「水虫は市販薬でも治せるの?」「どの市販薬を選べばいいの?」
このような悩みをおもちではありませんか?日本人の5人に1人は水虫をもっているといわれています。決して珍しい病気ではないのですが、皮膚科に行きづらい方も多いかと思います。
そこで今回は、市販でも購入できる水虫薬の選び方や違い、効果について解説します。完治させるコツについても紹介しているので、参考にご覧ください。
水虫は市販薬でも治せます。ただし、どの市販薬を使うのかによっては、効果が不十分なこともあるでしょう。基本的に「~フィン」や「~ゾール」という名前の成分が入っているものを選べば、市販薬でもしっかり効きます。
さらにいうと、「~ゾール」よりも「~フィン」のほうが効果的です。これ以外の成分は効き目が弱く、正しく使ってもなかなか治らない場合があるので気をつけましょう。
市販薬を使っても水虫が治らないと言われている方のなかには、薬を正しく使えていない方も多くいます。どれだけ効果的な成分が入っていても、誤った使い方をすると水虫はすぐに再発してしまいます。市販薬で水虫を治す場合は、次に紹介する3つのポイントを押さえましょう。
水虫をしっかり治すためには、この2つを守って薬を塗ってください。指の間しか症状が出ていなくても足の裏や爪の周り、かかとまでしっかり薬を塗りましょう。また、片足しか症状が出ていなくても、水虫の原因菌である白癬菌は両足に存在しています。
水虫はバスマットやスリッパを介して感染すると聞いたことがありませんか?片足で生活していない限り、白癬菌は両足に感染しています。一部のみにしか症状が出ていなくても感染はしているため、両足にしっかりと塗りましょう。
水虫の薬を塗り始めると、数日もすれば症状がかなり落ち着いてくるかと思います。市販薬で水虫が治らないと言われる方は、この「ちょっと落ち着いた状態」で薬の塗布をやめてしまう方がとても多いのです。
症状が落ち着いていても、皮膚のなかにはまだ白癬菌がひそんでいます。白癬菌を完全に退治するためには1か月ほどかかるため、症状が治まっても最低1か月は薬を塗り続けてください。
塗り続けずに途中でやめてしまうと、水虫は高い確率で再発します。すると、「市販薬は水虫に効かない」という状態になってしまうのです。
水虫の薬は、皮膚が清潔なときに塗りましょう。角質がやわらかい状態だと薬が浸透しやすくなることもあり、タイミングとしてはお風呂上がりがベストです。水虫を治そうとゴシゴシ洗う方もいますが、あまり力強く洗うと皮膚についた傷から白癬菌が侵入しやすくなります。優しく洗った後、よく水気を拭き取って薬を両足全体に塗るようにしてください。
市販の水虫薬には、大きくわけて4つの種類があります。症状や使い勝手のよさに合わせて、適切なものを選びましょう。
どのタイプの水虫薬を購入するか迷ったら、クリームタイプがおすすめです。患部がジュクジュクしていてもカサカサしていても使えるため、どちらに転んでも問題なく使用できます。
ベタつきも少なく、使用感にも優れていることが特徴です。ただし、ひび割れるほど乾燥が強い場合はクリームタイプより保湿力の高い軟膏タイプのほうが向いています。
液体タイプは、さっぱりした使用感が特徴です。ジュクジュクしたところに使うと、配合されているアルコールの影響でしみてしまいます。そのため、カサカサした水虫がある方に最適です。手を汚さず塗れるのも特徴でしょう。
あまり種類は多くないものの、軟膏タイプも販売されています。保湿力が高いため、ひび割れるほど患部が乾燥している方におすすめです。また、クリームや液体よりも刺激が少ないことから、皮膚に優しく使用できます。ただし、ベタつきがあるため、人を選ぶ使用感です。
手を汚さず薬剤を患部に塗布できます。サラっとした仕上がりになるため、ベタつくのが苦手な方におすすめです。患部に手が触れないので、衛生面が気になる方にも向いているでしょう。
では、どのような水虫薬があるのか、代表的なものを紹介していきましょう。
主成分としてブテナフィン塩酸塩が配合されている薬です。このほか、かゆみ止めのジブカイン塩酸塩やクロルフェニラミンマレイン酸塩、炎症を抑えるグリチルレチン酸なども配合されています。とくにかゆみが強い方に向いているでしょう。クリームタイプなのでジュクジュクにもカサカサにも使えることが特徴です。
女性でも手に取りやすいパッケージが特徴の水虫薬です。主成分のテルビナフィン塩酸塩に加え、殺菌成分のイソプロピルメチルフェノール、角質をやわらかくする尿素、かゆみ止めのリドカインなどが配合されています。尿素が配合されているので、水虫の影響で皮膚が固くなっている方にぴったりです。
主成分としてテルビナフィン塩酸塩が配合されています。ほかの成分は配合されていません。かゆみ止めなどは配合されていないため、強いかゆみがある方には向かない場合があります。
患部がカサカサしている方には、液体や軟膏タイプの薬がおすすめです。
主成分のブテナフィン塩酸塩に加えて、かゆみ止めのジブカイン塩酸塩や炎症を抑えるグリチルレチン酸、殺菌成分のイソプロピルメチルフェノールなどが配合されています。液体タイプなのでカサカサした部位にぴったりです。ジュクジュクしたところに塗るとしみやすいので注意しましょう。
軟膏タイプの薬です。主成分としてラノコナゾールが配合されています。保湿力が高いため、角質が厚くなっている方でも効果を発揮しやすいことが特徴です。ベタつきやすいので、とくに乾燥している部位のみ使うなど工夫をするとよいでしょう。
ミコナゾール硝酸塩が主成分の水虫薬です。液体タイプなのでカサカサした部位に使いやすいでしょう。薬液が角質に浸透し、貯留するように工夫して作られています。かゆみ止め成分も配合されているので、強いかゆみがあり、患部がカサカサしている方向きです。
手を汚さずに薬を塗りたい方には、スプレータイプが向いています。
主成分のブテナフィン塩酸塩、かゆみ止めのジブカイン塩酸塩やクロルフェニラミンマレイン酸塩、炎症を抑えるグリチルレチン酸などが配合された水虫薬です。ミストタイプのスプレーで、患部をピンポイントに狙って塗布できます。
主成分のテルビナフィン塩酸塩が患部にしっかり浸透して水虫菌の増殖を抑えます。リドカイン、クロルフェニラミンマレイン酸塩、クロタミトンと3種類のかゆみ止めが入っているので、とくにかゆみが強い方におすすめです。
では、最後に市販の水虫薬についてよく聞かれる質問にお答えします。
オロナインで完治させるのは難しいと考えられます。たしかにオロナインの効能効果には水虫と記載があるのですが、主成分であるクロルヘキシジングルコン酸塩液は白癬菌に対してそこまで強い効果をもちません。しっかり治したいのなら、水虫専用の薬を選ぶのが無難です。
症状がよくなっても、最低1か月は続けて薬を塗り続けてください。よくなったように見えても、皮膚の中に白癬菌がひそんでいるので、根気よく塗り続けることが大切です。
市販薬を1週間程度使っても改善の兆しがまったく見られない場合は、水虫ではない可能性も考えられます。十分な効果が得られない場合は、早めに皮膚科を受診してください。
爪水虫に効く市販薬は販売されていません。爪水虫がある場合は、市販薬では対処できないため皮膚科を受診しましょう。
水虫は市販薬でも治療できます。ただし、足全体に薬を塗ること、両足に塗ること、1か月は薬の使用を続けることが基本ルールです。改善したからといってすぐに使用を中止したり、症状がある部分だけに使ったりしていると再発する可能性があります。
患部がジュクジュクしている方はクリーム、カサカサの方は液体や軟膏を選ぶようにしてください。正しく水虫の薬を使って、しつこい症状とおさらばしましょう。
薬剤師としてドラッグストアで働いていくなかで「このままではいけない」と日に日に強く思うようになっていきました。なぜなら「市販薬を正しく選べている方があまりに少なすぎる」と感じたからです。
「本当はもっと適した薬があるのに…」
「合う薬を選べれば、症状はきっと楽になるはずなのに…」
こんなことを思わずにはいられないくらい、CMやパッケージの印象だけで薬を選ばれている方がほとんどでした。
市販薬を買いに来られる方のなかには「病院に行くのが気まずいから市販薬で済ませたい」と思われている方もいるでしょう。かつての私もそうでした。親にも誰にも知られたくないから市販薬に頼る。でもどれを買ったらいいかわからない。
そんな方たちの助けになりたいと思い、WEBで情報を発信するようになりました。この症状にはどの市販薬がいいのか、どんな症状があったら病院に行くべきなのか、記事を通して少しでも参考にしていただけたら幸いです。
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