子供はすなおで純真無垢、嘘をつけない…そう思っていたのに、なんと最近わが子が初めて嘘をついてショック!
そんなママやパパはいないでしょうか。
私たちの育て方が悪かった?と悩んだり、どう叱ればいいのか迷ったりするかもしれませんが、実はそんなに心配しなくても大丈夫なことがほとんどです。
今回は、小さい子が嘘をつくときの心理や理由、おすすめの対処方法などを紹介します。
まずは、言葉が話せるようになった頃から小学校入学頃までの小さい子が嘘をつくときの理由や心理について、発達段階とともに解説します。
嘘とは「自分の知っている事実と違うことを、相手をだますために伝える行為」ですが、それって言語や思考能力がある程度育っていないとできませんよね。
子供の発達には個人差がありますが、おおむね2歳を過ぎると多くの子はかんたんな会話のやりとりができるようになります。
ただ、この時期にはまだ意図的に嘘をつくのは難しいもの。
例えばもし「明日ゆうえんちに行くってパパとやくそくした」と、そんな話はしていないのに子供が言った場合、それは明日遊園地に行けたらいいなという空想や願望を話しているだけ……ということが多いでしょう。
また友達や近所の人などに「きのうおうちにドロボウが入ったの」などと話すと、「えっ本当?」とみんなが驚くのが楽しくて、嘘という意識はなく口にしていることもあります。
3歳を過ぎると、ある程度長いストーリーで物事を考えられるようになり、自分の行動とそれによって何が起こるのかという因果関係も理解できるようになってきます。
「ここに落書きしたのは誰?」と親に聞かれたら、それが自分でもすかさず「ぼくじゃない」といったりしますが、その理由はほぼ「怒られたくない」というもの。先の予想がつくからこその嘘だといえます。
しかし、残念ながらすぐにばれてしまうということまではまだ想像が及ばず、繰り返し嘘をついてしまうこともあるため、ママやパパは「なんでそんなバレバレの嘘をつくのか…」とため息をつくかもしれませんね。
赤ちゃんは自分の感じ方が全てであり、他の人には他の人の感じ方があるのだということがまだ理解できませんが、5歳を過ぎた頃からは自他の区別がついてきて「自分はこうだけど、相手はこう感じているかも?」と想像できるようになってきます。
そのため、ママやパパをがっかりさせたくなくておねしょを隠したり、弟や妹が怖がるのを知っていてわざと「お化けがくるぞ~」と脅かしたりします。
「わが子には、簡単に嘘をつく子になってほしくない」というのはすべての親に共通の思いではないでしょうか。
「それなら、子供の嘘は最初にビシッと叱るべき?」とも思いますよね。
しかし2~3歳の子が空想や願望から事実と違うことを言った場合、いくら今後のためを思ったとしても、子供はなぜそれが悪いのか理解できず、理不尽に厳しく叱られた記憶だけが残る可能性があります。
この場合は叱るのではなく「明日ゆうえんちに行けたらいいなと思ったんだよね」「もしおうちに泥棒が入ったら大変だと思ったんだね」などと言い換えてあげると良いですね。
もう少し成長した子には、次のような順番で話してあげるのがおすすめです。
そして「ここで嘘をついたら怒られずに済んだ」という場面で正直に言えたときは、見逃さずにしっかりほめてあげると、子供は心が満たされ「次からも正直でいよう」と思えるようになります。
子供の嘘にはほとんどは深刻な理由はありませんが、ひとつだけ気をつけたいのが、子供が失敗やいたずらをしたとき過剰に叱りすぎていないかということです。
体罰はもちろんですが「もうこんな子はいらない」などの言葉でなじったり、謝っているのにいつまでも無視したりすると、大好きなママやパパにそんな風にされたくないという思いから、しだいに失敗や叱られそうなことを隠すようになってしまいます。
また、ママやパパが自分に無関心だと感じたときに、「○○で一番になった」「先生にたたかれた」などの嘘をついてでもふりむかせようとする子もいます。
このような場合は、嘘をついたことを叱る前に「嘘をつかなくてもいい環境づくり」を優先する必要があります。
そもそも、自分自身の子供の頃を思い出してみても、「子供は純真で嘘をつかない」というのは幻想かもしれません(笑)。
ママやパパは、本音だけで生きている赤ちゃん時代のわが子の姿を見てきているだけに、はじめて嘘をついたときには驚いたり心配したりするかと思いますが、「これも成長の証」と思って広い心で見てあげて下さいね。
私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。
娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。
親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。
しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。
まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。
より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。
現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。
かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。
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