2025/01/08

お子さんが小学校に忘れ物をして行ったことに気付いたら、保護者はどうすれば一番よいのでしょうか?

最近は「取りに帰るのは禁止」という学校も多い中、親が届けるべきかどうかの判断について、アンケートによる経験者の声を紹介します。

多くの小学校で取りに帰るのは禁止

ママやパパの小学生時代には、まだ先生から「習字道具を忘れた?じゃあ取りに帰ってきなさい」と言われた方や「6時間目の体操服忘れた…!昼休みに取りに帰ろう」という経験をした方もいるのではないでしょうか?

しかし、現在、多くの小学校では忘れ物をしても子供が1人で取りに帰ることは禁止されています。

不審者や交通事故などトラブルに巻き込まれるリスクを防ぐためというのが一番の理由で、基本的には門を閉めて鍵をかけ、子供だけで外に出られないようになっているはずです。

また現在は核家族・共働きの世帯が増加していて家に帰っても誰もいないため、初回の水泳授業での水着セットなど、家のどこにしまってあるか子供だけでは分からないこともあるでしょう。

「借りる」はケースバイケース

忘れ物の種類によっては友達や学校から借りることも可能です。

教科書なら隣の席の子に見せてもらったり、コンパスや裁縫セットなら別のクラスの友達に借りたりできますが、体操服やリコーダー・鍵盤ハーモニカなどは衛生面から避けた方が良いですよね。

お子さんの性格や他のクラスに知っている子が少ないなどの理由でうまく借りられない子もいますし、いつも借りてばかりでは相手の子も不満がつのってくるでしょう。

予備の筆記用具やコピーしたノート用紙、学習道具類を用意してくれている学校もありますが、学校や先生たちの判断次第で、必ずしも借りられるとは限りません。

「無理してでも届ける」忘れ物TOP3

忘れ物、取りに帰るのも借りるのも難しい……となったら親が届けてあげるしかないのでしょうか?

もちろん、毎度届けていては本人が「忘れ物をしたら困るから、次は忘れないようにしよう」と感じる機会がなくなってしまいますが、過去に小学生のお子さんがいる男女50人を対象としたアンケートでは、以下の3つは「できるだけ届ける」という回答が多く集まりました。

1:水筒

近年の夏の暑さは本当に危険なレベル。学校によっては水筒を忘れた子が職員室に来てお茶を飲めるように用意してくれることもありますが、そうでない学校も少なくありません。

また学校から家の距離が遠い子は30分以上歩くこともあり、下校時の水分補給も心配ですよね。

Uさん・当時小学1年生のママ
「水筒を忘れたら、やっぱり熱中症が心配なのでできるだけ届けるようにしています。余談ですが持ち帰るのを忘れることもあり、金曜日だと残ったお茶の腐敗も気になるので一緒に学校へ取りに行くことも…!」

2:給食エプロン

給食当番のエプロンは、通常、1週間使ったら持ち帰り洗濯して月曜日に持参します。これを忘れてしまうと困るのは子供本人ではなく、次の当番の子です。

学校によっては予備を貸してくれることもありますが、予算などの関係上、必ずしもあるとは限りません。

そのため

Mさん・当時3年生のママ
「食器を片付けて洗濯物を干してからパートに行くつもりでしたが、玄関に給食エプロンが置いたままになっているのに気付いた瞬間、その日の朝の家事はあきらめて出勤前に学校に届けました。うちの子が困るのは仕方ないけど、他の子に迷惑はかけられないので…」

といった声もありました。

3:検尿

健康診断に必要な検尿は、おおむね2日間のいずれかに提出し、午前中のうちに業者が回収に来ます。忘れた場合、学校によっては予備提出日がありますが、各家庭でクリニックに行き検査を受けないといけないケースも。

検尿キットは学校から配布されますので、採尿したのにトイレや玄関に忘れていった…という場合は翌日に取りなおすことも難しく、なんとか朝のうちに届けてしまいたい忘れ物の1つのようです。

届けるのも難しい現代。みんなの忘れ物対策は?

子供の忘れ物を「ちょっと無理してでも届けに行く」という人もいるものの、出勤時間がお子さんよりも早いご家庭もあり、その場合はそもそも子供が忘れ物をしたことにも気付けないですよね。

そうなるとできるだけ忘れ物をしないような工夫が必要になってきます。

そこで、アンケートで「忘れ物を減らす対策としてどんなことをしていますか?」とたずねてみたところ、以下のような回答が寄せられました。ぜひ参考にして下さいね。

Mさん・当時小学1年生のママ
「子供の頃は親に持ち物のチェックなどしてもらったことがないですが、入学説明会で最初は一緒に、慣れてきたら最終チェックを親御さんがしてあげて下さいねと言われてびっくり。やっていいんだ…!と。私は発達上の特性もあり、何度先生に叱られても忘れ物が減らず辛かったので、同じ思いをさせないよう、きげんよくチェックしてあげています」
Yさん・当時4年生のパパ
「提出期限のあるプリントなど、親に渡さないといけない書類を入れるボックスを作り、そこに入れさせています。引き替えに小さいチケットを入れておき、〇枚たまったら次のお出かけ時に子供の好きなガチャをやらせてあげるなど、ゲーム感覚でやってました」
Oさん・当時2年生のママ
「忘れ物をしたことに気付いたら、黙っていないで早いうちに先生に言うんだよと言い聞かせていました。実際、じゃあ隣のクラスの〇〇さんに借りてみようかとつないでもらえて、間に合ったこともあるそうです」

忘れ物はしないのが一番ですが、誰しもうっかりすることはあります。もし忘れてしまったらどうするかを親子で事前にシミュレーションしておくことで、少しでも困った事態を減らせそうですね。

コラムニスト

認定子育てアドバイザー/育児教育ライター  高谷みえこ 

私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。

娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。

親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。

しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。

まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。

より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。

現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。

かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。

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