健康のために運動を始めたいけれど、忙しくて時間がない。
ウォーキングを毎日の習慣にするといいと聞くけれど、とても続かない。
仕事や家事に大忙しの女性には、そんな悩みを抱えた人も多いのではないでしょうか?
京都大学大学院による研究では、週に1、2回だけ、約8000歩を歩くことでも健康維持に役立つという結果が分かっています。
そこで今回おすすめするのは、世羅町にある今高野山のハイキングコースです。
運動習慣のない女性でも約1時間程度で歩くことができます。
日ごろ運動不足の私もこのコースを歩き、約8000歩を達成することができました。
今高野山は、弘法大師に縁があり、歩きながら八十八か所巡りができる点も魅力のひとつ。
また、麓にある元宿坊のお店や歴史館も素敵なので、ぜひ立ち寄ってみて下さいね。
今高野山の入り口に到着したら、歩数計アプリを起動させてみましょう。
事前に、スマホの無料アプリをインストールしておくと便利です。
そして仁王像が立つ総門をくぐり、石畳のゆるやかな参道を登ります。
ここは春には桜、初夏には新緑、秋は紅葉を楽しめるビューポイントです。
少し行くと、神之池という小さな池があり、朱塗りの太鼓橋がかけられ目を引きます。
橋を横目に進んだ先にあるのは、丹生神社です。
こちらには、紀州高野山の守り神であり、地域の鎮守様でもある丹生明神と高野明神が祀られています。
お手水で手や口を清め、お参りを済ませたら、舗装された左手の道に進みましょう。
案内板を見て、まずは、普門閣(展望台)を指す矢印の方向へ。
展望台にはベンチが設置されており、ゆっくりと景色を眺めることも出来ますよ。
パワーチャージしたら、八十八か所巡りを始めてみましょう。
今高野山には、四国にあるお寺のご本尊が、石仏として山の各所に設置されています。
それらの石仏にお参りしながら、コンパクトに巡礼できる点が利点です。
最初のご本尊である「あわ1番」の石仏は、普門閣展望台の敷地へ入る辺りにあります。
ちなみに、四国の八十八か所のお寺は弘法大師(空海)が開いた霊場であり、今高野山もまた、弘法大師によって開基されました。
何かお願い事をしながら、お参りしてみるのもいいかもしれませんね。
来た道を少し戻り、次は八十八か所巡りの矢印方向へ山道を進んでいきます。
少し行くと、螺旋階段のある四方展望台があります。
遊び心で階段を上ってみると、建物のレトロな雰囲気が味わえるでしょう。
そこからは、ひたすら山頂を目指す道のりです。
とはいえ、道は整備されており、坂道ばかりではないので森林浴をしながらのんびりと歩くことができます。
いよいよ山頂に近づくと、道は少し急になりますが、脇には手すりがあるので安心ですね。
山頂に到着すると、巨大な岩石群があります。
特に大きな岩は甲岩と言われ、弘法大師が開山した際の逸話が残されています。
またここは、戦国時代にこの地を支配した上原(和智)氏の城の本丸跡です。
両脇には、八十八か所巡りの石仏もありますよ。
お参りしたら、そのまま道なりに歩いて、次は古城山展望台へ。
ここは見晴らしが良く、世羅台地を一望することができます。
太平洋戦争の時代には防空監視哨が設置され、アメリカ軍の動向を監視していたそうです。
さて、ここからは下りです。
一旦、歩数計をチェックしてみると、これまでの成果が見えて後半も頑張ろうと思えますよ。
清々しい山の空気を吸いながら、下山していきましょう。
この道には、八十八か所巡りの石仏が多く点在しています。
途中、求聞寺堂という展望台に立ち寄って休憩することも可能です。
しばらく下ると、出発前にお参りした丹生神社の右側の道へ出ます。
神之池が見えたら、左手の石段を登りましょう。
龍華寺というお寺があり、ここが八十八か所巡りの最終地点です。
まずは護摩堂と観音堂へ参拝し、観音堂の左側を通って裏手に回ります。
ちょうど護摩堂の裏側あたりに、八十七番と八十八番のご本尊を発見。
手前にある引き出しから、手のひらサイズの「巡拝証明書」を頂くことができます。
己書で書かれた証明書は温かみがあり、最後まで歩いた記念に嬉しいお土産ですね。
お楽しみは他にもあります。
後半は、おすすめの立ち寄りスポットを2つ紹介します。
総門近くまで参道を下ると、左手に「雪月風花 福智院」というお店があります。
こちらは築175年の元宿坊を改装して作られたカフェで、広島県の在来茶や和風デザート、精進料理などを味わうことができます。
お茶は、世羅や庄原で無農薬栽培されており、どれも体に優しいものばかり。煎茶や番茶、ほうじ茶などの日本茶のほか、和紅茶やハーブティーも多数あります。
甘味や定番メニューは、飲み物とセットで注文するとお得。
私は「お茶パフェ」と「さとやまブーケ」というハーブティーを注文してみました。
運ばれてきた「さとやまブーケ」はきれいな青色をしています。これは、バタフライピーにアントシアニンが含まれているから。アントシアニンには、目の不調を和らげ、コレステロール値や骨密度を改善させるなどのアンチエイジング効果があります。
添えられたレモン果汁を足すと、美しい紫色に変わるので視覚的にも楽しめるお茶です。
レモンはビタミンCが豊富で疲労回復効果もあり、ハイキング後の体を癒してくれますよ。また、お豆腐入りの白玉や玄米パフ、あんこ、お茶のジェラートが可愛く配置された「お茶パフェ」も絶品でした。地元の食材が多く使われているので、安心していただけますね。
住所 | 〒722-1123 広島県世羅郡世羅町甲山158−1 |
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営業時間 | 10~17時(ラストオーダー16時) ※食事は11時から受付可能 |
休日 | 火・水(祝日は営業) |
予約 | 受付不可。来店してお確かめください。 |
URL | https://www.fukuchiin-imakouya.jp/ |
※掲載内容は情報が最新でない場合もあります。詳細に関しては各施設にお問い合わせいただきご確認いただくようお願いします。
「雪月風花 福智院」を出ると、横には「大田庄歴史館」があります。
ハイキングの後、甘味とお茶で充電したら、こちらで知識欲を満たすのもおすすめです。
ちなみに、世羅町を中心とした府中市、三次市の一部を含む一帯は、平安時代から室町時代まで、紀州高野山の荘園「大田庄」として栄えていました。
「大田庄歴史館」では、大田庄の歴史を分かりやすくまとめた動画を大画面で見ることができ、歴史はちょっと難しそうと思いがちな方でも気軽に学べますよ。
大田庄はこれまで、様々な権力者に支配されてきました。具体的には、平家、後白河法皇、紀州高野山、山内氏のほか、山頂の甲岩のところで説明した上原(和智)氏などです。
そして、それより前の822年に弘法大師によって開基されたと伝えられています。
その時、「この地にお寺を建てるなら、私が守護神になりましょう」と弘法大師に告げられたのが紀州高野山の守り神でもある丹生明神と高野明神です。ハイキングコースにある丹生神社に今も祀られています。
これらの歴史に縁の品々を「大田庄歴史館」では見ることができます。
住所 | 〒722-1123 世羅郡世羅町大字甲山159番地 |
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開館時間 | 10時~17時(入館受付は16時半まで) |
休館日 | 火・水・木曜日及び12月29日~1月3日 ※主催企画展等の会期中の木曜日は開館 ※その他、臨時開館及び休館もあり |
入館料 | 一般/210円、小・中学生100円 団体(20人以上)一般150円/小・中学生70円※減免規定あり |
TEL | 0847‐22‐4646 |
URL | https://www.town.sera.hiroshima.jp/site/kyouiku/686.html |
※掲載内容は情報が最新でない場合もあります。詳細に関しては各施設にお問い合わせいただきご確認いただくようお願いします。
今回紹介したコースは、「健康への道100選」にも選ばれています。
途中には平坦な道もあり、久々のハイキングをした私でも登ることができました。
とはいえ、山に登るのですから、多少の準備は必要。以下は、最低限の準備物です。
これからの時期は、汗をかくことも想定しておくといいと思います。
2022年に開基1200年を迎えた今高野山は、奥深い歴史に彩られた場所です。
八十八か所巡りなども取り入れながら、健康効果のある約8000歩を歩き、日本茶カフェで癒されて歴史館で学ぶ。そんな健康的で文化的な休日を過ごしてみてはいかがでしょうか。
幼い頃から書くことや本が好きで、関西の編集プロダクションに勤務し、情報誌の編集に携わる。その後、創作活動を続けながら、介護福祉士を取得し、障害福祉の分野で約10年働く。現在はWEBライターとして、これまでの経験を活かし、福祉関連の記事や趣味である家庭菜園や手作り、飲食店の取材記事、You Tube動画の台本執筆などを執筆中。