2023/04/05

ドラッグストアや薬局に行くと、どれを選んだら良いのか分からないほど多くのマウスウォッシュが並んでいます。CMやパッケージのイメージでなんとなく選んでいる方が多いのではないでしょうか。

しかしマウスウォッシュは、商品によって期待できる効果が大きく異なります。期待する効果が得られないこともあるので、しっかり特徴を押さえて購入することが大切です。今回はマウスウォッシュの種類や選び方について詳しく解説します。

マウスウォッシュには3つの分類がある

どれも同じに見えるマウスウォッシュですが、パッケージをよく見ると、「医薬品」や「医薬部外品」などの表記がされていることが分かります。分類によって効果が変わりますので、購入前にしっかり確認しておきましょう。

医薬品

医薬品に分類されているマウスウォッシュは、歯槽膿漏による口臭や口のねばり、歯茎の腫れなどに効果があります。これらに効果があるのは、医薬品のマウスウォッシュのみです。口をリフレッシュするために使うものというよりは、歯槽膿漏が気になるときに使うものと言えるでしょう。

医薬部外品

医薬部外品のマウスウォッシュには、虫歯や歯肉炎、口臭を予防する効果などがあります。商品によって期待できる効果が違うため、用途に合わせて選びましょう。

化粧品

化粧品のマウスウォッシュは、口臭の防止や口中の浄化に使えるものです。医薬部外品のマウスウォッシュは口臭の予防に使えますが、化粧品の場合は防止する効果しかないので注意しましょう。口腔内のネバつきが気になるときやリフレッシュしたいときに有効です。

マウスウォッシュは目的に合わせて選ぼう

なんとなくマウスウォッシュを選んでいる方は、今日から目的に合わせてしっかり選ぶようにしましょう。商品によって働きがまったく異なります。

歯肉炎や歯槽膿漏が気になるなら医薬品

歯肉炎や歯槽膿漏が気になる方には、医薬品のマウスウォッシュがおすすめです。医薬品に分類されていないマウスウォッシュで歯肉炎や歯槽膿漏のケアをすることはできません。

カミツレチンキやミルラチンキ、ラタニアチンキが主成分のマウスウォッシュが販売されているので、そちらを選びましょう。

口臭の予防がしたいなら医薬部外品

口臭を予防したい方は医薬部外品のマウスウォッシュを選んでください。口臭の防止は化粧品のマウスウォッシュでもできますが、予防は医薬部外品でしかできません。

一般的な口臭であれば医薬部外品で対処できます。歯肉炎や歯槽膿漏が原因の場合は、医薬品のマウスウォッシュを選びましょう。

口をスッキリさせたいなら化粧品

ただ単に口の中をスッキリさせただけなら、化粧品のマウスウォッシュでOKです。特別な成分は配合されていませんが、医薬品や医薬品医薬品のものと比べると安く購入できる傾向にあります。

マウスウォッシュの選び方

マウスウォッシュはなんとなく選んで良いものではありません。どのような目的で使いたいのか、どういった使い心地のものが好みなのかに合わせて選んでいきましょう。

目的に合った成分が配合されているものを選ぶ

もっとも大事なのは、目的似合った成分が配合されているかを確認することです。歯肉炎や歯槽膿漏が気になる方はカミツレチンキやラタニアチンキ、口臭の予防をしたい方は殺菌成分のセチルピリジニウム塩化物水和物、歯茎の炎症を抑えたい方はグリチルリチン酸が配合されたものを選びましょう。

マウスウォッシュはどれも似たようなものに見えますが、配合されている成分によって期待できる効果が大きく変わります。

アルコール配合かノンアルコールかで選ぶ

マウスウォッシュにはアルコール配合のものと、ノンアルコールのものとがあります。口の中をさっぱりさせたい方はアルコール配合のほうが向いているでしょう。

ただし、アルコールによって口にピリつきが出る可能性があります。人によってはアルコールによる刺激で痛みを感じることもあるため、苦手な方はノンアルコールのものを選んでください。

自分の好きな味かどうかで選ぶ

味をチェックするのも大切です。マウスウォッシュは毎日使うものなので、続けやすい味のものでなければ、使うのが苦に感じてしまいます。目的に合う成分が入っており、なおかつ自分の好みの味かどうかを確認しましょう。

マウスウォッシュの正しい使い方

マウスウォッシュの正しい使い方を意識したことはありますか?基本的に口に含んで吐き出すだけのものですが、正しく使うにはいくつかポイントがあります。

  1. 適量(約10~20ml)のマウスウォッシュを口に含む
  2. 20~30秒かけてブクブクとすすぐ
  3. マウスウォッシュを吐き出す

使い方はとてもシンプルです。ブクブクとすすぐ際は、口の中全体にマウスウォッシュが行き渡るように意識してください。歯磨きだけでは届きにくい奥歯や歯と歯の隙間に行き届くようにすすぎます。その後、マウスウォッシュを吐き出したら完了です。使用後は口をすすぐ必要はありません。

マウスウォッシュとデンタルリンスの違いとは?

マウスウォッシュと似たものに、デンタルリンスというものがあります。どちらも同じようなボトルに入って販売されているため、気づかずに違うものを購入してしまったという方もいるかもしれません。見た目はとてもそっくりですが、マウスウォッシュとデンタルリンスは使用用途がまったく異なります。

マウスウォッシュは洗口液

マウスウォッシュは洗口液です。口の中を浄化したり爽快にしたりする効果があります。口に含んだらブクブクすすいで吐き出すだけですので、使用後に歯磨きをする必要はありません。

デンタルリンスは液体ハミガキ

デンタルリンスは、液体ハミガキのことです。口に含んだ後は、歯ブラシを使ってブラッシングを行ってください。ブラッシングが終わったら、水で口をゆすぎます。

おすすめのマウスウォッシュ

ここでは、おすすめのマウスウォッシュを3つ紹介します。それぞれ違った働きをもっていますので、自分に合うものを見つけてみてください。

アセス メディクリーン

日本で初めて医薬品として販売されたマウスウォッシュです。天然ハーブ成分であるカミツレチンキやミルラチンキ、ラタニアチンキなどが主成分として配合されています。

歯肉炎や歯槽膿漏による口臭や腫れ、出血などを緩和する効果があることが特徴です。1日に2回、歯磨きをした後に使用してください。

クリニカ クイックウォッシュ

クリニカのクイックウォッシュは、医薬部外品として販売されているマウスウォッシュです。歯垢を分解するデキストラーゼ酵素が配合されているため、虫歯や口臭の予防に役立ちます。ノンアルコールタイプなので、アルコールの刺激が気になる方や妊娠中の方でも使いやすいでしょう。

オーラツーミー マウスウォッシュ ステインケア

化粧品として販売されているマウスウォッシュです。ニオイ吸着成分が配合されているので、気になる口臭を除去してくれます。ステインコントロール成分が歯の表面をコーティングすることにより、ステインを付着しにくくすることも可能です。

マウスウォッシュに関するQ&A

最後に、マウスウォッシュに関する質問にお答えします。

マウスウォッシュで歯周病を治せますか?

マウスウォッシュだけで歯周病の予防をするのは難しいと考えるのが一般的です。補助的に使うことで歯磨きのみのお手入れ時よりも効果的に歯周病の予防ができます。

マウスウォッシュに危険性はありますか?

とくに大きな危険性はありません。ただし、アルコールに敏感な方はマウスウォッシュにより刺激を感じることがあります。

マウスウォッシュでホワイトニングはできますか?

マウスウォッシュでホワイトニングすることができます。ステインを浮き上がらせるラウリル硫酸Naや、汚れの付着を抑えるポリリン酸Naが配合されたものを選んでみてください。

まとめ

マウスウォッシュには、医薬品、医薬部外品、化粧品の3つの分類があります。歯肉炎や歯槽膿漏による症状が気になる方は医薬品、口臭や出血を予防したい方は医薬部外品、口をスッキリさせて口臭を防止したい方は化粧品を選ぶと良いでしょう。

マウスウォッシュだけで防ぎきれないトラブルも多くありますので、歯について気になることがあれば早めに歯医者を受診するのをおすすめします。

コラムニスト

薬剤師ライター  岡本 妃香里 

薬剤師としてドラッグストアで働いていくなかで「このままではいけない」と日に日に強く思うようになっていきました。なぜなら「市販薬を正しく選べている方があまりに少なすぎる」と感じたからです。

「本当はもっと適した薬があるのに…」
「合う薬を選べれば、症状はきっと楽になるはずなのに…」

こんなことを思わずにはいられないくらい、CMやパッケージの印象だけで薬を選ばれている方がほとんどでした。

市販薬を買いに来られる方のなかには「病院に行くのが気まずいから市販薬で済ませたい」と思われている方もいるでしょう。かつての私もそうでした。親にも誰にも知られたくないから市販薬に頼る。でもどれを買ったらいいかわからない。

そんな方たちの助けになりたいと思い、WEBで情報を発信するようになりました。この症状にはどの市販薬がいいのか、どんな症状があったら病院に行くべきなのか、記事を通して少しでも参考にしていただけたら幸いです。

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