2023/10/11

妊娠中は「とにかく眠くて眠くてたまらない」という人は多いもの。

理由としては、ホルモンバランスの変化や、できるだけ安静にして妊娠初期の赤ちゃんを守る身体の仕組みだという説もありますが、寝ても寝ても眠い状態が長く続くと、会社での仕事中や上の子がいるママには辛いですよね。

この眠気はいったい妊娠何ヶ月くらいまで続くのでしょうか。個人差が大きいため確実には言い切れませんが、経験者へのアンケートをもとに目安を紹介します。

妊娠中にやたらと眠くなる理由

妊娠中、特に日中眠気を感じることはなかったという人ももちろんいますが、ママ友同士の世間話でも「妊娠中は眠かったよね~」「妊娠初期はいくら寝ても足りなかったわ」といった話題がよく出ることからも、妊娠中はとにかく眠かったという人は多いようです。

理由は完全に分かっていませんが、一般的には妊娠すると分泌量が増えるホルモン「プロゲステロン(黄体ホルモン)」のためだといわれます。プロゲステロンは妊娠を維持する役割を持ち、体温上昇・鎮静・呼吸促進などの作用があります。

人は夜になると「深部体温」が下がり眠りの準備に入りますが、プロゲステロンの作用で深部体温が高いままだと、昼と夜とのメリハリがつきにくくなり、日中は眠気がある一方で夜は目が覚めやすくなると考えられています。

参考
国立精神・神経医療研究センターNCNP病院「2021年度市民公開講座~女性特有の睡眠の悩み~①

それ以外にも、中期以降は日に日にお腹が重くなり、日常生活だけでもエネルギーを使うため疲れやすいことも原因の1つかもしれません。

眠気はいつからいつまで続く?アンケート結果

妊娠中はいつにも増して身体をいたわりたい時期。本当は眠くなったら好きなだけ寝て体力を養ってほしいところですが、会社勤めだったり、上のお子さんがいたりするとなかなか思い通りに休むのも難しいですよね。

「いったいこの眠気、いつまで続くんだろう……」と悩んでいる方のため、妊娠出産経験のある女性100人を対象に、妊娠中の眠気についてアンケートを実施しました。

以下はその結果です。

Q1.【妊娠中、眠気が強くて困った経験はありますか?】

  • ある…86%
  • ない…14%

8割以上の人が、妊娠中に眠くて困ったと回答しています。

Q2.【眠気のあった方におたずねします。それはいつ頃からですか?】

  • 妊娠後すぐから…23%
  • 妊娠2ヶ月…12%
  • 妊娠3ヶ月…13%
  • 妊娠4ヶ月…4%
  • 妊娠5ヶ月…9%
  • 妊娠6ヶ月…10%
  • 妊娠7ヶ月…6%
  • 妊娠8ヶ月…7%
  • 妊娠9ヶ月…5%
  • 妊娠10ヶ月(臨月)…11%

眠気があった人のうち、4人に1人は「妊娠後すぐから」という結果になりました。

ほかにもつわりが起きたり微熱が出たりと身体の変化が大きい妊娠初期(3ヶ月頃まで)に特に眠気を強く感じた人が多いようです。

なかには「1人目のときも眠くて眠くて仕方がないと思ったらおめでただったので、2人目も、月経の遅れや検査薬よりも先に眠気で妊娠に気付きました」(Sさん・4歳児と1歳児のママ)という人も。

しかし、妊娠3ヶ月以降に眠気が出てきた人ももちろんいました。

Yさん・2歳児のママ

「初期はつわりで寝ているどころじゃなかったかも。少し体調が落ち着き、しっかり食事をとれるようになったら、午後になると眠くて眠くてたまらず…職場が相談しやすい雰囲気だったので、昼休みを15分間減らして、午後の仮眠の時間に充てさせてもらうことにしました」

さらに妊娠後期、特に臨月になって眠くなったという人からは

Hさん・11ヶ月の赤ちゃんのママ

「大きくなったお腹が気になって眠りが浅くなり、すぐ目が覚めるように。かわりに日中はすごく眠かったですが、もう産休に入っていたし、生まれたら好きな時に寝ていられないから今のうち!と思ってしっかり昼寝してました」

といった声も。

そして最後に、以下の質問にはこんな回答が寄せられました。

Q.3.【妊娠中の眠気はいつまで続きましたか?】

  • 妊娠2ヶ月まで…2%
  • 妊娠3ヶ月まで…6%
  • 妊娠4ヶ月まで…11%
  • 妊娠5ヶ月まで…8%
  • 妊娠6ヶ月まで…8%
  • 妊娠7ヶ月まで…9%
  • 妊娠8ヶ月まで…12%
  • 妊娠9ヶ月まで…16%
  • 妊娠10ヶ月(臨月)まで…28%

妊娠8ヶ月頃までは、どこかのタイミングですっきり眠気が消えたという人はそれぞれ10%程度で、なんと半数近くの人が「臨月近くまでずっと眠かった」という回答でした。

中後期になってから眠気が出た人が約半数いることから考えて、初期から臨月までずっと眠気が続いた人も1/3ほどはいたということになりますね。

ただし、コメントを見ると、眠さの度合いや質はずっと同じではなく、少しずつ変化していくようです。

Mさん・5歳児と3歳児のママ

「初期の眠気はもう抵抗できないくらいで、職場でパソコンに向かって作業中、画面が切り替わるのを待つ間に、気付けば目が閉じてしまっているほどでした。中期から後期にかけては、お腹が重くて、一日中あー疲れた!眠い!といっている感じで、知らない間に眠ってしまうようなことはなかったですね」

おわりに

今回のアンケートはあくまでも個人的な経験を教えてもらったもので、医学的な調査に基づくものではありませんが、いま妊娠中で「この先、ずっとこんなに眠いの?どうしよう」と心配な方にとっては、なんとなく先のイメージがつかめたのではないでしょうか。

仕事や家事でなかなか難しいかとは思いますが、隙間時間などを利用してできるだけ仮眠を取るなど、眠気と上手に付き合いながら妊娠中の身体をいたわって下さいね。

アンケート実施時期:2023年9月
アンケート実施手段:インターネット
アンケート実施人数:100人

コラムニスト

認定子育てアドバイザー/育児教育ライター  高谷みえこ 

私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。

娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。

親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。

しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。

まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。

より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。

現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。

かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。

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