いまの時代、初潮の平均年齢は何歳?保護者が知っておきたいこと

2024/12/04

日本の子どもたちの身体の発達は、戦後栄養状態が改善した1950年代から1970年代にかけて急速に身長や体重が向上し、その後は変化が落ち着いて横ばい状態となっています。

女の子の第二次性徴の1つである初潮(はじめて月経が起きること)も、1960年代以降に13~14歳から平均12歳へと低年齢化が進みましたが、近年はほぼ12歳で定着しています。

この記事では、年齢に加えて身長体重と初潮との関係や「初潮が早いとよくないの?」という疑問について考えます。また昔のような「赤飯を炊いてお祝い」はやるべきなのかと迷っている方へ、先輩ママ・パパへのアンケートから参考になる意見をご紹介します。

初潮の平均年齢は12歳で数十年変わらない

冒頭でも紹介したように、1950年代までは日本での初潮の平均年齢は14歳前後でしたが、1980年頃までに2歳近く低年齢化して、ここ数十年のあいだは12歳でほとんど変わっていません。

もちろん12歳よりも早く初潮を迎える子もいます。7~8歳など、あまりにも早い場合は思春期早発症や脳の疾患などの懸念がありますが、そういったケースでなくても10歳で初潮が来る子が10%程度いることが分かっています。

一方で、中学生(13~14歳)になっても生理が始まっていない子も約10%います。

平均より早い・遅い理由としては生活習慣も関係しているとみられ、肥満傾向の子や睡眠時間が短い子は初潮が早いことが分かっていますが、それだけではなく遺伝や個人差も大きいといえるでしょう。

ただし、その子にとっての成長期がピークを迎えたころに初潮が訪れることは分かっているため、小学校高学年になって「最近、身長の伸びが鈍ってきたね」というときは、半年~1年以内に初潮が来る可能性があります。

初潮が早いのはデメリットがある?

平均よりも少し早く10歳で初潮が来たとすると、その子は小学校の4~5年生です。

特に親御さんと比べてかなり早いという場合、身体的には問題がなくても「学校でなにか困るんじゃないか…」と心配になるかもしれません。

2020年に、小学生の女の子がいるママ・パパ100人を対象に行ったアンケートでは、以下のような声が聞かれました。

「娘は4年生で初潮がきて、水泳の授業を見学すると、純粋に体調を心配した友達から”どうしたの?”と聞かれて困ったそうです。6年生くらいになるとみんな分かってくるのですが…」
「初潮の少し前、3年生頃から胸がふくらんできて、体操服を1枚で着るのが気になるようになってきました。学校では汗で冷えるから肌着は禁止と言われていたのですが、担任の先生が男性だったので本人からは言いにくく。母親から相談して、インナーを着て良いことになりました」
「当時5年生になったばかりでしたが、娘はバレーボールをしていたので、生理が始まったらもう背が伸びないんだよね?と聞かれました。正しくは原因と結果が逆なのでそれは説明しましたが、やはりその後ほとんど背も伸びなかったので、本人は少しがっかりしていましたね」

「赤飯」のお祝いはしない家庭が主流に

ところで、一昔前はお子さんに初潮がくると、家では赤飯を炊いてお祝いするのが定番でした。しかし上記のアンケートでは「赤飯を炊いた」という家庭は13%と今では少数派になっています。

この理由としては「子どもが恥ずかしがるから」と、お子さんの気持ちへの配慮がほとんどを占め、かわりにケーキを買った、好きなメニューを作った、欲しがっていたお姉さんぽい洋服を買った…などの形でお祝いする家庭が増えています。

過去、赤飯で初潮を祝っていた理由には「赤い色が魔除けのおまじないになる」あるいは「直接言いづらい異性の親族に順調に成長していることをさりげなく知らせるため」など諸説あります。

しかしある研究では、家父長制度の社会では女の子が家の所有物のように見なされており、赤飯は「嫁に出せる」ことを村内に知らせる目的だったとも言われており、そう考えるともう現代社会にはそぐわない風習といえるかもしれません。

勉強・部活・仕事などに大きな影響を与える月経やPMS(月経前症候群)については、タブーにせず男女で話し合える環境作りが大切です。

しかし初潮に関しては、今後ともお子さんの気持ちを尊重しながらお祝いする流れになっていくのではないでしょうか。

アンケート情報

  • アンケート時期:2020年9月
  • アンケート方法:インターネット
  • アンケート対象:男女100名

コラムニスト

認定子育てアドバイザー/育児教育ライター  高谷みえこ 

私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。

娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。

親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。

しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。

まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。

より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。

現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。

かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。

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