ワクチン接種後に五十肩のような症状はありませんか?
最近、「ワクチン注射してから肩が上がらなくなりました」と言われる方によく出会います。
ワクチン接種後2週間以上経っても痛みが続く、腕が上がらないなどの症状が続く場合は、神経障害やSIRVA(シルバ)などの可能性があるという報告があります。
ワクチン接種後に一時的な免疫反応で接種部位の腫れや痛みが出ることがありますが、通常は2,3日で徐々に軽快していきます。また、遅発性アレルギー反応として数日後にワクチンを接種した腕のかゆみや痛み、腫れや赤みが出てくることがあるようですが、こちらも数日で徐々に軽快していきます。
しかし、接種後2週間を経っても痛みが持続している場合はSIRVA(シルバ)というワクチン接種後の合併症となっている可能性があります。
予防接種の注射には、皮下注射、筋肉注射、静脈注射、動脈注射などがありますが、筋肉注射の場合は肩の外側にある三角筋へ注射します。その際に三角筋の深部にある袋、三角筋下滑液包という場所へ薬剤注入したことが原因と考えられています。
しかし、実際に滑液包内へ注射したかどうかを証明することは困難であり、個人個人や年齢によって筋肉の構造が異なるので、手技に関わらず起こる可能性もあるようです。
誘因は全く異なりますが、五十肩とSIRVAはどちらも検査所見や症状が類似しています。五十肩は、夜間痛・関節の可動域制限や服の脱ぎ着が難しくなったり洗髪が出来なくなったりと日常生活が不自由となるのが特徴です。SIRVAの場合は、三角筋下滑液包に誤って薬液が注入されたことが原因で起こる為、強い炎症反応が生じ比較的早期から痛みを伴うことが多いようです。また、脇や腕の症状を強く感じている方も多いようです。
今のところはSIRVAに特化した治療方法があるわけではありません。
しかし、症状が類似している五十肩と対処方法が大きく異なるわけではないので、まずは炎症を鎮めて痛みを改善させることをします。方法としては、安静にすること。それに加えて、消炎鎮痛作用のあるお薬の内服や関節注射をします。その後、可動域制限があるようであれば理学療法(リハビリテーション)を通じて、運動機能の改善・向上や拘縮予防を行います。
可動域制限はないけど、肩こりが気になる方は過去のコラム
「はぁ~」と、ため息ついていますか? ~ 肩こりについて ~
こちらも参考にされてみてください。
日本ではインフルエンザワクチン接種は皮下注射ですが、アメリカでは筋肉注射を行っているためSIRVAという概念は、新型コロナウイルスワクチン接種以前から存在していました。筋肉注射後にSIRVAを合併する割合はまだ明らかになっていませんが、女性が発症することが多いという報告があるようです。
予防接種の注射には、皮下注射、筋肉注射、静脈注射、動脈注射などがあります。
それぞれの特徴を理解し使い分けを知ることで、過剰に心配したり否定したりするのではなく、起こってしまった副反応や後遺症については適切に対応することが重要だと思われます。
肩が上がらなくなり日常生活が困難となった方がよく言われるのは、「生活はできるから、まだ病院へ行かなくていいかな。と、思っていました。」とか「友人から放っておいたら治るよ。と、言われました。」など、痛みが出現しても我慢していたり、放っておいたりしています。なかには、3ヶ月以上も様子を見ていて更衣や洗髪動作が困難になる方もいます。
痛みが出現した場合は、日常生活に支障をきたす前に対処することが大切ですので、かかりつけ医に相談したり整形外科を受診したりと早期治療をお勧めします。
私は、小・中・高校時代はサッカー部に所属していました。
高校時代は、平日は練習をして週末は試合や遠征へ行く、というスケジュールでサッカー漬けの生活だったため、怪我をすることも多くその都度病院にお世話になっていました。そのときに日々のケアや怪我をしない体づくりが大切であることを知り、人間の身体に興味を持つようになりました。
身体に不調があると人生楽しくありません。
年齢を重ねるとどこかに不調が出てくるものですが、それでも「どうすれば心豊かに楽しく過ごすことができるようになるの?」をモットーとして個々人にあった運動方法が提供できるよう努めています。
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