「名もなき家事」という言葉をご存知でしょうか。
「洗濯」という家事には『せんたく』という名前がついています。したがって、妻が「洗濯」をしたと夫に伝わります。しかし、「洗濯」とは「衣類を洗う」だけのことではないのです。
読者の皆様の中にこんな方いませんか?
「わかっていないなあ、この夫」。
「洗濯した後に洗濯物を干して、たたむのってめんどうくさいんだよ」なーんてしたり顔で言っているあなた!
あなたこそ、なーんにもわかっていないんですよ。
洗濯物を干してたたむのは、明らかに「洗濯」の一環です。
大変な作業は隠されていて「名前がついていない」作業なのです。
住宅メーカーのアンケートによると、・・・・・。
大変なのは裏返しに脱いだ衣類・丸まったままの靴下をひっくり返す作業なんだそうです。この作業が、「名もなき家事第1位」なんですよ。
妻の声はこんな感じです。
このような作業を「名もなき家事」と言います。
是非是非、Tシャツを脱ぐ時は裏返しのままにならないようにしましょう。靴下も表を出して洗濯機に入れてください。
以下TOP10の第2位以下の項目だけ挙げてみます。
玄関で脱ぎっぱなしの靴の後片付け・下駄箱へ入れる/靴をそろえる。
食事の献立を考えること
子どもが散らかしたおもちゃなどの片づけ
第2位の「玄関で脱ぎっぱなしの靴の後片付け・下駄箱へ入れる/靴をそろえる」の名前は「靴片づけ作業」と名付けます。
「靴片づけ作業」と名前がつけば、だれがやるかの分担ができます。分担されなくて、妻や母親がやったとしても「靴片づけ作業」をやっていることが明確になります。
明確にしなければ、「名もなき家事」として妻や母親の負担となるだけなのです。明確にすれば、仕事として分担されるなり、費用負担されるなり、最悪でもしてもらっていると感謝ぐらいされる可能性が残ります
以下同様に名前を付けてみましょう。
トイレットペーパーの補充・交換は、「トイレットペーパー交換作業」
服の脱ぎっぱなしを片付ける・クローゼットにかける/脱ぎ捨てた服を回収して洗濯籠へ入れるは、「脱ぎっぱなしの服の片付け作業」
食事の献立を考えることは、「献立作成作業」
飲み終わったコップ、ペットボトル・空き缶を片付ける/洗うは、「空き缶・ペットボトル洗浄片付け作業」
子どもが散らかしたおもちゃなどの片づけは、「おもちゃの片付け作業」
シャンプー・洗剤・ハンドソープなどの補充・詰め替えは、「石鹸補充作業」
資源ごみの分別・仕分けは、「ゴミ分別作業」
お風呂や洗面台の排水溝に詰まった髪の毛を取り除く/お風呂の排水溝の掃除・網変えは、「お風呂排水溝掃除網変え作業」
ざっとトップ10を見渡すと、第5位の「献立作成作業」を夫と妻で分担してみてはいかがでしょうか。毎日の食べることですし、食事を作れとは言っていません。ただ献立を立てる作業の分担をしてみてはどうかという提案です。これなら夫もやってみようとするかもしれません。例えば、月曜日、火曜日、水曜日、木曜日は妻が献立作成作業をして、金曜日、土曜日、日曜日は、夫が行います。もちろん、家族に聞いてもかまいません。作るのは妻で構いません。まずはやってみることが重要です。
となったとき、夫は今までの自分を顧みることになります。「なんでもいいよ」というのが一番困るということが痛いほど身に染みることになるでしょう。
「名もなき家事」問題の最重要課題は、「名もなき家事」は名前がないゆえに価値化されないということです。もっとわかりやすく言えば「ただ働き」になってしまうということなのです。「名のある家事」でも「ただ働き」ですが、「名もなき家事」と「名のある家事」では同じ「ただ働き」でも本質的に別物です。「名のある家事」はその家事に対して夫や子供に費用は掛からないにしても感情的には「妻にしてもらっている」という感情を与えることができます。
こんな例がありました。
夫は、妻に主婦をしてほしいという条件で結婚しました。お金の管理は夫です。子どもが中学生になり塾の費用、日々のお小遣い、冠婚葬祭、家電の修理代など、いろいろと計画的ならない出費が重なります。これも「名前のない家事」にかかる費用です。
月末になるとお金が不足して妻は夫に「15万円では足りないんだけど」と言ってお金の増分を願い出ていました。
言うたびに夫から帰ってくる言葉は「毎月、駐車料金、食費、光熱費など合計15万円渡しているだろう。住宅ローンは俺が払っているんだぞ」でした。そして怒ったような嫌な顔と高圧的な物言い。
妻は、夫に「15万円では足りないんだけど」と言いたくなくなりました。
パートを初めて自分でお金の不足分を捻出しました。
パートしている妻に夫は言い放ちました。
「毎月、駐車料金、食費、光熱費など合計15万円渡しているだろう。住宅ローンは俺が払っているんだぞ。俺は掛かる費用をきちんと計算してお前に渡しているんだ。何でパートに出る必要がるんだ」
妻の心に怒りが沸き起こりました。
昭和の話ではないですよ。
令和3年のお話です。
私が大学を卒業してすぐに教師となって教壇に立ってから30年が過ぎ、発達障害や特別支援教育について講演をするようになって、10年以上が経ちました。特別支援教育とは、従来知的な遅れや目が不自由な子供たちなどを対象にしてきた障害児教育に加えて、「知的発達に遅れがないものの、学習や行動、社会生活面で困難を抱えている児童生徒」にもきちんと対応していこうと言う教育です。
これは、従来の障害児教育で論議されていた内容をはるかに超えて、発達障害児はもとより発達障害と診断されなくても認知機能に凹凸のある子供の教育についても対象としており、さらに子供だけでなく我々大人も含めたコミュニケーションや感情のコントロールといった、人間が社会で生きていくうえにおいてもっとも重要であり、基礎的な内容を徹底して論議しているからであるととらえています。
そのためには、児童生徒一人ひとりの教育的ニーズを把握して適切な教育的支援を行う必要があります。ここで、単に教育とせず、教育的支援としているのは、障害のある児童生徒については、教育機関が教育を行う際に、教育機関のみならず、福祉、医療、労働などのさまざまな関係機関との連携・協力が必要だからです。また、私への依頼例からもわかるように、現在、小・中学校さらに高等学校において通常の学級に在籍するLD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)、知的に遅れのない自閉症(高機能自閉症・アスペルガー障害)などの児童生徒に対する指導及び支援は、喫緊の課題となっており、これら児童生徒への支援の方法や指導原理や全ての幼児・児童生徒への指導は、私達大人を含めて全ての人間が学び、関わり合うための基礎といえるコミュニケーション力を考える上で必須の知識であることを色々な場で訴えています。
今までたくさんの子供たちや親、そして同僚の先生方と貴重な出会いをしてきました。また、指導主事として教育行政の立場からもたくさんの校長先生方と学校経営の話をしたり、一般市民の方からのクレームにも対応したりと、色々な視点で学校や社会を見つめてきたつもりです。ここ数年は毎年200回近くの公演を行い、発達障害や特別支援教育について沢山の方々にお話をしてきました。そして、満を持して2014年3月に広島市立特別支援学校を退任し、2014年4月に竹内発達支援コーポレーションを設立致しました。
今後は、講演、教育相談、発達障害者の就労支援、学校・施設・企業へのコンサルテーション、帰国子女支援、発達障害のセミナーなどを行っていく所存です。
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