慣らし保育のスケジュールを先輩ママ・パパに聞いてみた

2024/03/14

もうすぐ4月。この春から保育園デビューする赤ちゃん・お子さんのママ・パパは、準備を進めるかたわら「長い間親と離れても大丈夫かな?」「新しい環境になじめるだろうか」など期待と不安を抱きつつ過ごしているのではないでしょうか。

慣らし保育の進め方や期間については、説明会や入園案内である程度分かると思いますが、小学校の時間割のように全員が同じスケジュールで動くのではなく、1人1人の様子に合わせて柔軟に決めていく園が多く、実際いつまで続くのかがはっきりわからないこともあります。

そこで、お子さんの慣らし保育を経験したママ・パパたちの体験談から、実際はどんな感じで慣らし保育が進んでいったのか、いろいろなスケジュール例を参考にしていきたいと思います。

慣らし保育の期間や進め方はどうやって決まる?

保育園に入園できる月齢や食事の提供などについては児童福祉法等で基準が定められていますが、慣らし保育については、一般的に1~2週間とされているものの法の定めはなく、園の方針に基づいて保護者と話し合いのうえ決定します。

一般的には以下のようなスケジュールが多くみられます。

  • 初日(月)
     1時間程度でお迎え
  • 2日目~5日目(火~金)
     毎日少しずつ預かり時間をのばす(12時頃まで)
  • 6・7日目(土日)
     お休み
  • 8日目(月)
     給食スタート
  • 9日目(火)
     お昼寝スタート
  • 10~13日目(水~金)
     毎日少しずつ預かり時間をのばす(17~18時頃まで)
  • 14・15日目(土日)
     お休み
  • 16日目(月)~
     通常保育

上記はあくまで標準的なスケジュールで、実際には思ったよりも早く慣れ、1週間以内に通常保育に入る子もいれば、なかなか慣れずに1ヶ月近くかかる子も。途中で熱を出してお休みするとその前の段階に戻ってやり直すなど、予定どおりにいかないこともよくあります。

0歳・1歳・2歳、慣らし保育のポイント

同じ年齢・月齢でも慣らし保育のスケジュールには個人差がありますが、年齢ごとに留意すべき点は少しずつ異なります。

0歳児の慣らし保育

赤ちゃんは最も早い場合で生後57日(2ヶ月)から入園が可能です。月齢が低いほど人見知りをしにくいため、慣らし保育は比較的スムーズに進むことが多いです。

一方で人見知りが始まる6~7ヶ月頃からは、ママやパパと離れるときに大泣きして、毎朝後ろ髪を引かれながら出勤したという声もよく聞きます。

最終的にはどの子も慣れていくのですが、月齢によってその期間は若干異なるかもしれませんね。

1歳の慣らし保育

1歳を過ぎると食事や昼寝など日中の生活リズムができてきます。これまでの自宅でのリズムと園での日課が異なっている場合、慣れるのに時間がかかるかもしれません。

「入園のしおり」などを見ると、園での1日の過ごし方が記載されていることが多いので、入園が近付いたらその時間に毎日の生活を合わせていくのもおすすめです。

2歳の慣らし保育

2歳児になると物事の前後関係もよく分かってくるため、ママやパパと離れることが寂しくて、登園前から大泣き……という子もでてきます。

職場復帰も気がかりではありますが、最初で保育園に悪い印象を抱いてしまわないよう、スタートから数日間はできるだけ「楽しく遊んでいる間にお迎えの時間が来た」と思えるように短時間に設定するのが良いかもしれません。

【体験談】慣らし保育、こんなパターンも

過去に保育園の慣らし保育を経験したママ・パパたちに、どのようなスケジュールで進めたのかを聞かせてもらいました。

Fさん・当時0歳児のママ

「職場の人員の都合で、育休終了後の4月1日からすぐにフルタイムで出勤せざるをえない状況でした。保育園に相談したところ、3月後半の育休期間に一時保育として慣らし保育を組み込んでもらえて助かりました。夫婦とも時短勤務が難しい人は一度相談してみると良いですよ」

Kさん・当時1歳児のパパ

「息子は朝もあまり泣かずに滑り出しは順調だったのですが、4日目に熱を出して中断。再度、3時間くらいからスタートしましたが数日後にまた発熱。なかなか離乳食を食べるところまで行かず、結局1日預かってもらえるようになるまで3週間かかりました」

Wさん・当時1歳児のママ

「初日こそ楽しそうに過ごしていたそうですが、翌日からは毎朝しがみついて号泣。毎日、お仕事がんばってくるからね、必ず迎えにくるからねと言い聞かせるも、その時はうんと言うけど別れる段になるとやっぱりダメで。職場復帰の日が迫ってくるので、2週間でかなり強引に慣らし保育を終えましたが、1ヶ月過ぎても号泣が続き私も心折れそうになりました。先生のどんなに泣いてもいいんだよという言葉を支えに乗り切り、今は楽しく通っています」

もちろん「心配していたけどあっけないくらいすぐに慣れて1週間で完了」という人もいましたが、やはり慣らし保育の期間は環境が大きく変わる時期であることはたしか。

お休みの日には予定を詰め込まず親子でゆっくり過ごすなど、工夫して乗り切ってくださいね。

コラムニスト

認定子育てアドバイザー/育児教育ライター  高谷みえこ 

私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。

娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。

親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。

しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。

まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。

より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。

現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。

かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。

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