ママも憂鬱…赤ちゃんの「黄昏泣き」はいつからいつまで続く?

2022/08/17

毎日、午後から夕方の同じような時間になると、決まって赤ちゃんがぐずったり泣き続けたりする「黄昏泣き(たそがれなき)」。

黄昏泣きの理由は完全には分かっておらず、ママやパパも心配ですし、夕食の支度をしなければいけない時間帯に赤ちゃんが泣きやまないと「今日もか…」と憂鬱になってしまいそうですよね。

今回は、そんな赤ちゃんの黄昏泣きについて、いつから始まっていつまで続くのか、推測される原因、ママたちのやっていた対処法などを紹介します。

黄昏泣き(たそがれなき)とは

「黄昏泣き」はおもに0歳代の赤ちゃんにみられるもので、お腹が空いた・おむつが濡れている・どこかが痛いといったはっきりした理由がないのにも関わらず長時間泣き続けることをいいます。

英語で「(乳児)コリック」ともいい、日に3時間以上、週に3日以上激しく泣いてあやしても泣きやまない状態が3週間(最近の基準では1週間)以上続くとコリックと診断されます。

「黄昏」という言葉から、夕方だけに泣くのかと思いきや、午前中や夜にも起きることがあります。「夜泣き」との違いは、夜泣きは眠っているときに目覚めて泣くもので、黄昏泣きは起きている時に泣き出すこともある点。また、一般的には黄昏泣きの方が夜泣きよりも早い月齢で起きやすいとされています。

なお、すべての赤ちゃんが黄昏泣きをするわけではなく、約5人に1人と言われています。

「上の子はこんな時間にこんなに泣かなかったのに…」と困っている人もいるかと思いますが、きょうだいでも個人差がかなりあるんですね。

黄昏泣きはなぜ起きる?

黄昏泣きの原因は完全には分かっていませんが、次のようなことが関係あるのではないか…といわれています。

  • おなかにガスがたまっている
  • 眠いのにうまく寝られない
  • 心身が疲れている
  • 神経系が未発達なため、小さな刺激に大きく反応してしまう
  • なんらかのアレルギーを起こしている

いずれも、目に見えない赤ちゃん自身の不快感によるもので、ママやパパからは判断が難しいかもしれません。

しかし、泣いていないときには元気にミルクを飲み排泄できていて、機嫌よく遊んだり眠ったりするのであれば「黄昏泣き」の可能性が高いといえます。

逆に、いつもと様子が違う、食欲や排泄がない……といった時はすみやかに小児科を受診しましょう。

参考

黄昏泣きの時期はいつからいつまで?

まだ言葉が話せない赤ちゃんは、泣くことでさまざまな要求を伝えるしかないため、「なかなか泣きやまない」という場面はある程度はつきもの。

ただ、次のような場合は、「黄昏泣きが始まったのかな」と予想できますね。

  • これといった泣く原因が思いつかない
  • 毎日のように同じ時間帯に泣くことが続く

黄昏泣きの始まる時期は、国内外の報告をみてもかなりバラバラ…というのが実情ですが、早い子は生後1~2か月頃から始まり、もっとも多いのは生後3か月頃といわれています。

そして、早ければ数週間、長くても3~4か月続いたあとはピタッと泣くことがなくなり、生後5~6か月頃にはほとんどの子は黄昏泣きをしなくなることが多いようです。

黄昏泣きの対処法

はっきりと原因が分からないとはいえ、できるだけ赤ちゃんの泣く時間は短くしてあげたいですよね。

そこで、お子さんがよく黄昏泣きをしていたというママたちに、どんな風に対処していたかを教えてもらいました。

お子さんが生後2~3か月で黄昏泣きが始まり、2か月ほど断続的に続いたというAさん。

「実は、私も赤ちゃん時代に夕方になるとよく泣いていたそうです。実家の母からは、ゲップやおならがたまって苦しかったのかもしれない、うまく出してあげられると比較的泣きやんだと聞いたので、縦抱きにしてみたり、お腹をマッサージしたり、足を交互に動かして腸を刺激したりしてみました」

Bさんは、赤ちゃんが生後1か月と早い時期に、毎日午後になると1時間くらい泣きやまずに困ったそう。

「産婦人科の検診時に見てもらったのですが、病気はなさそうだということで少し安心しました。よく見るといつも手を振り回しては泣き出していたので、不安なのかも…と思い、おくるみで手が動きすぎないように巻いてあげると少し落ち着くような気がしました。とはいえ、泣くことには変わりはなく......ある程度はしかたないと思ってイライラしないように心がけていました」

Cさんはお子さんが生後4か月のときに黄昏泣きが始まったそうです。

「普段は泣いたらあやしたり散歩に連れていったりしていましたが、日によって家事が本当にたまってしまったり、上の子の世話もあって何時間も構ってあげられない時があり、そのときはおしゃぶりが効果的でした。いつも使うと慣れてしまうので、ここぞという時だけにするのがコツかもしれません」

病気ではないのに泣きやまない時の対処法については、厚生労働省なども資料を公開していますので、参考にしてみて下さいね。

参考

おわりに

黄昏泣きは数ヶ月で終わる……とはいえ、赤ちゃんが何をしても泣きやまないのはやはり辛いもの。

検診などで赤ちゃんの体に異常がないことが分かっているなら、抱っこしてなだめたり、外出して気分を変えたりしつつも、「何が何でも泣きやませよう」とがんばりすぎなくても良いかもしれません。

赤ちゃんのまわりの大人たちは、疲れてしまわないようお世話を交替しながら、気長に成長を待ってあげられると良いですね。

コラムニスト

認定子育てアドバイザー/育児教育ライター  高谷みえこ 

私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。

娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。

親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。

しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。

まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。

より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。

現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。

かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。

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