2024/08/30

妊娠中は、経過が順調でも、つわりをはじめとするさまざまな体調の変化が起こりやすいもの。

特に妊娠初期は外見だけでは妊婦さんであることが分からないため、周囲に気付いてもらえず辛い思いをする人も多いでしょう。

そんなとき、妊婦さんであることをさりげなく周囲に伝えられるサインとして広く使われているのが「マタニティマーク」です。

「マタニティマークはいつからつけてもいいの?」「無料でもらえるもの?」「街でかわいいマタニティマークをつけている人を見たけど、自作しているの?」といった疑問についてお答えします。

マタニティマークはいつからつけるべき?

マタニティマークは2006年に厚生労働省が発表したマークで、公共交通機関や商業施設など、日常生活で配慮が必要な妊婦さんが身につけるためにデザインされたものです。

厚生労働省のサイトには、マタニティマークが生まれた背景について次のように書かれています。

”各種交通機関における優先的な席の確保については、優先席のマークなどにおなかの大きな妊婦のマークが使われているが、妊娠初期には外見からは妊娠していることが分かりづらいことから、周囲からの理解が得られにくいという声も聞かれるなど、さらなる取組が必要とされている。

こうした課題の解決に向けて、「健やか親子 21」推進検討会において、マタニティマークを募集し、マークを妊産婦に役立てていただくとともに、妊産婦に対する気遣いなど、やさしい環境づくりに関して広く国民の関心を喚起することとした”

特に初めての妊娠では「なんとなく気恥ずかしい」とか「こんな初期からつけていいのだろうか」とためらう妊婦さんも多いようです。

しかし上記から考えると初期こそマタニティマークが必要で、妊娠が分かったらいつでも身につけてよいといえます。

万が一外出時に貧血などで倒れてしまった場合でも妊娠中であることがすぐに分かるため、胎児に影響の少ない処置を選んでもらえる可能性も高まります。

マタニティマークはどこでもらえる?

現在、マタニティマークは、こども家庭庁の運営するサイト「健やか親子21」にて、無料でダウンロードできるようになっています。

ただし、このサイトで手に入るのは画像データのみ。多くの場合、各自治体がこのデザインを使用してキーホルダーやバッジなどを作成し、妊娠届提出時に母子手帳と一緒に渡してもらえることがほとんどです。

他にも首都圏を中心とした鉄道の駅案内所や、空港のカウンターで申し出ると無料でもらえることがあるほか、ベビーグッズ専門店・プレママ向け雑誌の付録などでも販売・配布されています。

マタニティマークのおしゃれ&可愛いアレンジ

皆さんは電車などで、一般的な透明カバーのついたマタニティマークの他に、周囲にリボンなどがついたかわいいマタニティマークをつけている人を見たことはありませんか?

手芸の得意な人なら、上記の画像データをダウンロードして白い布に印刷し、市販のパーツを使ってオリジナルのキーホルダーやバッジを作ることもできます。

特に人気なのは、周囲をリボンなどで囲み勲章のようにアレンジした「ロゼット」です。

まわりを囲むプリーツ状のリボンは難しそうに見えますが、手芸用品店などにある「ロゼットメーカー」を使えば比較的かんたんに作れます。また100円ショップでは、初めから折り畳んで縫い止めた「プリーツリボン」も売られています。

他にも、パールブレードと呼ばれる小粒のパールが連なったものでマタニティマークのまわりを囲んだり、小さなパーツを付け加えたり、好きなデコレーションを楽しんでみて下さいね。

注意が必要なのは、作ったロゼットの営利目的での販売は禁止されている点です。材料費の実費だけもらって販売することはできますが、その場合も事務局へ使用報告書の提出が必要です。

また、マークのサイズは拡大縮小しても構いませんが、色柄の変更は禁じられているので、かならず元のデータのまま使用して下さいね。くわしくは以下のページに記載があります。

マタニティマークが生まれてから10年目の2017年に行われたアンケートでは、マタニティマークをつけたことがある女性は全体の85%、男性でもマタニティマークを知っている人が95%と、社会での認知度が上がっていることがうかがえます。

なにかと体調の変わりやすい妊娠中。少しでもママと赤ちゃんの身体をいたわり無事出産を迎えられるよう、マタニティマークを活用していきたいですね。

コラムニスト

認定子育てアドバイザー/育児教育ライター  高谷みえこ 

私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。

娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。

親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。

しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。

まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。

より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。

現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。

かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。

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