「急に体が熱くなってびっしょり汗をかいてしまう」「体が重くて動けない」などの症状がある場合は更年期障害かもしれません。エクオールは、このような更年期症状の緩和に効果があるといわれている成分です。
薬局や病院でエクオールのサプリメントを見かけたことがある方も多いでしょう。今回は、エクオールに期待されている効果や更年期障害の一般的な治療法について詳しく解説します。
更年期とは閉経前の5年間と閉経後の5年間を合わせた10年間のことです。更年期に起こる症状のうち、ほかの疾患が原因ではなく、なおかつ日常生活に支障が出ている状態を更年期障害といいます。
厚生労働省の調査によると、更年期障害と診断されたことがある女性の割合は40~49歳で3.6%、50~59歳で9.1%でした。診断は受けていないものの、更年期障害の可能性があると考えている方の割合は40~49歳で28.3%、50~59歳で38.3%となっています。
更年期障害の原因は、女性ホルモンの一つであるエストロゲンが大きくゆらぎながら低下していくことだと考えられています。卵巣の機能が落ちるため、エストロゲンの分泌量も減ってしまうのです。
脳の視床下部からエストロゲンを分泌するようにといくら指令を出しても、エストロゲンは十分に分泌されません。その結果、脳が混乱して指令を異常に出し、体に不調が出るといわれています。
更年期障害の症状には、大きく分けて精神的症状と身体的症状の2種類があります。
エクオールは、更年期の症状を改善する効果があると期待されている成分です。ゆらぎやすい時期の女性をサポートする成分として世界中から注目を集めています。
大豆イソフラボンには、ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテインの3種類があります。エクオールは、大豆イソフラボンの一つであるダイゼインが腸内細菌によって代謝されることで作られる成分です。
エストロゲンが欠乏している状態ではエストロゲン様作用を示し、エストロゲンの働きが強いときは抗エストロゲン作用を示します。更年期はエストロゲンが不足している状態が多いため、エクオールを摂取するとエストロゲンの働きをサポートすることが可能です。
エクオールはエストロゲン様作用を示すことから、更年期症状の軽減に効果があるのではと期待されていました。
女性を対象にエクオールのサプリメントを8~12週間にわたって10~30mg摂取してもらった研究では、プラセボ群と比較して有意に更年期症状の一つであるほてりが軽減されたという結果が出ています。
エクオールは更年期症状を抑えるのに有効だとされていますが、誰でも腸内でエクオールを作り出せるわけではありません。
ダイゼインからエクオールを作れるのは、日本人の約50%だといわれています。つまり、日本人の2人に1人は、更年期対策に大豆を摂取してもほとんど意味がないのです。
そのため、エクオールの力を活用したい場合は、大豆を摂取するのではなくエクオールそのものを摂取したほうが良いかもしれません。
薬局やドラッグストアで手に入れられるエクオールは、医薬品ではなくサプリメントとして販売されています。そのため、今のところ大きな副作用は報告されていません。しかし、以下のような方はエクオールの摂取を控えたほうが良いといわれています。
更年期になったからといって、すべての方が更年期障害になるわけではありません。もし更年期の症状が出ているようでしたら、治療を受けることを検討してみてください。更年期が明けるまで我慢する必要はなく、適切な治療を受けることで症状が軽くなる可能性があります。
厚生労働省の調査によると、更年期の症状を自覚していながら受診していない方は40~49歳で81.7%、50~59歳で78.9%にものぼることが分かっています。
多くの方が、症状が出ているにもかかわらず治療を受けていないのです。そもそも、更年期になると人によっては不調が起こるということがまだあまり認知されていません。
ホルモン補充療法とは、不足したエストロゲンを補う治療法です。更年期症状を改善する治療法として広く知られています。ほてりやのぼせ、発汗など更年期の代表的な症状を改善するのに有効です。
漢方薬は、体のバランスを整えることで更年期の症状を改善させます。更年期障害に使われることの多い漢方薬は以下のとおりです。
気分の落ち込みやイライラなどの精神症状がつらい場合は、抗うつ薬や抗不安薬などを用いることもあります。
更年期障害は、市販薬で症状を軽減させることもできます。市販薬の場合は、漢方薬を使った治療が基本です。ホルモン補充療法や向精神薬などを使用したい方は、婦人科を受診するようにしてください。
更年期症状をやわらげる13種類の生薬と、ビタミンやカルシウムなどが配合された市販薬です。血行を良くして体を温め、女性ホルモンと自律神経のバランスを整えて不調を改善します。
更年期症状をやわらげる13種類の生薬と、ビタミンやカルシウムなどが配合された市販薬です。血行を良くして体を温め、女性ホルモンと自律神経のバランスを整えて不調を改善します。
女性の悩みに良く使われる漢方薬です。全身に栄養素を巡らせ血行を良くし、さらに水分代謝を整えることで更年期の症状を緩和します。体力が虚弱で冷えがあり、疲労しやすい方向けです。
加味逍遙散は、のぼせの症状に良く用いられる漢方薬です。漢方では、気(生きるためのエネルギー)が体の上にあがってくると、気が熱に変わってさまざまな症状を引き起こすと考えられています。加味逍遙散は、気を降ろして全身に巡らせ、熱を冷やす働きがあります。
イライラや不眠などの症状に良く用いられる漢方薬です。気のめぐりを良くし、体にこもった熱を冷まして精神を安定させる働きがあります。動悸や不安などにも有効です。
更年期になって症状が気になり始めたら、婦人科に相談してみてください。エクオールなどのサプリメントや市販の漢方薬で対処するのも一つの方法ですが、自分の体質に合った治療を行うためには婦人科を受診するのがベストです。婦人科を受診するのに抵抗がある方は、内科や漢方外来などでも構いません。
エクオールは、大豆イソフラボンの一種であるダイゼインが腸内細菌によって代謝を受けて作られる成分です。エストロゲン様作用を示すことから、更年期の症状を緩和する働きがあると期待されています。気になる症状がある方は、エクオールを試してみるのもよいでしょう。
ただし、自分の体質に合う治療を受けたいのなら、婦人科を受診するのが一番です。まれに甲状腺の病気などが隠れている可能性もあるため、一度検査をしてもらうと安心でしょう。
薬剤師としてドラッグストアで働いていくなかで「このままではいけない」と日に日に強く思うようになっていきました。なぜなら「市販薬を正しく選べている方があまりに少なすぎる」と感じたからです。
「本当はもっと適した薬があるのに…」
「合う薬を選べれば、症状はきっと楽になるはずなのに…」
こんなことを思わずにはいられないくらい、CMやパッケージの印象だけで薬を選ばれている方がほとんどでした。
市販薬を買いに来られる方のなかには「病院に行くのが気まずいから市販薬で済ませたい」と思われている方もいるでしょう。かつての私もそうでした。親にも誰にも知られたくないから市販薬に頼る。でもどれを買ったらいいかわからない。
そんな方たちの助けになりたいと思い、WEBで情報を発信するようになりました。この症状にはどの市販薬がいいのか、どんな症状があったら病院に行くべきなのか、記事を通して少しでも参考にしていただけたら幸いです。
「陰部のかゆみが酷くて我慢できない」「かゆみが気になるけど病院に行くのはちょっと…」
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