芸術の秋。皆さんが小学生の頃に多くの小学校で行われていた行事「学芸会(がくげいかい)」は、今も全国的に実施されているのでしょうか?
近年では「学習発表会」などに名称を変えたり、音楽演奏会などに内容が変わったりしていることも多く、ここ数年はコロナ禍で中止していた小学校も多かったですが、2022~2023年にかけて全国的に再開されているようです。今回はそんな「学芸会」について、アンケート結果もまじえて最新事情を紹介します。
学芸会は古くは明治時代から存在し、昭和の小学校では全国的にこの名前が使われていました。
子供たちはみんなで練習してきた劇や音楽の演奏などを体育館のステージで発表し、他の学年や保護者などに成果を見てもらいます。
しかし、現在小学校入学前の小さいお子さんを育てているママ・パパの中には、ご自身が小学生の時、すでに学芸会という名前ではなかった……という人も多いかもしれません。調査によると昭和40年代頃から平成にかけて、多くの小学校で「学習発表会」などに名前を変えてきたようです。
その理由としては、週休5日制をきっかけに特別活動にかけられる時間が減り、準備や練習が大変な「劇」をやらなくなる学校が増えたためだと考えられています。
また、学年全体での大規模な劇の指導は教師にもスキルが必要ですが、大学の教員養成の課程には「演劇教育」「演劇指導」がなく、ベテランの先生から若い先生へOJT(現場で一緒に仕事をしながらやり方を伝えていくこと)もできなくなったからという説もあります。
さらに当時の小学校の先生たちへのアンケートでは「劇の配役で保護者が納得しないこともあり対応が難しかった」とも。まるで漫画のような話ですが、実際にクレームもあったのですね。※1
このような理由から、平成初期には「学芸会」という名称の行事を行う小学校は全体で以前の半数ほど(44.4%)になり、現在はさらに減ってきていると考えられます。※2
現在多くの小学校で使われている「学習発表会」。
具体的には、子供たちはどんな内容を発表するのでしょうか?
すでにお子さんが小学校に通っている人は分かると思いますが、就学前のお子さんのママ・パパのため、アンケートで多かったものを紹介します。
中学校や高校では「文化祭」という名称で、吹奏楽部・演劇部・合唱部・書道部などの部活や有志による軽音楽ライブ・ダンスなどのステージパフォーマンスと多彩な内容ですが、小学校の「学習発表会」はあくまでも授業の一部として行われます。
最近では「音楽」や「図工」などと教科を限定せず、自分たちで描いたお面をつけて歌や楽器を演奏し、国語で取り扱っている詩をを朗読したり地元の歴史文化や民話を題材にしたりと、さまざまな教科を組み合わせた発表も増えています。
多くの小学校で、学習発表会は体育館などに全校生徒と保護者や来賓など多数の人々が集まって行います。
2020年からのコロナ禍では、感染防止のため、開催をとりやめたり、保護者参加をなくしたり、学年ごとに分散して行ったりした小学校が大多数でした。
しかし、2022年頃からは、少しずつ制限をゆるめて「保護者2名まで参観可能」のように再開している小学校も増えています。
2023年9月に小学生のママ・パパ100人を対象に実施したアンケートでは、お子さんの通う小学校で学芸会・学習発表会が実施され、見にいくという人の割合は以下のようになっています。
コロナ禍前に学習発表会があった小学校では、一部、教室や特別教室での小規模な形になったり、学年ごとの入れ替え制になったりと制限があったものの、8割以上で再開されているようです。
また、保護者が見に行くことができたかどうかについては、以下のような結果に。
見に行った人たちからは、「今年6年生で小学校最後なので、間に合ってよかった」「3年ぶりに見られたけど、わが子も同級生も大きくなっているのを実感」という感想が寄せられました。
学校の働き方改革の影響や、ノウハウを知るベテランの先生たちが退職していくため、昔のように1ヶ月以上前から毎日のように熱心に練習してステージで劇を上演する…といった形式の学芸会、学習発表会は今後も減っていくと思われます。
しかし、どのような内容でも、ふだん小学校で取り組んでいることをステージで発表するのは子供たちにとってもきっと良い経験や思い出になるはず。
当日はママ・パパも仕事などの予定が許す限り小学校へ足を運び、子供たちのがんばりをしっかりと見てあげたいですね。
私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。
娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。
親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。
しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。
まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。
より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。
現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。
かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。
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