筋肉痛になると、全身がだるくなり体を動かすのがつらいと感じる方が多いでしょう。
筋肉痛は放っておいても自然に治りますが、動くのがつらいほど筋肉痛が出ている場合は、市販薬の力を借りるのも一つの方法です。
今回は、筋肉痛になる原因や市販薬の選び方、人気の高い市販薬について詳しく紹介します。筋肉痛を予防する方法も解説しているので参考にしてみてください。
筋肉痛とは、体を動かすことで傷ついた筋肉が修復するときに起こる痛みのことです。ただし、具体的なメカニズムについてはまだ解明されていません。
普段動かさない筋肉を動かしたり急に激しい運動を行ったりすると、筋肉の繊維に小さな傷がつき、この傷を修復する過程で痛みが生じると考えられています。修復時に痛みが生じるのは、傷ついた繊維の部分に白血球などが集まって炎症を引き起こすためです。
ところで、年を取ると筋肉痛が遅れてやってくるという話を聞いたことがありませんか?実は、筋肉痛があらわれる速度と年齢との間に確かな関連性はないといわれています。
筋肉痛には、大きく分けて「即発性筋肉痛」と「遅発性筋肉痛」の2種類があります。
即発性筋肉痛とは、急性筋肉痛とも呼ばれており運動の直後や最中に起こる筋肉痛のことです。激しい運動などで強い負荷がかかると筋肉の血行が悪くなり、筋肉の代謝物質である水素イオンが蓄積して痛みが生じやすくなります。
遅発性筋肉痛とは、運動を行った数時間から数日後に起こる一般的な筋肉痛のことです。筋肉の曲げ伸ばしを行いながら負荷をかける運動を行うと遅発性筋肉痛が起こりやすくなります。筋肉自体に痛みを感じる神経はないものの、炎症が引き金となって筋肉痛が起こるのです。
筋肉痛がある場合は、市販薬を使うと痛みがやわらぎやすくなります。効能効果に筋肉痛と書いてある市販薬なら基本的にどれを使用しても構いません。
しかし、使いやすさを重視して選ぶことで効率よく筋肉痛を抑えることができます。
筋肉痛が起こっている範囲が広い場合は、湿布薬や塗り薬だと広範囲に使用しなければなりません。このようなときは、飲み薬である消炎鎮痛薬を使用すると便利です。消炎鎮痛薬を服用すると、全身に作用するので幅広い痛みに対応できます。
即効性や効果の高さを求める方はロキソプロフェンナトリウム、手軽に購入できるものが良い方はイブプロフェン、胃に優しいものが良い方はアセトアミノフェンが主成分のものを選ぶとよいでしょう。
局所的な筋肉痛にお悩みの方には、貼り薬や塗り薬がおすすめです。痛みがあるところへピンポイントに薬を効かせることができます。関節のようによく曲げ伸ばしする部分は塗り薬、それ以外の部分は貼り薬を使用するとよいでしょう。
まずは、飲み薬のタイプの市販薬を紹介します。筋肉痛の範囲が広い方、湿布薬のにおいが周りに漏れるのが嫌な方は、飲み薬を選んでみてください。
処方薬のロキソニンと同じ成分を含む市販薬です。眠くなる成分は含まれていません。即効性が期待できる成分なので、素早く痛みを緩和してくれるでしょう。
有効成分 ロキソプロフェンナトリウム水和物 効能効果 ●頭痛・月経痛(生理痛)・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・腰痛・関節痛・神経痛・筋肉痛・肩こり痛・耳痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛
●悪寒・発熱時の解熱用法用量 15歳以上:1日1錠を1日2回まで服用する。(再度症状があらわれた場合は3回まで服用可) 公式サイト:ロキソニンS
イブプロフェンが最大量である200mg配合された市販薬です。ソフトカプセル仕様なので素早く溶けて痛みを抑えます。眠くなる成分は含まれていません。
有効成分 イブプロフェン 効能効果 ●頭痛・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・耳痛・関節痛・神経痛・腰痛・筋肉痛・肩こり痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・月経痛(生理痛)・外傷痛の鎮痛
●悪寒・発熱時の解熱用法用量 15歳以上:1回1カプセルを1日2回まで服用する。(再度症状があらわれた場合は3回まで服用可) 公式サイト:リングルアイビーα200
胃の負担が少ないことが特徴のアセトアミノフェンが主成分として含まれている市販薬です。空腹時でも服用できますが、風邪による悪寒や発熱があるときはできるだけ食後に服用してください。
有効成分 アセトアミノフェン 効能効果 ●頭痛・月経痛(生理痛)・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・耳痛・関節痛・神経痛・腰痛・筋肉痛・肩こり痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛
●悪寒・発熱時の解熱用法用量 15歳以上:1回1錠を1日3回まで服用する。 公式サイト:タイレノールA
局所的に効果を発揮させたい方、筋肉痛の範囲があまり広くない方は貼り薬や塗り薬を使用するとよいでしょう。
ロキソプロフェンナトリウム水和物が主成分の湿布薬です。最大4枚まで一度に貼ることができます。効果が24時間持続するので、途中で貼り直す必要がありません。
有効成分 ロキソプロフェンナトリウム水和物 効能効果 腰痛、肩こりに伴う肩の痛み、関節痛、筋肉痛、腱鞘炎(手・手首の痛み)、肘の痛み(テニス肘など)、打撲、捻挫 用法用量 15歳以上:1日1回、最大4枚まで患部に貼付する。 公式サイト:ロキソニンSテープ
鎮痛成分のなかでもとくに効果が高いとされるジクロフェナクナトリウムが配合された湿布薬です。独自の浸透技術により有効成分が痛みのもとへ届きやすくなっています。
有効成分 ジクロフェナクナトリウム 効能効果 腰痛、肩こりに伴う肩の痛み、関節痛、筋肉痛、腱鞘炎(手・手首の痛み)、肘の痛み(テニス肘など)、打撲、ねん挫 用法用量 15歳以上:1日1~2回、最大2枚まで患部に貼付する。 公式サイト:ボルタレンEXテープ
塗るタイプの鎮痛薬です。衣類などでこすれて成分が取れてしまうため、1日3~4回塗布する必要があります。湿布薬特有のにおいがしにくいことが特徴です。
有効成分 ロキソプロフェンナトリウム水和物 効能効果 腰腰痛、肩こりに伴う肩の痛み、関節痛、筋肉痛、腱鞘炎(手・手首の痛み)、肘の痛み(テニス肘など)、打撲、捻挫 用法用量 1日3~4回、適量を患部に塗布する。 公式サイト:ロキソニンSローション
筋肉痛がひどいと、日常生活に支障が出てしまうことがあります。ひどい筋肉痛を予防するためには、日頃からのケアが大切です。
毎日体を動かしている方は、そうでない方よりも筋肉痛になりにくいことが分かっています。普段から体を動かすことで血流が良くなっているためです。軽いウォーキングやストレッチなどを行うように心がけてみてください。
いきなり体に強い負荷をかけると、筋肉に大きな負担がかかりやすくなります。最初は軽い運動から始め、徐々に強い負荷をかけるようにすると筋肉痛になりにくいといわれています。
筋肉痛を予防するためには、運動前に行うストレッチも有効です。筋肉の伸びを良くし、緊張をほぐすことで筋肉痛の予防につながります。
数日経ったら自然に治るような筋肉痛は、市販薬でも十分に対応できます。しかし、腫れや内出血などもある場合は適切な治療を受ける必要があるケースもあるため、整形外科を受診しましょう。また、筋肉痛が1週間以上続く場合は、ほかの問題がある可能性もあります。この場合も早めに整形外科で相談するようにしてください。
筋肉痛になった場合は、市販の消炎鎮痛薬や貼り薬、塗り薬などを使用するとよいでしょう。痛みの範囲が広い方は飲むタイプの消炎鎮痛薬、範囲が狭い方は貼り薬や塗り薬が便利です。
筋肉痛は通常3日から1週間ほどで治るといわれています。1週間以上経っても痛みが続くときは、念のため整形外科を受診しましょう。
薬剤師としてドラッグストアで働いていくなかで「このままではいけない」と日に日に強く思うようになっていきました。なぜなら「市販薬を正しく選べている方があまりに少なすぎる」と感じたからです。
「本当はもっと適した薬があるのに…」
「合う薬を選べれば、症状はきっと楽になるはずなのに…」
こんなことを思わずにはいられないくらい、CMやパッケージの印象だけで薬を選ばれている方がほとんどでした。
市販薬を買いに来られる方のなかには「病院に行くのが気まずいから市販薬で済ませたい」と思われている方もいるでしょう。かつての私もそうでした。親にも誰にも知られたくないから市販薬に頼る。でもどれを買ったらいいかわからない。
そんな方たちの助けになりたいと思い、WEBで情報を発信するようになりました。この症状にはどの市販薬がいいのか、どんな症状があったら病院に行くべきなのか、記事を通して少しでも参考にしていただけたら幸いです。
「何をやっても手足が冷えて温まらない」「体が冷え切ってつらい」
冷え性(冷え症)になると、どんなに手足を温めても冷たい状態が続くのでつらいですよね。靴下を二重に履いてもクーラーの設定温度を上げてもとにかく体が冷えるという方は...続きを読む
薬ではないからといって、何も気にせずサプリメントを飲んでいませんか?実はサプリメントによっては、薬と併用することで相互作用を起こすものがあります。
薬が効きにくくなったり、逆に効き目が強くなって副作用が起こったりすることもあるので注意しなければなりません。 では、具体的にどのようなサプリメントと薬で併...続きを読む
化膿止めは、怪我したときや火傷したときなどに使われる薬です。市販では数多くの化膿止めが販売されています。
「化膿しているけど化膿止めを使うべき?」「市販ではどの薬を買えばいいの?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、どのようなときに化膿止め...続きを読む
「頭痛薬を飲む回数がどんどん増えてきた」「頭痛薬を飲んでもあまり効かなくなってきた」
このような症状がある方は、もしかしたら頭痛薬そのものが頭痛の原因となる「薬物乱用頭痛」になっているかもしれません。今回は、薬物乱用頭痛がどのようなものなのか、ど...続きを読む