近年は洋式のトイレが普及し、生まれてから一度も和式トイレを使用したことがないという子も増えています。
多くの保育園や幼稚園では洋式トイレが設置されていて問題なく過ごせるケースが多いですが、成長とともに行動範囲が広がるにつれ、外出先で和式トイレしか用意されていない環境に出会うことも。
また、万が一の災害などでも、避難所の和式トイレが使えなくて困ることがあるかもしれません。
今回は、子供たちはどんなときに初めて和式トイレを使うことになるのか、またその場になって困らないよう練習しておく方法を紹介します。
子供たちが初めて和式トイレに遭遇するのはどんな場所でしょうか?
もっとも多いのは、キャンプ場や海水浴場・公園など屋外の公共施設です。特に自治体が運営している場合は予算も限られ、使えるうちは便器の取り替えは難しいもの。
また、帰省や法事で訪れた親戚宅など、昭和以前に建てられた住宅では和式トイレしかないことも多いでしょう。
そして子供たちが和式トイレと出会う場所でもっとも多いと思われるのは、やはり「小学校」です。
2023(令和5)年の厚生労働省の調査結果によると、全国の公立小中学校の便座のうち、洋式は68.3%、和式は31.7%と、7割近くが洋式になっています。
別の調査では「和式のみ、または和式の方が多い」という学校は2010年の78%から2018年の44%と大きく減っており、年々洋式トイレの比率が増えていることが分かります。
とはいえ、洋式と和式が混在している学校も多数あり、混み合った時に和式トイレしか空いていない……というパターンもあり得ます。
一方で新しい学校、最近や改修を行った学校ではオール洋式の場合もありますので、気になる時は入学説明会で確認したり、小学生のお子さんがいるご近所さんに教えてもらったりできると良いですね。
和式トイレを使ったことがない・うまく使えないという場合、いざという時にズボンやパンツを適切な位置まで下ろせずに濡らしてしまったり、我慢しすぎておもらししたり、便秘や膀胱炎などの病気にかかりやすくなってしまう可能性があります。
できるだけ、親と離れて行動することの増える小学校入学までに、和式トイレで用を足せるようになっておきたいですね。
おすすめの練習方法には次のようなものがあります。
近年は生活の欧米化で椅子を使うことが増え、かかとを床につけて膝を開いた状態で「しゃがむ」こと自体ができない子も増えているそうです。
うまくしゃがめないために和式トイレに抵抗感がある場合、いったんトイレのことを離れて、しゃがむ姿勢の練習から始めると良いですね。
地面に置いたひもや縄跳びをカエルのように跳び越えるなど、遊びの中でしゃがむ姿勢を繰り返し慣れていきます。
しゃがむ動きに慣れたら、次はリビングなどで練習します。大きな紙にトイレの幅に合わせて足型を描き、そこに足を乗せてしゃがみます。「お尻が床に着かないように30数えたら勝ちだよ」など、ゲーム感覚で楽しめると良いですね。
比較的最近建設された大型ショッピングモールや児童館では、大人も一緒に入れて、ドアの上から様子を見られるような子供専用トイレが設置されていることもあります。
混雑していない時間帯を選び、あえて和式に入って練習してみても良いですね。
古い公園などのトイレと比べて照明やインテリアも明るく子供向けに作られているので「こわくない」と思えるのではないでしょうか。
小さい子は、ママやパパの動きを見ながらいろいろな動作や手順を覚えていきます。自宅に洋式トイレしかない場合、実は大人が和式で用を足すところを見たことがない…という子も多いかもしれません。
2歳くらいまでの小さい子なら、外出時などに一緒に和式トイレに入るのが一番早い、というママ・パパの声もよく聞きます。
使用後の水の流し方や、こぼした時はペーパーできれいにするなども教えられておすすめの方法です。
今後も、全国的にトイレの洋式化は進むことは間違いないでしょう。とはいえ、やはり混雑時や災害時を考えると、和式トイレも使えるようになっておく方が安心。
初めてで失敗して苦手意識や嫌悪感が芽生える前に、楽しみながら親子で練習できると良いですね。
私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。
娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。
親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。
しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。
まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。
より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。
現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。
かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。
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