少し前までは春先になったら、春を感じさせる山菜や苺(今はクリスマスの頃を目指して栽培されているものが多いようです)を楽しみにしたものですが、夏のキュウリやナスなどの野菜も年中出回っています。現代の子供たちは旬とか、はしり(季節の初めの出初のものをいいます)とか言っても理解できないでしょう。また、流通が発達して何処でもいろいろなものが新鮮なうちに食べられます。私が子どもの頃、祖父母が青森に旅行に行ってりんごを送ってくれました。木のりんご箱に入ったりんごが硬くてとても美味しくて驚きました。普段口にするりんごは軟らかいものしかありませんでした。でもいつでも、どこでも同じようなものしか食べられないのも逆にがっかりしませんか?今回は少しでも季節を感じられる献立で、簡単に作れるものを考えました。
(材料は特記がない限り2人分です)
(使用しているめんつゆは2倍濃縮のものです)
前回:元気で長生きの秘訣は毎日の食事です。何をどのように食べればよいのか簡単調理を実践してみませんか?
テレビのコマーシャルでよく見たことがあります。簡単に言うとキャベツと豚肉の炒めものです。
中華鍋がなかったり、火がそんなに強くないと歯応えを残してシャキッと仕上げるのが難しいので、キャベツは「大きいかな?」と思うくらい大きめに切るのと、調味料を加えたら手早く仕上げるのがコツです。
『キャベジン』はキャベツから発見されました。ビタミン様物質ビタミンUは胃炎や胃潰瘍に良いとされています。
ふるさと納税で頂いた冷凍のかつおのたたきが少し日が経ったので、炒めてみました。買ったかつおが生臭いと思った時にお勧めします。
かつおは旬が春と秋の2回あります。もう少ししたらおいしい初がつおのシーズンです。春のかつおは秋に比べて脂肪が少なくさっぱりとした味です。魚介類は良質なたんぱく質源です。子供の頃に魚を食べることが少ないと魚嫌いになってしまいます。肉類より多少手間はかかりますが、是非いろいろな魚にチャレンジしてみてください。
あおさは乾燥させたものを売っているのは見ますが、生のものを見たのは子供の頃、海岸に近い岩にくっついているのを採って以来です。思わず買ってみました。海の匂いがして、とても懐かしい気がしました。
藻類は低カロリーであり、一方カルシウムやカリウム、ヨウ素、鉄分などのミネラルやビタミン類を豊富に含んでいます。海藻のぬるぬる成分は『アルギン酸』や『フコイダン』でアルギン酸は水溶性食物繊維でコレステロールを排出したり、食物の消化吸収を後らしたりします。フコイダンは殺菌作用があり、胃潰瘍の原因ともいわれるピロリ菌が胃壁にくっつくのを防ぐという研究もあります。もっと海藻を食べましょう。
ドライカレーは日本独特の料理名のようで、インドではひき肉を使ったカレーはキーマカレーと呼ぶそうです。水分があるものもないものもキーマカレーと呼ぶので、これは水気がないカレーなのでドライカレーにします。
ご飯ものを食べる時は、いつもよりご飯の量が多くなりがちです。食べる速度も速くなってしまい、満腹感を感じる間もなく次々とお腹に収めてしまうことになります。普段からご飯の量を決めて食べたり、副菜を用意しておくことも大事です。ドライカレーは多めに作って冷凍しておくと便利です。
ドライカレーを作っている合間に、電子レンジで簡単に副菜を作ってしまいましょう。
ポン酢しょうゆはしょう油の半分の塩分があります。少ないかなと思うくらい控えめにかけましょう。すりごまなどを振って食べてもおいしいです。ツナ缶の油はエネルギー量が気になる場合は捨てても良いですが、DHAやAPEの多価不飽和脂肪酸が含まれていますので、丸ごといただきましょう。
食塩の摂取量を考えると、敢えてスープを足さなくてもヨーグルトの飲み物を足すくらいの方が良い気もしますが、簡単スープの作り方をお伝えします。レタスもサラダばかりでなく、チャーハンに混ぜたり、スープにしたりしてしなびる前に使い切ってください。
レタスは火を通して調理する場合は、しゃっきり感が残る程度に火を通した方がおいしいです。玉のレタスは『レタス1個分のビタミンⅭ』などとコマーシャルに使われたこともありますが、淡色野菜でそれほどビタミンも多くなくて95%が水分ですが、比較的葉酸が多く、食物繊維がお腹の調子を整えるのに役立ちます。
因島で偶発的にうまれた大ぶりな柑橘で、文旦の仲間で皮がとても厚い果物です。中の実は甘くて爽やかです。旬は3月~4月頃です。
豆腐を食べない人にも、肉が苦手な人にも、又高齢者や小さな人たちにも味付け次第で万人向きの料理です。豆腐とひき肉が少量あればできます。
豆腐の水きりは、火を通し過ぎるとハンバーグがまとまらなくなります。ひき肉の代わりにツナ缶や、鮭のほぐし身、むきエビ等でもハンバーグ状にまとめればハンバーグです。大根おろしとポン酢などで爽やかに食べるのもおいしいです。もっとお豆腐料理に挑戦してみましょう。
フキは日本原産の植物です。地下茎で繁殖し昔はどこの山谷にもみられたものです。独特の苦みがあるため、板ずりにして茹でて使います。葉もゆでて、水にさらしてから佃煮などにして食べられます。ふきは本州の岩手から沖縄まで広く分布するようです。4月~6月までが旬で、昔はいりこや油揚げと一緒に煮たり、毎日のように何かしら食卓に並んでいました。油を加えるとコクが出て子供でも食べやすくなります。お店では葉っぱも取られて切りそろえられたふきが、割合高い値段で売られていて驚きました。
春には魚売り場に湯通しした生ワカメが売られています。魚と比べると安いのでつい買ってしまいます。
和え物は早くから和えておくと、材料の水分と一緒に味が抜けてしまって薄い気がして、つい調味料を足したくなります。食べる直前に合えるようにしましょう。
今年は天候のせいで海水温が上がっており、ぶりが豊漁のようです。いつもより3割ぐらいは安いです。魚売り場でもよく見かけます。焼くのは大変でも、フライパンで照り煮にすると後片付けも楽です。
鍋での照り焼きは、弱火だと照りが出ませんがスプーンで回しかけながら強火で焦げ付かないうちに全体にたれを回しかけないとおいしい色に仕上がりません。めんつゆだけだと色が薄いので濃い口しょうゆを少し足しました。また、よく言われることですが魚料理はあまり触りすぎても身が崩れてしまいます。
実家の裏山にたけのこがたくさん生えていました。4月になったら生えてこないか楽しみに覗いたものです。今年はいつもより高値だと思いました。ぬかまで買うことになり、時代が変わったな・・・と感じました。
一般に良く食べられるたけのこは孟宗竹の幼茎です。掘りたてはアクも少なくそのまま調理できるものもありますが、店頭に並ぶものはあく抜きが必要です。たけのこは穂先を斜めに切って皮をつけたまま、ぬかを入れたたっぷりの水で1時間茹でてそのまま冷まします。保存する場合は水を変えて冷蔵庫で保存します。
切り干し大根は生の大根にはない甘味と独特の食感があります。あまり洗いすぎたり、戻し過ぎたりしないようにしましょう。
(半分食べたら後は冷蔵庫に保存、2回分です)
この切り干し大根は、唐辛子を加えたり、ごま油を加えたりいろいろアレンジができます。ひと袋戻して味を変えて楽しんでみてはどうでしょう。
アスパラのベーコン巻きはおなじみかもしれませんが、かなり塩分が多くなるので、ちょっと長い肉巻きを作ってみました。
今回は豚ロースの薄切り肉を使いましたが、脂肪を気にしなければ、バラ肉の方が旨味があります。また、主食をパンにしてみましたが、ご飯を食べたい時は味付けはめんつゆにみりんを加えた方が良いかもしれません。
アスパラガスの旬は5月~7月です。アミノ酸の一種であるアスパラギンは加水分解してアスパラギン酸となり、体内の老廃物の処理や、肝機能の促進、疲労回復等に役立ちます。
マヨネーズは塩分が少ないので、辛子を加えてアクセントのある和え物になります。
絹さややスナップえんどうはしゃきっとした歯応えが魅力なので、長く茹ですぎないでください。和える調味料はノンオイルドレッシングは大さじ1で食塩1.1g、フレンチドレッシング大さじ1で食塩0.5g、マヨネーズ大さじ1で食塩0.2~0.3gです。エネルギー量を考える時、食塩量を気にする時、場合に応じて選んでみてください。
電子レンジとミキサーで簡単にポタージュスープを作りましょう。暑くなると冷たいスープもおいしいですよ。
かぼちゃはプラスチックのように皮が硬いものがあります。昔病院給食で大量のかぼちゃの調理をする時、大釜で軽く火を通してから、切りそろえてもらったことがあります。じゃがいもやかぼちゃなど、電子レンジで時短になるものはどんどん電子レンジを使ったほうが良いと思います。簡単でもとてもおいしいスープです。
炊飯器でたけのこ入りの炊きおこわを作ってみました。もち米は冷めてもおいしく食べられます。
(2カップが作りやすいので2人分より多いです)
炊飯器で炊くおこわは水分量を減らします。基本の量はもち米3カップに水2カップです。同量の水で炊くとねちゃっとしたご飯になってしまいます。干しエビやホタテ貝を入れて、本格的な中華おこわにするのも良いですね。具材の煮汁分を炊飯の水から引くのを忘れないでください。
豆あじは大きいものと比べて、かなり安く購入できます。三杯酢に漬けると日持ちもしますので少し多めに作り置きするのも良いですね。
(分量は作り置きを想定します)
酢は爽やかで、これからむしむししてくる季節には食欲が増します。酢は日持ちがよくなる防腐効果のほか小魚などの骨を軟らかくする効果もあります。生臭さもなくなるのでさっぱり食べることができます。
野菜は栽培するとき、種をまいて芽が出てくるとぎゅうぎゅうになるので、間隔をあけて大きく育てるために何度か芽を摘んで間引きます。小さなものから、少し大根が育ってきたものまでいろいろあります。
あえ衣を作るときにすりごまを使いますが、いりごまをちょっと電子レンジにかけてからすり鉢で擦ると、とても香りの良いあえ衣ができます。少し大きめの器の内側がすり鉢状になったものがあります。その中で和え物を作ってしまうのに便利です。すりこ木も安く売っています。
はるかはまだ新しい果物で、日向夏の自然交配からうまれた柑橘のようですが、実が軟らかくてジューシーなので皮をむいて食べられないので、包丁でむいて、実をそぐようにして食べます。甘くてとても爽やかです。
今月は調理の基本をあれこれ書いてみようと思っていましたが、春の使いたい食材がいろいろ気になって基本を書くことまでできませんでした。ダイエットをするにしても驚くほど糖質を減らして減量を成功させた人がいらっしゃいます。エネルギー量が足りないと人体を構成する体たんぱく質や体脂肪が分解されて、エネルギー源として使われるようになります。体たんぱく質の大量の分解は、筋肉が落ちたり、体脂肪の分解で血中にケトン体が増加したりします。おいしいものを食べるというだけでなく、やはり『自分の体は自分が食べたものでしか養えない』という事を頭に置いて、来月は楽して身体に良い食事を作る方法を考えてみます。