「最近、立ち上がりにくくなってきた」
「痛みはないけど、足に違和感がある・・・」
このような悩みを抱えてはいませんか?
もしかすると、その痛みの原因は「変形性股関節症」かもしれません。
変形性股関節症は女性に多い病気の一つです。
足の悩みを抱えている方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。
変形性股関節症とは、関節軟骨の摩耗により関節破壊を起こす病気です。
変形性股関節症の患者は、全国に400~500万人いると言われ、特に40~50歳代の女性に多く発症します。
変形性股関節症の症状には、以下のものが挙げられます。
変形性股関節症は、痛みがお尻や膝に出る場合もあるため、股関節の病気だと気づかず過ごされる方も多くいます。
そのため、受診時には病気が進行している場合が多いようです。
足の爪が切りにくかったり、あぐらがかきにくくなったり等、今までしていた動作が難しくなってくるのも病気のサインですので注意してください。
変形性股関節症の痛みは、大腿骨と臼蓋の軟骨がすり減り、炎症が生じたり、骨が変形したりすることで起こります。
すり減りや変形の原因が明らかで無いものを「一次性股関節症」と、何らかの原因によって続発するものを「二次性股関節症」と分類します。
二次性股関節症の原因は、乳幼児期の股関節の発育不全や、臼蓋形成不全、骨折などです。
日本では変形性股関節症全体の80%の方が、二次性股関節症と言われています。
私の母は長年、股関節の痛みに悩まされていました。
現在60歳ですが、痛みが出だしたのは4~5年前からだったと思います。
初めの症状は、歩いている際に股関節に違和感がある程度でした。
しかし年々痛みは酷くなり、歩く際には足を引きずるような姿になっていました。
病院にも通いましたが、仕事も忙しく定期的に通うことは難しかったようです。
それでもなんとか痛み止めを服用しながら、日常生活を送ることはできていました。
歩くこともできていましたが、足への負担を減らすため杖を購入したのが1年前です。
まだ年齢も若く介護用の杖では抵抗があったので、ネットで可愛いデザインの杖を探して購入しました。
今までは事務員の仕事をしていたので、比較的歩くこともなく生活できていました。
しかし諸事情で転職することになり、薬を配達する仕事に就くことになったため、足の負担が増えてしまいました。
転職により足の痛みも酷くなり、思い切って私の家の近所にある整形で有名なクリニックを受診しました。
そこで初めてレントゲンを撮り「変形性股関節症」の診断を受けましたが、この頃はまだ手術を勧められることはなく「痛み止めで様子をみましょう」という状態でした。
それからは、母の家の側にあるクリニックでお世話になっていました。
あまりに痛みが続くようなら手術も勧められましたが、祖父母の介護や仕事の兼ね合いもあり、なかなか決心がつかないようでした。
そんな時、知人の元奥様も同じ症状があり「人工関節置換術」を受けられていました。
そして偶然にも、アパートの同じ階の方も同じ手術をつい最近受けたとのことです。
手術に決心がつかなかった母ですが、実際に手術を受けた方の体験談を聞くことができ「この痛みが無くなるならば」と、やっと手術の決心がついたようです。
その後は手術ができる大きな病院をいくつか紹介していただき、リハビリに定評のある病院を選びました。
受診後すぐに入院できるのかと思いましたが、担当の先生の手術日程が空いていなかったため、手術は2ヶ月後に予定されました。
手術前日に入院し、手術当日は麻酔の時間も入れて2時間の予定でした。
母は1時間30分で無事に手術を終えることができました。
入院予定は3週間で、リハビリは手術翌日から開始しました。
病院によって、入院期間やリハビリの進み具合は異なります。
最近では多くの病院が早期離床・早期退院を推奨しています。
母の入院した病院は比較的早い方だったかもしれませんが、車の運転は術後3ヶ月を推奨されているようで、退院した現在も運転許可はでていません。
母の場合、術後にヘルニアが見つかってしまいました。
今までは股関節の痛みがあったので、全て股関節からきている痛みだと思っていたようです。
幸いヘルニアは服薬治療で痛みは治まっています。
術後は今まで感じていた股関節の痛みが嘘のようになくなりました。
今まで股関節をかばって歩いていたため、歩き癖や筋力低下が見られ、歩く姿勢を改善しなければなりません。
特に臀部の筋力低下が著明で、お尻上げでは全くお尻が上がっていませんでした。
今ではリハビリの成果が出て、お尻も上げもできるようになりました。
そして、手術した側の足で片足立ちをすることも可能になっています。
退院後はしばらく杖を使うようにしていましたが、今では「杖を持って歩くのが煩わしい」とまで言えるようになりました。
手術になかなか決心がつきませんでしたが、手術した後は今まで以上に元気に明るくなっています。
人工関節置換術を行うと、人工関節の脱臼のリスクに注意しなければなりません。
しかし術後には車の運転も可能ですし、お風呂にも入ることができます。
脱臼肢位に注意すれば日常生活は問題なく送ることができ、長年悩まされている痛みからも解放されます。
母も術後の日常生活は問題なく送り、これから仕事も再開する予定です。
同じような症状でお困りの方は、まずは近くのクリニックへ相談してみてください。
早期に受診できれば、手術の必要なく日常生活動作の改善で痛みを和らげることができるかもしれません。
本業では約10年間、病院での理学療法士業務を経験し、現在はデイサービスで機能訓練指導員として働いています。 プライベートでは、小学2年生と3歳の兄弟の子育てに日々奮闘しながら、ライターとしても活躍中です。