2024/01/29

年子の育児は小さいうちはとにかく壮絶で大変!というイメージがありますが、実際どのくらい大変なのでしょうか。

年子のお子さんを育てている方や「早めに2人目を授かりたいけど年子で大丈夫だろうか」と気になっている方にお届けします。

年子のママHさん「2年くらい記憶がない感じです」

現在すでに中学3年生と2年生になった兄妹のママHさん。

「下の子が生まれる前後から2歳前くらいまでの記憶がほとんどない感じです」と笑いますが、当時は本当に座るヒマもなくお世話に明け暮れていたといいます。

「記憶にあるのは、上の子の離乳食の味見をするときにつわりで毎回ウッ…となっていたこと、交互に夜泣きするので睡眠不足すぎてフラフラで紙おむつを交換したら、上の子のLサイズを下の子に履かせてダブダブだったことですかね(笑)」

と楽しそうに話してくれましたが、相当ハードであったことがうかがえます。

「良かったのは、上の子の赤ちゃん返りがなかったことでしょうか。姉の子たちが3歳離れているのですが、イヤイヤ期が終わったと思ったら赤ちゃん返りが始まり、何をするにも泣き叫んで次に進むのに小一時間かかると嘆いていました。うちは上の子が物心つく頃には下の子がいる生活だったので、そこは平和で助かりました」

年子のママKさん「大変なのは子供より周りの声かも…」

現在、小学校5年生と4年生の男の子を育てているKさん。

「年が近く好きな遊びやスポーツも一緒なので、家ではずっときょうだいで遊んでいますね。小学生になった頃からママ遊んでと言われたことがほとんどないです。ちょっと淋しい(笑)」

休みの日も朝から部屋で2人で遊び、近くのグランドに出かけて野球をしている間、Kさんはゆったりお茶を飲んだり平日にたまった家事を片付けたりできるそうです。

「もちろん小さい時は目が回るほど忙しかったですが、上の子が5歳くらいから逆転したというか、ラクに感じることが増えてきた感じです」

実はKさんは、育児そのものよりも周囲の声がつらかったといいます。

「当時赤ちゃんだった上の子に向かって、まだお兄ちゃんになりたくないだろうに、かわいそうにと言う人が何人かいて。それは私も否定できないけれど、ちゃんと2人とも大切に育てているつもりなのにと悔しい思いをしました」
「幼稚園入園当初に上の子がすごく荒れた時期があり、年子で十分かまってあげられなかったせいで……と申し訳なく思ったのですが、園長先生が『年子だから愛情不足だなんて絶対にない、必ず落ち着くから大丈夫』ときっぱり言ってくれてホッとしました」

周囲から年子で上の子がかわいそうと何度も言われると、何かあったとき、関係なくても無意識に「やっぱり……」と思ってしまうのかもしれません。

周囲の人は「かわいそう」ではなく「何か手伝うことがあれば言ってね」などポジティブな声がけを心がけたいですね。

年子のママNさん「子育て1回という感覚です」

現在小学校2年生と1年生のお子さんがいるNさんは「実際2回子育てしてはいるんですけど、自分の感覚では1回ですね」と話します。

「個人差はあると思うのですが、身体がまだ覚えている感じで比較的安産だったり母乳も産後すぐからスムーズに出ていました。マタニティグッズやベビー用品も片付けることなくそのまま使いましたし、下の子が精神的に成長の早いタイプで、イヤイヤ期がほとんど2人同時に始まって終わったんですよ(笑)」
「実は1人目になかなか恵まれず、年齢のこともありできるだけ早めに2人目を希望していたんです。運良くすぐに授かったので、大変ではあったけどうれしさの方が大きくて」
「とはいえ、上の子がまだ1歳過ぎで歩き始めの頃、どこにでも行くしすぐ転ぶので普通は危なくないようにフリーの大人がついて回ると思うのですが、私が下の子をだっこしていて機敏な動きができないので大変でした。下の子をおんぶしているときに上の子もだっこを求めてくるので肩や腰も悲鳴をあげていました。夫が育休を長めに取れたので、それでなんとか乗り切った感じです」

おわりに

本当のところ子育てにメリットもデメリットもなく、お子さんが1人だろうと何歳離れていようと大変なことも良いこともありますし、どんなに計画しても都合良く思い通りには進まないのが子育てだといえます。

とはいえ、これから年子育児が始まる方はやはり不安もあるかと思います。年子ならではの大変さや工夫・良かったことなど、先輩ママの体験談が参考になれば幸いです。

コラムニスト

認定子育てアドバイザー/育児教育ライター  高谷みえこ 

私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。

娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。

親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。

しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。

まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。

より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。

現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。

かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。

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