このところ、最高気温が20度を超える日が増えてきました。
ゴールデンウイーク前後は、夏から秋の収穫を目指して、畑に野菜の種をまいたり、苗を植えたりするのに適した時期です。
そこで、わたしも、先日取材先で頂いた野菜の種をまいてみました。
野菜づくり初心者のわたしが参考にさせていただいた書籍は、川口由一さん監修の『はじめての自然農で野菜づくり』です。
自然農は、初期費用をあまりかけずに始めることができる農法です。
また、無農薬、無肥料で栽培するので、収穫した野菜を安心して食べられる点もメリットです。
今回は、自給自足に近い暮らしを目指し、試行錯誤を続けるわたしの野菜づくり実践レポートをお届けします。
実践を通して学んだことや感じたことを、皆さんと共有させていただきたいと思います。
野菜栽培には、様々な方法があります。
大きく分けると、慣行栽培、有機栽培、自然栽培または自然農法に分けられるでしょう。
この内、自然農は、自然栽培や自然農法に近い農法で、農薬や化学肥料のほか有機肥料も基本的に用いません。
そんな自然農の三大原則は、
です。
まず、1ですが、
畑をしっかりと耕すのは、初めに畝を作るときだけです。
それ以降も頻繁に耕すと土が乾燥し、畑を良い状態に保つことができません。
その畑に関わる動植物や微生物の生育環境を守ることが、野菜の生育に役立ちます。
2は、農薬や化学肥料または有機肥料を基本的に用いないということです。また、ビニールマルチなどの化学製品も極力使いません。
3は1と通じますが、畑に草や虫も存在することで、自然の調和が保たれます。
適度に草があれば虫は草を食べるので、野菜を害虫に食べられずに済みます。
農具は、主にカマ、クワ、スコップの3種類を使用します。
どれも、ホームセンターなどに買うことができ、千円前後で売られています。
また、畑の広さにもよりますが、農業機械を用いることもないので環境負荷が少なく、持続的な農法だと言われています。
これは、私の畑の写真です。
整える前の畑は、草が茂り、野菜の背丈を超えていました。
そこでまず、カマを使って草刈り。
二つの畝を刈り終えるのに、約1時間かかりました。
黙々と行う作業ですが、イヤホンを付けラジオを聞きながらやると、時間が経つのを早く感じました。
ちなみに刈り取った草は、土の乾燥を防ぐために敷くので、捨てずにとっておきます。
また、美しい畑を維持するためにも、草は細かくカットしておくのがベストですが、今回は時短しなければならなかったので諦めました。
草の中に隠れていたねぎが姿を表しました。
自然農では、耕さないことが基本なので、最初に畝を作り、それを整備しながら使います。
しかし、わたしの畝づくりの技術が不足しているのでしょう。
2年使った畑は、畝の土が崩れてしまっています。
そこでこの機会に改めて、しっかりと畝を整えました。
自然農のデメリットは、畝を作る作業や草刈りなどが慣れないうちは大変だということです。
多忙であまり畑仕事ができないときに、草に覆われていく畑を見ると、やはり草刈り機を買おうかなと思ってしまうこともあります。
しかし一方で、カマやクワの使い方は難しいものではなく女性でも扱えます。
大きな農業機械ならば、女性の力では困難なものもありますが、カマやクワは取り出せばすぐに作業することも可能。広い収納スペースを必要としない点もメリットですね。
また、多少、作業が大変でも、その分収穫したときは嬉しいものです。
わたしが昨年の夏に種をまいて冬前に収穫した大根は、成功例です。
これまでで一番、立派に育ってくれました。
こういう喜びがあると、また頑張って続けようかなと思えます。
小豆は古くから日本で栽培されています。
小豆を育てれば、あんこを手作りすることができます。
また、赤飯やおしるこなどにしてもいいですね。
養分や水分が多い土地は好まないので、日当たりや水はけが良い場所に種をまきましょう。
夏小豆、秋小豆、中間小豆の3種類があり、今回まいたのは夏小豆ですが、4月上旬から5月下旬くらいがまき時(東北から九州)と言われます(※1)。しかし、時期が早すぎると、大きく成長し実は小さい、という結果になるので、地温が10度以上になるまで待つのがベストです。
畑に直まき。このとき、株と株の間を70㎝あけます。畝の幅は150㎝、2列にするなら100㎝の間隔をあけて、2粒ずつ、点まきしましょう。
大きく育つため株と株の間隔を広くとる作物に向いた種まき方法。
畝の草をざっと刈ったら、直径15~30㎝程度の円の形になるよう草をかき分けます。
それから表面の土を少し削って、指でまき穴を作るなどし、種を置いて土をかけます。
仕上げに、かき分けた草や刈った草を上からかけます。
開花後につるが下の方向に伸び、土の中でさやができることから「落花生」と呼ばれており、原産地はブラジルです。
落花生はおつまみからおやつまで幅広く楽しめますね。
ゆでて食べるのもおいしいと聞くので、収穫が楽しみです。
日当たりの良い場所。
発芽する地温は20度前後で、寒冷地や暖地以外なら、4月下旬から6月初旬までがまき時です。15~25度の気温になるとよく育ちます。
株と株の間は30㎝ほど間隔を開けます。粘土質ではない、火山灰土や砂質土が良いとされています。種を頂いた方に、結構大きくなると伺っていたので、間隔は広めに取るよう意識しました。
和え物やサラダにも使える野菜で、とろろそばのトッピングにも使われています。
ネバネバの食感で、食欲が落ちる夏でも食べやすいですね。
オクラは花も可愛く、夏は黄色の花が秋も深まるとピンク色に変わるのも見どころです。
日当たり、水はけがよいところを好みます。
小豆とは違い、肥沃な土地が適しており、梅雨時に雨が少なくても丈夫に育ちます。
移植しない方が良いので、畑に直まきします。
幅90㎝の畝に、30~40㎝の間隔をあけて、点まき。
ちなみに、農家の方に聞いた話では、オクラの種は表面が硬いので、一晩水に漬け、下処理をしておきます。
一晩水につけた種は、少し膨らみ下に沈んでいました。
これで芽が出やすくなるといいなと思います。
さっと炒めたり、肉料理や魚料理の付け合わせに使ったりすることもできますよね。
辛みはほとんどないので、お子さんでも食べられるかもしれません。
日当たりの良い、保湿性がある土地。
万願寺とうがらしは、京都産で大正時代に伏見とうがらしとカリフォルニアワンダーを交配し作られました。
4月中旬~5月初旬で、気温が上がってから。畑に直に、50~60㎝の間隔をあけて、点まきします。2列にするなら、100㎝は離し、15㎝ほどの穴に、5、6粒ずつまきましょう。
赤紫や白の、ころんとした姿が可愛いセンニチコウは、葉が変形した苞(ほう)を鑑賞する植物です。暑さに強く長い間咲くので、お仏壇の切り花などにも重宝します。
またドライフラワーに適しており、色もちが良く、千日でも色あせそうにないことからこの名前が付けられました。
種まきは5月頃が良いです。今回は、畑の横に、種をまいてみました。
いずれ、花壇も作りたいです。
種をまき終えた畑です。
土の乾燥を防ぐために、刈り取った草を、上から薄くかけています。
今回は、畝を整えるために、根から抜きましたが、普段の整備は草刈りのみでOK。
オクラは肥沃な土地が好みなので、大きな大根を収穫できた方の畝に、また万願寺とうがらしを奥手の保湿性がある方へするなど、自分の畑に合わせて配置を考えました。
小豆をまいた畝は比較的作物が育ちにくいので、やせた土地向きの小豆が育ってくれたらいいなと思います。
わたしの畑は、畝のたての長さは2mもなく、幅も広くありません。
そこで、書籍の内容はあくまで参考にして、間隔はなるべく広めに、といった具合で種まきしています。書籍に情報がないものに関しては、公的なサイト等の情報を参考にしました。
今回は、ここまでです。
成長や収穫のレポートもお届けしますので、お楽しみに!
※1『はじめての自然農で野菜づくり』には、夏小豆は、平均地温が10度以上になったらとあります。地温の確認には、温度計もしくは曲管地中温度計を使用しますが、わたしは持っていないため、今回は、公益財団法人 日本豆類協会のHPよりあずきの栽培方法のページに書かれた情報を参考にしました。
※2 落花生は『はじめての自然農で野菜づくり』に載っていないため、今回は、サカタのタネのHP『園芸通信』の情報を参考にさせていただきました。
※3『はじめての自然農で野菜づくり』では、ししとうがらしが紹介されていますが、その中で、万願寺とうがらしはししとうがらしの仲間と書かれていますのでそれを参考にしまました。
※4NHK出版みんなの趣味の園芸HPの情報を参考にしました。
幼い頃から書くことや本が好きで、関西の編集プロダクションに勤務し、情報誌の編集に携わる。その後、創作活動を続けながら、介護福祉士を取得し、障害福祉の分野で約10年働く。現在はWEBライターとして、これまでの経験を活かし、福祉関連の記事や趣味である家庭菜園や手作り、飲食店の取材記事、You Tube動画の台本執筆などを執筆中。