昔は、その季節にはその季節にしか食べることができないものが沢山ありました。
私は子供のころ大病をして、「もう助からないかもしれない」とお医者様に言われたそうです。熱にうなされながらスイカが食べたいと言うので皆で探し回ったけど、どこにもなかったという事でした。
どの季節だったのか覚えていませんが、今なら大抵のものは買うことができます。
私は海のある所で育ったので、春になるといろいろな貝料理が楽しみでした。今は手に入らないような貝がいろいろありました。山ではつくし、わらび、たけのこと順繰りに季節の移り変わりを知り、子供心にも「ああ春が来たんだなぁ」と感じたものでした。今回はそんな食材を使ってみました。
(材料は特記がないかぎり2人分です)
前回:「調理する時間がない!」でもおいしくてバランスの良いササッとメニュー
真鯛は春にはきれいな桜色になるので、さくら鯛と呼びます。鯛がなければ鰆でも良い。鰆も瀬戸内海では春が旬です。その他、鮭や鱈などでも良いです。アルミ箔に包んで蒸すだけの簡単調理です。
根菜類をいろいろ揃えるのは大変です。生のものにはかないませんが、冷凍食品を一袋ストックしておくと便利です。
昔はどこのお店にもアサリがありましたが、今はシジミはあってもアサリは無いことがあります。
中国産のアサリしか無かったので、小粒なハマグリのような山口産のしおふき貝を買いました。
この時期、ワカメなどと同じように魚屋さんに売っています。ところてんより海藻が濃いという感じがしますが、これはえごのりという海藻を干して乾燥したものを煮つめて固めたものです。福岡の名産のようです。瀬戸内海では子供のころ、いぎす豆腐というおきゅうとより透明感のない、大豆の粉を混ぜて作る寒天状のものを法事などでよく食べました。どうも愛媛県の郷土料理のようです。どちらも酢味噌などで食べます。
10年位前から「大豆を食べましょう」と大豆料理をいろいろ作っていました。
糖質を控えたフランス料理を考えていた時に見つけた豆乳煮です。
大豆と豆乳とダブルで大豆製品を摂取できます。
焼きそばは手軽なメニューの一つで、誰でも簡単に作れて失敗のないものです。ソースの香ばしさが食欲をそそります。でも時にはソースのない焼きそばはいかがですか?野菜が多くて満足感があります。
モヤシは最近少し値上がりしていますが、以前より種類も多くいろいろな料理のカサ増しにも重宝します。モヤシは水耕栽培なのできれいだから洗わなくて良いと書いてあることがありますが、その水は殺菌処理をしているわけではないので、大腸菌などが付着しています。流水で洗ったほうが良いでしょう。
イチゴは江戸時代にオランダから入ってきたようです。昔は路地で4月の終わりか5月ごろに収穫されていた気がしますが、クリスマスケーキの影響かどんどん早くハウスで栽培されるようになって、本来の季節にはほとんど売られていない気がします。私のベランダでは白い花びらが散って奥の方に緑の実(実は花托が発達したもの)が顔を出しています。今年は例年より季節が早く過ぎているようです。
ビタミンⅭやカリウムが含まれます。
この時期に売っているナスは『秋ナスは嫁に食わすな』の秋ナスと違って、本来のしっかりとしたうま味も少ないですがアクも少ないので手軽に料理できます。軟らかくて生でもおいしいですが、味噌との相性が良いのでしぎ焼きをはじめ、麻婆ナス、茹でて酢味噌和え等々色々使えます。
長イモは銀杏イモや大和イモ、自然薯と呼ばれるイモ類と比べてぬめりが少なく水分が多いため、とろろ芋より酢の物や煮物に使われることが多い。
豆苗は必要な分だけ切り取って使えばまた伸びてくるので、青みが必要な時重宝します。
新ジャガイモの季節です。春先に新ジャガとして売られているものは小ぶりで皮も薄いことから皮ごと調理してみましょう。
春キャベツはこの時期ならではの葉も軟らかく、巻きもゆるめで生食に適したキャベツです。
カラメルも作らない、容器も移し替えない超手抜きプリンです。
私の家には裏山があったので、春になるとそろそろタケノコは出ていないか?
山椒の芽は出ていないか? 覗きに行ったものです。
春になったしるしにどうしても1回はタケノコご飯を作りたくなります。
ご馳走らしいエビフライが作りたくて、頭が付いたエビを買ってみました。
今回のメニューはいかがでしたか? 春を十分に感じていただけましたか?
季節感が少なくなった現代ですが、それでもやはり日本は季節を感じることができる素敵な国です。
四季折々の移り変わりを食べ物で感じられるって幸せですね。
さぁ、次回はどんなものを作ってみましょうか?