にきびは青春のシンボルとされていますが、痛くて赤いにきびができたら気分がさえない、、、そんなことありますよね。
皮ふ科でのにきびの治療は一昔前と比べてずっと進歩しています。
しっかりと正しく治療し、すべすべお肌を取り戻しましょう!!
にきびは正しい病名を〝尋常性ざ瘡〟といい、毛包(毛穴)の炎症です。
思春期になりホルモンの分泌が盛んになると、角化異常と呼ばれる毛穴の角化異常によって角栓という毛包のつまりができます。すると毛包に連続している皮脂が貯留してきます。
これが①マイクロコメド → ②コメドで、いわゆる白にきび、黒にきびです。
毛穴にはアクネ菌が常在菌として存在し、これが一定数を上回ると赤く炎症を起こし化膿すると赤くて痛い③赤にきびとなるのです。
にきびを治療したのちも、④炎症後紅斑と呼ばれるにきびの赤みや、⑤ニキビのへこんだ傷あとに悩まされることもあります。
早期に専門的な治療を開始して、ニキビ跡の残らない治療を目指したいですね。
ただ、炎症後紅斑やニキビ跡が残っても、治療する方法はあります。
にきびができて悪化するかたは、まずは生活で気を付けるところがないか見直してみましょう。
たとえば、遅くまで夜更かししたり、糖質の多い食物を摂りすぎていませんか。または喫煙習慣がありませんか。
朝晩丁寧な洗顔ができていなかったり、洗顔後にはそっとやさしくタオルでふきとり、速やかに保湿剤を塗ってなめらかな肌を維持することができていますか。このようになるべく肌にやさしい生活習慣を送ることが望ましいです。
そのうえで、正しい洗顔、たとえばきめ細かい泡で肌にストレスをかけず優しく洗顔後に、ぬるま湯で洗い流し、速やかにたっぷりとノンコメドジェニックな(にきびを作りにくい)保湿剤による保湿をおこないます。
そののちに、医師に処方された塩化ベンゾイル製剤(ベピオ®ゲル)やアダパレン(ディフェリン®ゲル)をお顔全体に塗布し、赤いにきびには抗菌剤(ゼビアックス®ローションなど)の部分的な外用を行います
アダパレンや塩化ベンゾイル製剤はニキビ治療ガイドラインで推奨度がAとされる薬剤で1)、これらはマイクロコメド、つまり発症初期のにきびから抑えることができるため、全顔に塗布する必要があります。
一方で、角質を剥離するはたらきがあるため、ピリピリした刺激感があったり、こまかい皮が剥がれてきたりする副作用がみられることがあります。お肌が真っ赤になる場合はしばらくご使用を控えてください。
また、当初は少ない量、狭い範囲から塗布し、刺激が強い場合は15分で洗い流すなど、塗布時間を徐々に伸ばすことなどをお勧めします。
なお、にきび治療をはじめるとすぐに効果が表れると思われる方が多いのですが、十分な治療効果を実感するまで少なくとも3か月程度の期間が必要となることをあらかじめご理解ください。
治りにくいにきびには、改めてにきびを悪くする食生活習慣、つまりバランスの良い食事を摂っているか、糖質を摂り過ぎていないかなどをあらためてご理解いただいたうえで、睡眠不足や喫煙習慣などがないかを再度ご確認いただきます。
そのうえで、炎症が強い場合にはミノサイクリンと呼ばれる抗菌薬の内服や、炎症や皮脂の分泌をおさえる十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)などの漢方薬、ビタミンB群などの摂取をお勧めすることもあります。さらに、下記にお示しするような、自費の美容治療の追加も治療選択肢となります。
赤みがなかなかひかない方、外用剤の接触皮膚炎があり使用できない方、ニキビ跡が気になるかたはケミカルピーリングやロングパルスレーザー、フラクショナルレーザーをはじめとしたレーザー治療(いずれも自費診療)などの方法があり、保険医療よりさらなる有効性を得たいかたは、導入しているクリニックで試してもよいかもしれません。
たかがにきび、とあなどれないですよね。ひとつでもできれば恥ずかしく思ったり、自分に自信が持てなかったりすると報告されています2)。ただしい治療と生活習慣をおこなってすべすべお肌を取り戻しましょう!
みなさま、はじめまして。
このたび2023年4月、広島市中区紙屋町に「紙屋町やなせ皮ふ科クリニック」を開業いたしました。
私は広島大学病院や広島総合病院で皮膚科の基礎を研修後、東京虎の門病院に国内留学する機会を頂き、診断学やレーザー、皮膚外科の研鑽を積みました。広島大学病院ではたくさんの重症なやけどや皮膚がん患者の皆様の手術・治療を最前線で行う一方で、大学院では悪性黒色腫など皮膚がんの新規診断法の研究にも従事しました。尾道総合病院、安佐市民病院では地域基幹病院の部長としておよそ10年間勤務し、お子さんからご高齢のかたまで診察し、皮膚のかゆみからアトピー性皮膚炎、乾癬、じんましん、膠原病にいたるまで、特に治療が難しい患者の皆さまを対象に最前線で治療に取り組んで参り、また皮膚がんや皮膚の良性腫瘍をはじめとした手術も数多く執刀いたしました。
開業後は、以下のことをお約束したいと思います。
①常に高い専門性をもち正しい検査と診断のもと、わかりやすいご説明をいたします。
②医師、スタッフともに患者の皆さまに寄り添ったあたたかい診療を心がけます。
③肌の若返りや脱毛、シミ取りなどの美容診療もご希望に応じて対応します。
④さまざまな皮膚のできものの手術にも対応します。
皮膚の治療を通じて、患者の皆さまを明るく元気にしたいと考えています。よろしくお願いいたします!
専門分野
皮膚外科、皮膚悪性腫瘍、乾癬、アトピー性皮膚炎、レーザー治療
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