腰痛といえば男性に多いイメージがあるかもしれませんが、実は2:3で女性の方が腰痛の発生率が高くなっています。
しかも女性の場合、40歳以下と70歳以上の発生率が多いようです。
この記事では、なぜ40歳以下の女性に腰痛が発生しやすいのか、その原因と対策を紹介していきます。
まず、腰痛は大きく「手術が必要で原因を特定できる腰痛」と「手術が不要で原因を特定しづらい腰痛」に分けられます。
原因を特定できる腰痛とは「腰椎圧迫骨折」「脊柱管狭窄症」「腰椎椎間板ヘルニア」「坐骨神経痛」です。
原因を特定しづらい腰痛には「筋性腰痛」「椎間板性腰痛」「椎間関節性腰痛」「仙腸関節性腰痛」などがあり、腰痛の全体の85%がこれに当たります。
原因を特定しづらい腰痛の特徴について、詳しく説明していきます。
筋性腰痛とは、いわば筋肉痛です。
その名の通り筋肉の使いすぎが原因です。
重たい荷物を運ぶ運送業の方や、同じ姿勢で居続けるデスクワークの方などに多く見られます。
痛みのある場所はピンポイントで特定できるため、その部分をほぐすことで改善します。
椎間板性腰痛では、物を拾う際に前屈みになると痛みが生じます。
デスクワークが多い方や、猫背の方など、背筋が弱い人に生じやすいのが特徴です。
椎間板性腰痛は、腰をマッサージしても改善しません。
椎間関節性腰痛は、背中を仰け反った時に椎間関節がぶつかることで痛みが生じます。
腹筋が弱い方は、反り腰になりやすいため注意してください。
男性より女性に発症しやすく、マッサージをしても改善しないのが特徴です。
仙町関節性腰痛は、腰ではなくお尻の近くにある仙骨の付け根の部分に痛みが生じます。
これは、圧倒的に産後の女性に多い腰痛です。
妊娠中に緩んだ仙腸関節の靱帯が、産後に正常に戻らない場合に起きやすくなります。
男性と女性では、骨格・筋肉量・生活習慣などに違いがあるため、腰痛の原因が異なります。
ここでは、女性の腰痛の原因を詳しく紹介していきます。
30代以降の女性は筋肉が低下してくるため、注意が必要です。
筋肉量が低下すると、背骨や骨盤を支える力も弱まり、歪みが生じて腰痛を引き起こします。
また、女性は妊娠・出産を経験するため、急激な体型の変化や産後の骨盤の歪みが生じやすいことも腰痛の原因の一つです。
もし、妊娠中に腰痛に悩まされている場合は、専門医に相談してみてください。
女性は生理により、ホルモンバランスが崩れやすくなります。
ホルモンバランスが崩れると、肩こりや頭痛、腰痛を引き起こします。
生理だけではなく、ストレスでもホルモンバランスは崩れやすいので注意してください。
下腹部周りや腰回りを温めたり、ゆっくり入浴し全身の血行を良くしたりすることで改善します。
女性の場合、子宮内膜症などの婦人科系の病気が原因で腰痛が生じている可能性もあります。
不調を感じた場合は、すぐに病院受診をしてください。
女性の体は、年齢と共にさまざまな変化が起きています。
20~30代では、デスクワークや運動不足が腰痛の主な原因です。
特に多くの30代の女性は、妊娠・出産・育児と体にかかる負担が大きくなりやすい時期といえます。
そして、40代になると女性ホルモンの急激な低下の影響を受けやすくなります。
更年期の症状の一つに、腰痛もあげられます。
40代から増加しやすい、乳がんや子宮ガンの症状の一つとして腰痛が現われる場合もあります。
30代、40代は筋力低下もみられるため、家事や育児、仕事の負担が腰痛として出現します。
これらが30代、40代に腰痛が多くなる原因です。
ここでは、腰痛におすすめのストレッチを2種類紹介します。
ここでは、腰痛のタイプ別におすすめの筋トレを紹介します。
前屈すると痛みが出るタイプは、上記で紹介した「椎間板性腰痛」。
仰け反ると痛みが出るタイプは「椎間関節性腰痛」の方が対象になります。
どちらも腰に痛みが出ない範囲で行ってください。
女性の体は、年齢と共にさまざまな変化が起きています。
日頃から自分の体と向き合って、不調を感じたらすぐにストレッチをしたり、体を温めてリラックスしたりするようにしましょう。
なかなか改善しない腰痛には、婦人科系の病気が隠れている場合もあります。
自己判断はせず、おかしいと感じたら病院受診も検討してみてください。
本業では約10年間、病院での理学療法士業務を経験し、現在はデイサービスで機能訓練指導員として働いています。 プライベートでは、小学2年生と3歳の兄弟の子育てに日々奮闘しながら、ライターとしても活躍中です。