新社会人には、大学生の頃は考えられないような多忙な日々が待っています。そんな新社会人に対して「株式会社Zenyum Japan」が行ったアンケートでは、歯並びの悩みを持った人が圧倒的に多いことがわかりました。それは歯に関する悩みの約64%を占めます。
「歯並びがデコボコしていること」や「出っ歯気味になっていること」、「噛み合わせがズレていること」などの症状が社会人になって改めてコンプレックスになるようです。同時に、大学生のうちになぜ歯列矯正を受けなかったのかと後悔する人もたくさんいらっしゃいます。ここではそんな歯並びの問題と歯列矯正を受ける適切なタイミングについて詳しく解説します。
出っ歯や受け口、乱ぐい歯といった歯並びの問題は、一般的な病気のように短期間で現れるものではありません。ほとんどのケースは永久歯が生えそろった段階で現れるものであり、中学校・高校といった思春期を通じてコンプレックスも強まるものです。ただ、大学も含めた学生生活では、悪い歯並びで深刻な不利益を被る機会が少ないのも事実です。一方、親から自立して、すべてが自己責任となる新社会人になると、上昇志向が強まると同時に、自分のネガティブなポイントが浮き彫りとなります。そのひとつが口元や顔貌の審美性を大きく左右する「歯並び」なのです。
これは昔から言われていることですが、悪い歯並びには「不潔」や「不衛生」、「育ちが悪い」といったネガティブなイメージがつきまといます。これは主に欧米の価値観に由来するものですが、グローバル化が進んだ現代の日本でも、歯並びの良し悪しに重きを置く人は増えてきています。実際、就職先によっては欧米人と関わる機会が多い人も少なくないことでしょう。新社会人になると、そうした歯並びに対する価値観の違いや現状を目の当たりにすることで歯列矯正への意欲も高まるようです。
この調査では、新社会人になって歯並びに対する意識が高まった理由として、「現場では笑顔でいなければいけないから」という回答をした人もいます。確かに、学生はあくまで親の扶養であり、社会人のような責任を背負うことがないため、自分の感情に対して正直に生きていても大きな問題にはなりません。それがひとりの独立した社会人となると話は変わってきます。
とくに新社会人の場合は、どの現場でも一番下に位置しており、先輩や上司に気を遣って当たり前の存在ともいえます。ストレスを感じたり、自分の意志とは異なることをしなければならないシチュエーションに出くわしたりした場合でも、笑顔で対応するのが基本となります。そんな時にデコボコの歯並びが目立つと、笑顔に自信が持てなくなり、仕事自体にも差支えが生じることもあるでしょう。
ここまでは、新社会人になってから歯並びへの意識が変化することについて解説してきました。学生から社会人になる過程は、長い人生においてもかなり大きな変化を伴うイベントなので、歯並びへの価値観が変わることもすんなりうなずけることでしょう。そこで気になるのが、新社会人になってから歯列矯正の受けることの是非です。
経験のある方ならよくわかるかと思いますが、社会人1年目は怒涛の如く過ぎていきます。社会人1年目は、初めて経験することにあふれていることに加え、覚えなければならないことも膨大です。朝早く起きて出勤し、夜遅くまで仕事をする生活サイクルに慣れるまでにも時間がかかることでしょう。それだけに社会人1年目でいきなり歯列矯正を始めるのは、最適なタイミングとは言い難いです。矯正装置の種類によっては、食事や歯磨きに支障が出るだけでなく、発音・滑舌に障害が現れるリスクがある点も強調しておきます。
もともと自己管理が得意で、新しいことに順応しやすい人には、社会人1年目から歯列矯正を始めることも推奨できます。おそらくそうした人は、新社会人になってから3~4ヵ月で新しい生活にも慣れることでしょう。それくらいの時期を見計らって、歯列矯正をスタートさせるのもひとつの選択です。
上段で解説したように、新社会人になってからすぐに歯列矯正を始めるのは最善のタイミングとはいえません。ケースによっては、キャパシティーオーバーとなって、歯列矯正を途中でやめてしまう人も出てくることでしょう。そこでおすすめしたいのが大学在学中の歯列矯正です。大学生は以下に挙げる理由から、歯列矯正を始める絶好のタイミングと言えます。
大学生は、一部の理系学部を除いて時間的に余裕があります。月曜から金曜日まですべてのコマに講義が入っていることは稀で、曜日によっては休みにできるパターンもあることでしょう。そうした環境で1~2ヵ月に1回の通院が困難となることはまずありません。仮に部活やバイトなどで忙しく動いている大学生でも、自分の采配で通院のための時間を作ることは簡単です。
大学生は、社会人と比較した場合、間違いなく精神的な余裕があります。例えば、矯正装置によって発音や滑舌に深刻な影響が出たとしても、周囲の理解は得られやすいです。具体的には「この人は矯正をしているから発表を上手くできなかったのだろう」とか、矯正装置によって部活動に何らかの制限が加わったとしても「歯並びの治療中だから仕方ない」と受け入れてくれる部員および監督・顧問がほとんどです。そのような環境なら、日常生活に大きな変化をもたらす歯列矯正も安心して始めることができます。
歯列矯正には、数十万円から百万円程度の費用がかかります。この点だけを見ると、毎月数十万円の給料がもらえるようになる新社会人の方が歯列矯正を始めるタイミングとしては適しているように感じます。けれども、新社会人として働くようになっても、いきなり百万円近い金額を一括で支払うことは難しいです。もちろんそれは大学時代も同じではありますが、大学生なら親からの援助が期待できます。家庭によっては歯列矯正の費用を全額、親が支払ってくれるところもあれば、社会人になってから少しずつ返済する形をとるところもあるでしょう。いずれにせよ大学生は親の援助を受けられる最後の時期といえるため、その機会を利用することは決して悪いことではありません。
大学4年生になると、いよいよ就職活動も本格化します。各企業の一次面接も始まり、その時点で歯並びの問題を意識し始める人も少なくありません。就活の面接の際、歯並びに自信があれば、ためらうことなく笑顔になります。
それは精神的な自身にもつながることでしょう。逆に、出っ歯や受け口、乱ぐい歯といった歯並びの異常を抱えていると、自然に笑うことができず、面接での発言も消極的になりがちです。その結果、希望していた企業から内定がもらえず、悔しい思いをすることも多くなるかもしれません。それならば大学生の早い時期から歯列矯正を始めて、歯並びの問題を解決しませんか?
このように、歯列矯正は新社会人になってからよりも大学生のうちに受けておいた方が良いです。さらにいうと、大学生の期間中でも歯列矯正を始めるのに適したタイミングというものがあります。
1年生は、大学の4年間の中で最も時間に余裕がある時期といえます。これは社会人との大きな違いです。当然、高校生から大学生になる過程で、生活環境は劇的に変化しますが、多くの場合は時間的・精神的・肉体的に余裕が生まれます。自分に合った矯正歯科を探す余裕もあることでしょう。また、歯列矯正で歯をうごかす動的治療は、1~3年で終わるケースがほとんどであるため、大学1年生から矯正を始められれば、就活前に理想的な歯並びが手に入ります。つまり、人生で最も重要なイベントのひとつである就職活動を最高の状態で臨めるのです。
歯列矯正は、大学4年生から始めたとしても決して遅くはありません。夏ぐらいまでに就職活動を終えた人は、余った時間で歯列矯正に挑戦したいと考えるかもしれません。その際、注意が必要なのが卒後の進路および転居です。前述した通り、一般的な歯列矯正は、歯を動かすのに1~3年程度かかるため、大学4年生から始めた場合は、卒後も通院を継続することになります。その際、就職先や大学院の進学先が引っ越しを伴うような場所である場合は、転院をせざるを得なくなるかもしれません。矯正歯科の転院は、患者さんにとってさまざまなデメリットがあることから、できれば避けたいものです。それだけに大学4年生くらいから歯列矯正を始める場合は、卒後の環境も踏まえて検討する必要があります。
悪い歯並びを整える歯列矯正は、マルチブラケット装置を用いたワイヤー矯正とマウスピース矯正型矯正装置を用いたマウスピース矯正の2つに大きく分けられます。ここではそれぞれの特徴を簡単に紹介します。
歯の表面に四角いブラケットと金属製ワイヤーを固定する治療法です。歯を大きく、三次元的に動かすのが得意な装置で、ほとんどの歯並びに適応できます。その反面、装置が目立ちやすい、食事や歯磨きがしにくい、歯の移動に伴う痛みが強い、装置が口腔粘膜を刺激しやすいなどのデメリットを伴います。
次のような人はワイヤー矯正がオススメです。
透明な樹脂製のマウスピースを使って歯を動かす治療法です。装置が目立たない、食事と歯磨きの時に取り外せる、歯の移動に伴う痛みが少ない、装置が口腔粘膜を刺激にしにくい、通院頻度が低い(2ヵ月に1回程度)などのメリットがある反面、適応範囲が比較的狭い、装置の装着時間・交換を自分で管理しなければならないといったデメリットを伴います。
次のような人はマウスピース矯正がオススメです。
ワイヤー矯正とマウスピース矯正を比較した場合、後者の方が快適なので矯正中もストレスなく過ごせそうです。けれども、症状が重たいケースではマウスピース矯正できれいに治せないことも多いため、快適さや便利さだけで矯正法を選ぶのは良くありません。繰り返しになりますが、大学生の期間は、時間的にも精神的にも余裕があることから、自分の歯並びの症状をしっかりと治せる方法を選択した方が良いといえます。
近年、マウスピース矯正のテクノロジーも進歩してきてはいるものの、やはり歯並びだけではなく、噛み合わせまできちんと正常化しやすいのはワイヤー矯正です。矯正期間中は辛い思いをすることも多くなるかと思いますが、社会人になってからの生活を考えると、大学生の間にワイヤー矯正で歯並びの問題をしっかり解決しておいた方が賢明です。もちろん、さまざまな理由でマルチブラケット装置による歯列矯正が難しかったり、比較的軽度の歯並びだったりする場合は、マウスピース矯正でも十分です。その点は矯正の歯科医師と相談しながら決めていきましょう。
このように、社会人になると歯並びの問題で悩む人が増えています。大学生の期間なら、心身および経済的な負担の大きい歯列矯正も何とか最後まで頑張れるかと思います。美しくて健康的な歯並びは、これからの長い人生における資産となりますので、適切な時期に歯列矯正で改善しましょう。
【参考URL】はじめまして、この度鈴が峰女子高校跡地に建設中の医療モール内で開業することになりました、楠橋由規(くすばし ゆうき)と申します。生まれも育ちも広島で、出身高校は医院のすぐ近くの広島工大高校です。自分が小さい頃から慣れ親しんだ場所で歯医者を開院できるなんて不思議なご縁を感じるとともに、育てていただいた地域の皆様に歯科治療という形で恩返しできるチャンスを掴むことができてとても幸せに思います。
大学卒業後は複数の病院や歯科医院で勤務し、子どもからお年寄りの方まで様々な患者様を診させていただき、むし歯治療や歯周病治療をはじめ、親知らずの抜歯や通院困難な方への訪問診療など様々な経験を積み、必要な知識や技術の習得に努力をしてまいりました。
この井口にじいろ歯科ではそれぞれの患者様に適切な治療計画を立案し提供することで、地域のホームドクターとして一人ひとりに寄り添いながら一緒にゴールを目指し、子どもからお年寄りの方まで安心して一生通い続けることができる歯科医院を目指します。
歯科を通じて皆様が少しでも日々の生活を快適に、幸せな人生を送ることができるようにお手伝いしたいと思いますので、お口のことでお困り事や気になることがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
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