子どもが熱を突然出したとき、解熱剤の坐薬があると安心ですよね。
しかし、使いたいときにすぐ手元にない場合もあるのではないでしょうか。
とはいえ、病院を受診したいけど時間がない、そのようなこともあるかと思います。そのようなときに便利なのが、市販されている解熱剤の坐薬です。
今回は、市販にはどのような解熱剤の坐薬があるのか、どのような使い方をすればよいのかなどについて詳しく解説します。
解熱剤の坐薬は、子どもが熱を出したときに便利なアイテムです。まだ錠剤をごっくんと飲み込めない子ども、体調が悪くて口から薬を飲ませるのが難しい子どもでも簡単に使えます。ここでは、解熱剤の坐薬について、簡単に特徴を見ていきましょう。
市販されている解熱剤の坐薬には、アセトアミノフェンという成分が含まれています。アセトアミノフェンは、体温の調節を行っている体温中枢に働き、末梢血管を広げることで体の外に熱を逃がす成分です。
坐薬を肛門から入れると、坐薬が体温で溶けて直腸から吸収されます。その後、そのまま静脈血流中に入って全身を回り、効果を発揮するのです。
坐薬には、次のようなメリットがあります。
坐薬は肛門から入れるだけなので、薬を飲み込めない子どもでも問題なく使えます。吐き気や嘔吐などがあり経口摂取が難しい場合でも無理なく使えることが特徴です。
通常の飲み薬は肝臓で代謝を受けるので効果が出るまでに時間がかかりますが、坐薬の場合は肝臓の代謝を受けないため即効性が期待できます。
解熱剤の坐薬を使うと、約30分で効果が表れます。2~4時間で血液中の薬の濃度がピークに達し、6時間くらい経つと効果が薄れてくることが一般的です。
市販されている解熱剤の坐薬には、いくつか種類があります。いずれも子ども向けの商品です。大人用の解熱剤の坐薬は販売されていません。
1歳から使える坐薬です。1日1回まで使用できます。子どもの一時的な発熱に有効です。熱が続く場合はこどもパブロン坐薬を使い続けずに、早めに医療機関を受診しましょう。とくに2歳未満の乳幼児に使う場合はできるだけ受診を優先して、やむを得ない場合にのみ坐薬を使用するようにしてください。
成分量(1個あたり) | アセトアミノフェン100mg |
---|---|
効能効果 | 小児の発熱時の一時的な解熱 |
用法用量 | 1歳未満:使用しないこと 1~2歳:1日1回、1回1/2~1個 3~5歳:1日1回、1回1個 6~12歳:1日1回、1回1~2個 |
配合されている成分や用法用量は、先ほど紹介したこどもパブロン坐薬と変わりません。子どもが発熱したときの一時的な応急処置として使用します。腸から薬が直接吸収されるので、胃に負担をかけません。
成分量(1個あたり) | アセトアミノフェン100mg |
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効能効果 | 小児の発熱時の一時的な解熱 |
用法用量 | 1歳未満:使用しないこと 1~2歳:1日1回、1回1/2~1個 3~5歳:1日1回、1回1個 6~12歳:1日1回、1回1~2個 |
こちらも成分量や用法用量は、最初に紹介したこどもパブロン坐薬と同じです。アセトアミノフェンが主成分として配合されています。一時的に使用するものなので、発熱が続くときはできるだけ医療機関を受診するようにしてください。
成分量(1個あたり) | アセトアミノフェン100mg |
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効能効果 | 小児の発熱時の一時的な解熱 |
用法用量 | 1歳未満:使用しないこと 1~2歳:1日1回、1回1/2~1個 3~5歳:1日1回、1回1個 6~12歳:1日1回、1回1~2個 |
坐薬をあまり使う機会がない方にとっては、肛門に入れるのに少しコツがいるかもしれません。ここでは、解熱剤の坐薬の正しい使い方について見ていきましょう。
子どもを仰向けに寝かせて、坐薬の先が尖っているほうを肛門に挿入します。すべりが悪く入りづらいときは、坐薬に水やオリーブオイルを少量つけてみてください。足を押さえて坐薬を肛門に入れたら、出てこないようにしばらくティッシュで押さえておきます。
坐薬を切る必要がある場合は、温度に気をつけましょう。冷たい状態で坐薬を切ろうとすると、割れてしまうことがあります。常温に戻すか、手で温めてから切るようにしてください。切った後の残りの坐薬は衛生管理の都合上、使用せず破棄します。
しっかり入れたつもりでも、坐薬が肛門から出てきてしまうことがあるかと思います。入れてすぐに形を保ったまま出てきてしまった場合は、そのまま再び肛門に入れてください。
坐薬の形が崩れた状態で出てきたときは、ある程度は吸収されていると考えられるので入れなおさずに様子を見ます。
坐薬を入れた後に排便があった場合は、便に坐薬が残っていないかを見てください。形がなかったり液体状になっていたりするときは吸収されている可能性が高いと考えられます。
市販の坐薬は、1日に1回のみの使用となっています。医療機関で処方される坐薬は数時間空ければまた使えると説明されることが多いですが、市販は1日1回までなので注意しましょう。
市販の解熱剤の坐薬は、あくまでも応急処置として使うものです。頻回には使用せず、発熱が続くときは医療機関を受診しましょう。
解熱剤の坐薬は、大きな副作用が出やすい薬ではありません。しかし、人によっては次のような副作用が出ることがあります。
ここからは、市販されている解熱剤の坐薬に関してよく聞かれる質問にお答えします。
発熱は体の防御反応です。そのため、解熱剤を使用すると病気の治りが悪くなると言われることがあります。しかし、解熱剤を使った程度で病気の治りの速さに影響することはほとんどありません。心配せずに使用して大丈夫です。
解熱剤を使用しても熱性けいれんの頻度は変わらないと言われています。
熱が高く(目安は38度以上)、寝付きが悪かったり高熱で眠れなかったりするときに使用してください。便と一緒に排出されてしまうのを防ぐために、できれば排便後に使用しましょう。
坐薬を入れた直後に排便してしまった場合は坐薬がそのまま出てきていると考えられるので、もう一度使用してください。少し時間が経って排便された場合は、便の中に坐薬がないか確認しましょう。固形状の坐薬が見えないときは、吸収されていると考えられます。
解熱剤の坐薬を使用した場合は、最低でも30分は経ってから熱が下がったかを確認します。市販の坐薬は1日に1回しか使用できないので、効果が見られない場合は医療機関を受診しましょう。
次のようなときは早めに医療機関を受診するようにしてください。
市販されている解熱剤の坐薬は、子ども向けのものです。アセトアミノフェンが主成分として配合されています。先が尖っているほうから肛門に挿入して使用してください。
入れにくい場合は坐薬の先に水やオリーブオイルをつけると入れやすくなります。市販されている解熱剤の坐薬はどれも同じ成分が同じ量だけ入っており、用法用量も同じです。とくにこだわらず、好きなメーカーや価格で選んでもらって問題ありません。
薬剤師としてドラッグストアで働いていくなかで「このままではいけない」と日に日に強く思うようになっていきました。なぜなら「市販薬を正しく選べている方があまりに少なすぎる」と感じたからです。
「本当はもっと適した薬があるのに…」
「合う薬を選べれば、症状はきっと楽になるはずなのに…」
こんなことを思わずにはいられないくらい、CMやパッケージの印象だけで薬を選ばれている方がほとんどでした。
市販薬を買いに来られる方のなかには「病院に行くのが気まずいから市販薬で済ませたい」と思われている方もいるでしょう。かつての私もそうでした。親にも誰にも知られたくないから市販薬に頼る。でもどれを買ったらいいかわからない。
そんな方たちの助けになりたいと思い、WEBで情報を発信するようになりました。この症状にはどの市販薬がいいのか、どんな症状があったら病院に行くべきなのか、記事を通して少しでも参考にしていただけたら幸いです。
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