2023/01/27

保育園や幼稚園では毎年2月の節分(せつぶん)が近付くと、みんなで豆まきをしたり、手作りの鬼のお面をお子さんが持ち帰ってきたりしますよね。

でも、お子さんにとっては「なんで鬼がくるの?」「せつぶんってなに?」と不思議に思えるかもしれません。

そこで今回はママ・パパ向けに、節分の意味や豆まき・恵方巻きなどの由来を、小さい子にも分かりやすく伝えられるよう解説します。

親子で一緒に楽しむ恵方巻きや飾り付けなどのアイデアも紹介します。

「節分」ってなに?子供にわかりやすく説明する方法

当たり前のように使っている「節分」という言葉ですが、本来はどういう意味なのでしょうか?

漢字をよく見ると「(季)節(を)分(ける)」となるように、「節分の日」とは春夏秋冬の季節が変わる区切りの日をさします。

つまり、もともとは立春・立夏・立秋・立冬と年4回の節分があったのです。

しかし、古い時代から春の訪れは四季のうちでも特に待ち望まれていたことや、旧暦では立春が年のはじまりであったことから、しだいに「節分」といえば2月の立春前日だけを指すようになったといわれています。

季節の変わり目に体調を崩しやすいのは現代でも同じですが、昔もこの時期には特に疫病や災いが訪れないようにと、厄除けの意味を込めて炒った豆をまくようになったといわれます。

お米と同じく貴重な栄養源だった大豆には、病や禍を追い払う力が宿ると考えられており、豆をまいたあとには数え年の数(満年齢+1つ)の豆を食べることで1年の無病息災を祈ります。

節分の日、小さいお子さんに説明するには「昔はあしたがお正月で、1年のはじまりだったんだよ。新しい年になっても、鬼さんが病気とか困ったことをお家に持ってこないように、豆をまいてあっちいけ~ってしたんだって」のように話してあげると良いですね。

参考

節分の日にどんなことをする?親子で楽しむアイデアいろいろ

節分には豆まきのほか、関西地方を中心に、巻き寿司の「恵方(えほう)巻き」を食べる習慣もあります。

このとき、

  • その年の恵方を向いて食べる
  • 丸ごと1本食べ終わるまで口をきいてはいけない
  • 縁起の良い七種類の具材を使う

といったルールも存在し、これを守って食べきれば「願いが叶う」とも。

ちなみに「恵方」は新しい年の神様が訪れる方角だといわれており、古代中国の暦「十干」に基づいて決められます。

参考

実はこの恵方巻きの習慣は、神社仏閣や宮中の行事が由来ではなく、1950年代に大阪で寿司や海苔の販売促進のために戦前の風習を復活させ、その後コンビニやスーパーの商戦として全国に広まったものといわれます。

とはいえ、とても楽しいイベントなのでぜひ親子で楽しみたいもの。

一般的な太巻きをお子さんが1本食べきるのは難しいので、手巻き寿司サイズの小さな海苔に、酢飯と細く切った具材を用意し、ミニ太巻きを親子で作って食べるのはいかがでしょうか。小さい「巻きす」やしゃもじも100円ショップなどで手に入ります。

大阪で伝統的に売られている恵方巻きの具材は以下の7つが基本です。

  1. かんぴょう
  2. しいたけ煮
  3. たまご(厚焼きなど)
  4. アナゴ(またはウナギ)
  5. 桜でんぶ
  6. 海老
  7. きゅうり

しかし、近年では海鮮やお肉などバラエティ豊かな恵方巻きが店頭にも並びます。伝統的な巻き寿司にチャレンジするもよし、お子さんの食べやすいカニカマやツナなどに変えてあげるもよし、わが家流で楽しんでみても良いのでは。

節分の日には、イワシを焼き、その頭をヒイラギの枝に刺して玄関に飾ることで、鬼が生臭いにおいと葉のトゲトゲを嫌がって寄りつかないという風習もあります。

節分にやってくる鬼は、病気や災害をわかりやすく表すための姿だと言われています。

もしお子さんがとても鬼を怖がる時は、イワシの頭を飾ったり、外に向かって豆をまいたりするだけでも厄除けの目的は果たせるので、鬼なしでも良いかもしれませんね。

おわりに

節分は親子で楽しめるポイントがたくさんある行事。ぜひ、今回紹介した節分の由来やそれぞれの意味を話しながら、歴史や文化に触れてみて下さいね!

※なお、豆まきに使う大豆は、ハイハイの赤ちゃんなどはもちろん5歳以下のお子さんにとってはのどや気管に詰まるリスクを伴うため、年の数だけ食べるのは6歳以上とし、歩き回らず座って食べる、個包装のパックごと投げる、後片付けを徹底するなど、十分に注意して誤嚥を防いで下さい。

参考
  • お子様の鉄分不足に1日一本を料理に混ぜて|にこにこ鉄分

コラムニスト

認定子育てアドバイザー/育児教育ライター  高谷みえこ 

私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。

娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。

親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。

しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。

まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。

より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。

現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。

かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。

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