連日の灼熱地獄に、よく体がもつものだと思います。ただでさえ消耗が激しい時に、食欲が無いからと水分ばかりでは体が悲鳴を上げます。私たちの体は、私たちそれぞれが食べたものでできています。私たちの皮膚も、髪の毛も日々入れ替わっています。夏の間に栄養不足になると、日々はもちろんのこと、秋になってからの体の維持にも障害が出てきます。
前回同様に簡単に、できるだけ火を使わないで、電子レンジを活用したレシピを考えてみました。
薄切り肉ならサッと沸騰した湯をくぐらせれば、火が通ります。主菜を時短で済ませる分、なすは煮物にしてみました。
しゃぶしゃぶ用の豚肉も売っていますが、あまり脂肪が多くなければももの薄切り肉でも大丈夫です。たれも作ろうと思うと面倒ですが、市販のたれをかけて食べることにすれば簡単です。また、付け合わせの野菜はレタスやキャベツ、茹でたもやしなど何でも良いです。
なすは外皮のつやが良くヘタのとげがチクチク痛いぐらいのものを選びたいのですが、今年は暑さのせいかつやがなく、肉質も締まっていない気がします。
なすはインド原産で、ほとんどビタミンやミネラルはなく水分だけです。昔ほどアクは強くないので下茹でをしなくても大丈夫です。油との相性が良いので、煮物を敬遠する子供用には油あげや厚揚げと一緒に一口に切り、ごま油などで炒めてエスニック風なレシピにすれば子供にも好評でしょう。
しらすとちりめんじゃこの違いはどちらもかたくちいわしやまいわしの稚魚ですが、しらすはさっと塩水で茹でただけのもので、微乾燥品なのに対して、ちりめんじゃこはよく乾燥させたものです。
ぽん酢しょう油やゆずぽん酢などはあまり塩分が多くないような印象がありますが、しょう油の1/2の塩分、大さじ1で1.4gあります。くれぐれも使いすぎに注意しましょう。お酢だけでもおいしいです。
からすがれいは深い海の底に住む大型の白身魚で、軟らかくくせのない魚です。病院給食では易消化食や高齢者に使用することの多い魚でした。価格が高くなっているのに驚きました。
魚の調理は臭くなるから、したくないとか、後始末が面倒だと言われますが魚焼きグリルに任せておけば失敗なく焼けます。またアルミホイルでくるんでオーブントースターで焼いたり、ラップをして電子レンジで調理もできます。いつでも作れるおはこ(十八番)を作っておきませんか?
冬瓜(とうがん)は皮が硬くて冬まで保存できるという事で、この名前になったようですが、実際は冬に売られていることはありません。今回も売っている店がなくて探しました。
(冬瓜の売っている量が大きいので2人分より多い量です。)
冬瓜の主な栄養分はカリウムとビタミンⅭです。大きな塊で買ったら、下茹でをして密閉して冷凍保存しても大丈夫です。冬瓜を主体にしてあんかけや翡翠煮などの料理の場合は、緑の色を活かすためにピーラーで薄く皮をむく方法もあります。皮が硬いので指を切らないように注意してください。
にらは精力がつく野菜と言われて、古くから利用されてきました。暑さに負けない、体に良さそうなものを食べてみませんか?
分葱やにらなどの細長い野菜は長さを同じにするために、いちいち並べ直して切るわけにはいかないので、初めから根元を結んで茹でると長さをそろえることができます。
麻婆とは顔にあばたのあるおかみさんと言う意味らしく、麻婆豆腐はこのおかみさんが作った豆腐料理という事らしい。麻婆なすは豆腐をなすに変えた料理で、中国にあるのかどうかは知りません。
麻婆豆腐はもともと花椒の入ったピリッと辛い料理です。辛いのがお好きな人は辛くしても良いと思いますが、暑さで弱った胃にあまり刺激を与えないほうが良いでしょう。辛い刺激は食道や胃壁を傷つけることになりますのでほどほどに。
昔神戸に出かけた時、トマトのおでんがある店を知りました。ネットもない時代ですから、調べて食べに行ったことがあります。その時は、あまりそのおいしさが分かりませんでした。
トマトは皮の厚さも色々ですが、あまり長く湯につけると表面の実がズルズルしてくるので、10秒位にしましょう。トマトのタネの周りのズルズルが気持ち悪いという人もいますが、抗酸化作用のあるリコピンをはじめ、皮膚や粘膜、髪の毛の健康維持に必要なビタミンAやむくみ予防効果のあるカリウムを含んでいます。
夏の大根は煮物にはあまり向きません。生食がおいしい大根を、少し残ってしまったキムチに入れてみました。キムチの最後の方は味が濃くて食べにくいので、是非試してください。
キムチは買ってきても最後の方で味が濃くなって、食べにくい感じがしたことはありませんか?大根のパリパリ感も残って、キムチが二度おいしいという感じです。
魚は高いし、料理も面倒だしと言う人は缶詰を食べることから始めてみてください。骨の心配はないし、後始末は缶だけだし思ったよりずっと美味しいと思います。
鯖は缶詰なので、生焼けの心配もありません。表面がカリッと焼ければ出来上がりです。魚嫌いの子供さんにも、初めの1歩として使いやすい食材だと思います。
最近は1年中出回るきゅうりですが、やはり夏のきゅうりが一番おいしいです。いろいろに調理して食べましょう。
きゅうりの和え物は、やはり夏が一番おいしいと思います。叩くと味が染みやすくなりますが、叩くのが難しいと思う方はフォークの先できゅうりの表面に筋を入れると、同様に味が染みやすくなります。
卵は保存できるうえ、1個で約80㌔カロリー、たんぱく質量は6g程度。高くなったと言っても完全栄養食品ですから安価です。もっとどんどん利用してみませんか?
中華スープの素は塩分が1人分で1.6gくらいあります。薄味にしても、沢山摂取したのでは同じことです。厚労省は健康な人でも1日の塩分摂取量を男性7.5g、女性6.5gを推奨しています。何でもかんでも汁物をつけ足さないようにしましょう。
そうめんは子供の頃、夏になるといつも食べていたような気がします。最近では1パック買っても夏の終わりには、何に使おうかと思うほどです。
韓国の家庭料理で、ハムフン麵といわれるこしのある中華麺位の太さの麵を使った辛くて冷たいビビン麺と言うのがあります。そのアレンジなので、載せる具は野菜や肉などを炒めて、辛めのたれをかければよいと思います。食欲のない時に試してみてください。
カットしてあるかぼちゃを買うとき、果肉の色が濃くて、種がふっくらしてしっかりしたものの方がおいしいです。
(2人分より多めです)
かぼちゃはビタミンA(肌や髪の毛、粘膜の健康維持、免疫力アップに効果あり)、カリウム、食物繊維が豊富です。一度に煮たくない場合は、角切りのものを密封して冷凍すれば凍ったまま調理ができます。
昔は夏にアイスクリームを買って食べることも、めったにありませんでした。棒寒天を溶かして、中に缶詰のミカンや桃を入れた寒天は特別なおやつでした。
寒天はてんぐさという海藻を干して作ります。ところてんと同じ材料です。食物繊維が豊富です。暑い夏でも30度~40度で簡単に固まるので使いやすい材料です。昔は棒状のものを使用していましたが、最近はほとんどみかけません。粉寒天なら少量作るにも便利で、凝固力も強いのでサラダなどを固めても新しいレシピができそうです。
うなぎは滋養強壮の代表的な食べ物のように言われます。年々高価になってきましたので、半分だけ使って、ちょっとご馳走風にしてみました。
(作りやすい分量です)
うなぎはビタミンA(肌や髪の毛、粘膜の健康維持、免疫力アップ)、ビタミンE(抗酸化作用)、ビタミンB1(疲労回復)、またDHAやEPAなど動脈硬化予防にも効果があります。ただ、1切れ30gで90kcal程度の高エネルギー食品です。
お家でてんぷらを揚げたくないという話をよく聞きます。暑いし、油が飛び散って後片付けが大変です。でも家で揚げたてんぷらは、衣も薄く、揚げたてをフウフウしながらつまむのは格別です。
揚げ物の吸油率は、衣の厚さによって異なりますが、衣が多いほど吸油率が高くなります。から揚げは14%、天ぷらは15~25%(かき揚げはさらに衣が多いので高くなります。)、フライはパン粉の種類によって違いますが20%位です。カロリー控えめにしたい場合は衣はなるべく薄くしましょう。
地方によってみそ汁のだしはいろいろ違うでしょうが、私はいりこだしの味噌汁で育ったので、やはり一番ぴったりくる味です。でもテレビのコマーシャルのように、だしの素を使っても十分おいしいです。
味噌汁に入れる豆腐は、1㎝角位に切りますがまな板の上で切ると崩れてしまうので、手の平に載せて切ります。包丁を引くのではなく、軽く押さえるようにして切れば簡単です。また、味噌の分量は、梅干し大が1人分の味噌と覚えてください。
今月のお料理はどうでしょうか? できるだけ電子レンジなどを使ったり、市販の調味料を使って手抜きをしようと思って考えたのですが、作ってみたいレシピがありましたか。「暑いから食欲がない」「夏になってから体重が減った」と言われる声を耳にします。たとえ暑い夏であろうが、寒い冬であろうが、私たちの体は同じように私たちの食べたもので養われるのです。しっかり工夫をして食事を摂ってください。
さて、来月は少しは涼しくなっているでしょうか?願いを込めて秋風が感じられるようなレシピを考えてみたいと思います。もちろん簡単に、手抜きでできる工夫をしながら。