすめです。
お肌に存在する保湿成分の1つ、天然保湿因子はおよそ40%がアミノ酸でできています。そのためアミノ酸はお肌の潤いを守る大切な存在だと言えるのです。
天然保湿因子は名前のとおりお肌がもともともっている天然のうるおい成分のこと。水分をしっかり保持してうるおいを与えてくれる働きがあります。
保湿剤の1つとしてワセリンを紹介しました。しかし、ワセリンにはいくつか種類があります。ワセリンのなかには石油中に含まれていた不純物があり、この不純物がどれくらいあるのかによって精製度や刺激の少なさが変わることが特徴です。
乾燥肌とひとくちに言っても、少しカサついているくらいの方から粉を吹いたり赤くなったりしている方まで程度はさまざまでしょう。保湿して症状が落ち着くのなら、とくに医療機関を受診する緊急性は低いと考えられます。
しかし、掻きむしってひび割れていたり炎症が起きて強い赤みが出たりしている場合は受診するようにしましょう。ただの乾燥肌ではなくアトピーのような皮膚疾患の可能性もあるため、市販の保湿剤で改善しない場合は注意が必要です。
お肌の乾燥は、水分や皮脂量が低下していたりお肌が刺激を受けていたりすることが原因となります。湿度が低くなると水分が蒸発して乾燥しやすくなるため、秋から冬にかけて乾燥肌に悩まされる方が増えるでしょう。洗浄力の強い洗顔料やボディソープの使用をやめても乾燥する場合は、保湿をしてみてください。
角質層の奥まで保湿できるヘパリン類似物質、お肌の表面を覆って水分の蒸発を防いでくれるワセリンなどがよく使用されています。あまりに赤みが強かったり荒れていたりする場合は、ただの乾燥肌でないこともあるので早めに医療機関を受診しましょう。
薬剤師としてドラッグストアで働いていくなかで「このままではいけない」と日に日に強く思うようになっていきました。なぜなら「市販薬を正しく選べている方があまりに少なすぎる」と感じたからです。
「本当はもっと適した薬があるのに…」
「合う薬を選べれば、症状はきっと楽になるはずなのに…」
こんなことを思わずにはいられないくらい、CMやパッケージの印象だけで薬を選ばれている方がほとんどでした。
市販薬を買いに来られる方のなかには「病院に行くのが気まずいから市販薬で済ませたい」と思われている方もいるでしょう。かつての私もそうでした。親にも誰にも知られたくないから市販薬に頼る。でもどれを買ったらいいかわからない。
そんな方たちの助けになりたいと思い、WEBで情報を発信するようになりました。この症状にはどの市販薬がいいのか、どんな症状があったら病院に行くべきなのか、記事を通して少しでも参考にしていただけたら幸いです。
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