「昔から便秘薬を飲んでいるんだけど、最近飲んでも出なくなってきた」「便秘薬って飲み続けると効きにくくなるの?」
便秘薬は薬局やドラッグストアで気軽に購入できるものですが、使い続けているとこのようにいろいろと悩みが出てくることがありますよね。実は、簡単に購入できるからこそ、使用には注意が必要なのです。
今回は便秘薬を使い続けると効かなくなってくるのか、長年の便秘を改善するにはどうしたらよいのかなどを解説します。
「便秘薬を飲み続けると効きにくくなるの?」についての答えは「YES」です。常習的に便秘薬を飲み続けていると、だんだんと効き目が弱くなってきます。
とくに、腸を刺激することで排便を促す刺激性の便秘薬は慣れを生じやすいため、効きづらくなってくるものです。刺激されることに腸が慣れてしまい、便秘薬を飲んでも腸がうまく動かず排便が促されにくくなります。
「便秘薬を飲む量が増えてきた」と感じている方は、腸が便秘薬に慣れてきている可能性があります。ピコスルファートやセンノシド、ビサコジルなどの刺激性のものは、どうしても出ないときや短期間だけの使用にとどめましょう。
便秘になると、お腹がパンパンに張って苦しいですよね。腹痛や吐き気などの症状が出てしまうこともあるでしょう。便秘になる原因には下記のように、いくつかあります。
便秘の理由としてもっとも多いのは、「機能性便秘」といわれるものです。腸のぜん動運動が弱まったり、動きが乱れたりすることで起こります。機能性便秘を引き起こす要因となるのが生活習慣やストレスです。
また、便意を感じているのに我慢していると、排便を促すための神経の働きが弱まるため便意を感じにくくなります。
腸そのものに何か異常がある場合も、便秘になることがあります。たとえば、潰瘍性大腸炎やクローン病、大腸がんなどが代表的です。疾患があることで便の通り道が狭くなり、排便しづらくなります。ほかの疾患が原因の場合は、疾患そのものの治療が必要です。
腸に関係する疾患以外に、パーキンソン病やうつ病、甲状腺機能低下症なども便秘を引き起こすことがあります。疾患による腸の働きの低下も原因ですが、治療薬によって便秘になりやすくなることも少なくありません。
薬の副作用によって腸の動きがにぶくなったり、便が硬くなったりして便秘になることがあります。副作用で便秘を起こしやすい薬としては下記のものが代表例です。
総合風邪薬や鼻炎薬などは抗コリン作用の強い成分が入っている場合があり、便秘になりやすい薬として知られています。ただし、薬の服用を止めると便秘も治ることがほとんどです。
総合風邪薬や鼻炎薬、下痢止めは便秘しにくい薬に変更したり症状に応じて飲むのを止めたりという手段もありますので薬局やドラッグストア、病院で相談してみるとよいでしょう。
抗うつ薬やパーキンソン病などの薬は医師の指示によって服用を行うものです。急に薬の服用をやめることで症状が悪化することもあるため、便秘が気になる場合は医師に相談してください。
便秘くらい、と思ってそのまま放置している方もいるのではないでしょうか。脅すわけではありませんが、次のような症状が出ることがあるため、便秘を放っておくのはおすすめできません。
何年も便秘をしていると、下剤を飲んでも効きづらくなってきたり、飲む量が増えてきたりして不安に感じることがありますよね。便秘を根本的に改善したい方は、次の方法を試してみてください。
便秘を改善するためには、生活習慣の改善を行うことがもっとも大切です。生活習慣を変える余裕がないと感じる方もいるかもしれませんが、無理なく行えるものから習慣化してみてください。
上記3つに気をつけるだけでも、スムーズな排便の習慣がつきやすくなります。朝食を摂る習慣がない方は、コップ一杯のお水やお茶を飲むやり方でも問題ありません。朝から何か口にすることで腸が刺激され、排便されやすくなります。
水分が不足すると便が硬くなり、強くいきまないと排便できなくなります。こまめに水分補給を行い、便が硬くなるのを防ぎましょう。1日1.5~2リットルの水分を摂ると、便秘を改善できるとの研究データがあるので意識して飲んでみてください。食物繊維は、腸のぜん動運動を促進する働きがあります。根菜や大豆、海藻やきのこなどを積極的に摂るよう心がけてみてください。
体を動かすと、腸が刺激されて排便が促されます。ウォーキングや軽い体操などで構わないので、体をよく動かしましょう。腹筋を鍛えるのも効果的です。腹筋の力が強まることで、いきむ力が強くなり排便しやすくなります。
お腹を「の」の字にマッサージするのもおすすめです。1日15分、週に5回を目安に行ってみてください。
便秘になったとき、まずは浸透圧性の便秘薬を使うことが推奨されています。浸透圧性の便秘薬としてよく知られているのが酸化マグネシウムです。腸に水分を集めることで便をやわらかくし、排便を促します。慣れを生じにくく、またお腹が痛くなりにくいことが特徴です。
整腸剤や乳酸菌飲料を普段から飲んでおくと、便秘が改善されることがあります。大きな副作用もないため、普段から飲む習慣をつけておくとよいでしょう。
「何をやっても出ない」「お腹がパンパンで苦しい」というときは、刺激性の便秘薬や浣腸を使うと楽になります。即効性を求める場合は浣腸を選んでください。使用後5分程度で便意を催します。
細い便や血便が見られる場合は、大腸に何か問題があるかもしれません。便秘に伴って発熱や腹痛、嘔吐がある場合は腸閉塞やイレウスの可能性があります。また、下痢と便秘をくり返している方は、過敏性腸症候群かもしれません。
過敏性腸症候群の場合は医療機関を受診することで専用の治療薬を処方してもらえるため、市販薬を使い続けるよりも症状が楽になることが多いでしょう。便秘薬を1週間ほど使っても効果がない方は、受診して便秘の原因を探ってもらうことも大切です。
便秘は「いつものことだ」と見過ごされがちですが、何か疾患が隠れていたり、便秘によって新たな疾患を引き起こしたりすることがあります。刺激性の便秘薬を長期にわたり服用していると慣れが生じて効きづらくなることがあるため、連用は避けて早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。
便秘は、薬を使わずとも生活習慣の見直しで治るケースも少なくありません。忙しくて難しいこともあるとは思いますが、便秘しにくい生活習慣を心がけることも大切です。
薬剤師としてドラッグストアで働いていくなかで「このままではいけない」と日に日に強く思うようになっていきました。なぜなら「市販薬を正しく選べている方があまりに少なすぎる」と感じたからです。
「本当はもっと適した薬があるのに…」
「合う薬を選べれば、症状はきっと楽になるはずなのに…」
こんなことを思わずにはいられないくらい、CMやパッケージの印象だけで薬を選ばれている方がほとんどでした。
市販薬を買いに来られる方のなかには「病院に行くのが気まずいから市販薬で済ませたい」と思われている方もいるでしょう。かつての私もそうでした。親にも誰にも知られたくないから市販薬に頼る。でもどれを買ったらいいかわからない。
そんな方たちの助けになりたいと思い、WEBで情報を発信するようになりました。この症状にはどの市販薬がいいのか、どんな症状があったら病院に行くべきなのか、記事を通して少しでも参考にしていただけたら幸いです。
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