赤ちゃんの手足の指に、長い髪の毛や靴下の糸くずなどが巻き付いて血流を妨げる「ヘアーターニケット症候群」は、気付くのが遅れると指を失ってしまうおそれもある怖い事故です。
今回は、ヘアーターニケットに1秒でも早く気付く方法や、未然に防ぐ方法を紹介します。
ヘアーターニケットは英語で直訳すると「髪による止血帯」といった意味。髪の毛や細い糸が指や舌・生殖器などに偶然巻き付いて、血流を妨げてしまう事故のことをいいます。
世界中で報告例があり、10歳くらいまでの子どもや大人でも報告例がありますが、生後半年くらいまでの赤ちゃんにもっとも起こりやすいとされています。
芸能人のお子さんにもしばしばヘアーターニケットが起こっています。SNSなどで注意を呼びかけているのを見たことがある方もいるのではないでしょうか。
赤ちゃんは皮膚が柔らかく巻き付いた髪の毛などが食い込みやすいうえ、痛みやトラブルを自分で説明できないため、悪化しやすいのが特徴。
また、特に冬場は靴下や手足の隠れるロンパースなどのウェアで患部が見えないことから発見が遅れがちになります。
軽い症状では、髪の毛の巻き付いた箇所や指先が赤紫色になる程度で、しばらくすると元通りになりますが、ひどい時は皮膚が切れてしまうこともあり、最悪の場合は指先の組織が壊死して切断の可能性すらあります。
指に髪の毛が巻き付いて血流が止まると、だんだんと指先の腫れや痛みが強くなってくるため、赤ちゃんはあやしても泣きやまなくなります。
日頃からヘアーターニケットの可能性を頭の片隅に置いておき、泣いている理由が分からないときは手足を観察する習慣をつけておきたいですね。男の子の場合は陰部も確認してあげましょう。
ヘアーターニケットを発見したら、まずはその場で取り除けそうか確認します。
家庭でできる取り方には以下のような方法があります。
髪の毛を水でぬらすと膨張してやや取りやすくなるといわれています。皮膚に傷がついていなければ試してみて下さい。
ただしいずれの場合も、無理に取ろうとすると赤ちゃんの柔らかい肌に傷がついてしまいます。また時間をかけているうちに症状が悪化するおそれもあるため、数分間やっても取れない場合はすみやかに小児科や小児外科を受診しましょう。
Family Dr.(ファミリードクター)では、広島の小児科の病院・クリニック等も検索できますので、以下から探してみてくださいね。
ヘアーターニケットの原因となるのは、家族やペットの長い髪の毛がほとんどです。
小さい赤ちゃんは落ちている小さなゴミなども目ざとく見つけて触るので、できるだけ長い髪は束ねて床に落ちるのを防ぎましょう。おむつ替えのときには、おむつの中に髪の毛を落としていないかもチェックします。
また、靴下の中で足の指に髪の毛が巻き付いてしまった事例では、洗濯時に髪の毛が靴下に入り込んでしまったケースも多いそうです。秋冬に靴下をはかせる時は、髪の毛やほつれた糸が長く飛び出ていないか、内側をチェックしてからはかせてあげましょう。
赤ちゃんのいる毎日は忙しく、こまめに掃除機をかけられないかもしれませんが、ロボット掃除機を利用する、赤ちゃんの過ごす部屋だけでもワイパーや粘着カーペットクリーナーをかけるなど、部分的な対策でも予防効果があります。
ヘアーターニケットに限らず、赤ちゃんの事故やトラブルは、いざその場になると誰でも焦ってしまうもの。
何ごともない時に、「もしこうなったら…」とシミュレーションして備えておけると良いですね。
私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。
娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。
親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。
しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。
まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。
より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。
現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。
かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。
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