患者様から良く「インプラントは虫歯にならないから一生保つよね?」と聞かれます。
確かに、インプラントは人工物なので虫歯で穴が空く、なんて事はありえません。
しかし、歯周病にはなります。
歯の周りに汚れが溜まると支えている骨が溶けてグラついてくるのと同じようにインプラントも骨が溶けると抜け落ちます。
インプラント周辺の組織が歯周病に感染した状態を「インプラント周囲炎」と言います。
そして進行具合で大きく2ステージに分ける事ができます。
ステージに応じて対応は全く異なります。
インプラント周囲炎の原因は歯の歯周病と同じ物とインプラントならではの物と2種類あります。
角化歯肉は歯周病に抵抗できる組織であり以前のコラム(インプラントを守るための分厚い歯肉)で述べたように歯周病のオペで作ることはできます。
埋入後インプラントの周囲の骨は1.5mm吸収するため、深く埋入しすぎると垂直的に骨が吸収する。また隣の歯やインプラントに近接して埋入すると介在する骨が吸収する。
骨が溶けた場所は細菌の隠れ家、温床になるので初めは物理的に骨が解けるだけですが、汚れをコントロール出来ず、歯周病を惹起していきます。
インプラントの周囲には最低2mmの骨が必要でありそれを切ると自然に骨は吸収してなくなるので歯周病と同じ状態になる。また、歯肉が薄いと同じように骨が吸収する。
インプラントと被せ物をスクリューでネジ固定するのだが、ネジが緩むと隙間ができるため汚れと細菌がたまり、骨が溶ける。また被せ物の形態も誤ると汚れが溜まりやすくなる。
以上のことより
インプラント周囲炎の原因でインプラント治療後にできることは汚れが溜まらないように患者様本人の日々の歯磨きと歯科医院で行う定期検診でのプロフェッショナルケアです。
噛み合わせが原因で歯を失うような場所には簡単にインプラントを埋入するのではなく、必要であれば矯正治療を行なってインプラントを行うこともある。
さらに、大きなポイントはインプラント以外の歯もしっかり歯周病を治してインプラント治療を行うことが重要です。
口の中に歯周病菌が多く存在しておる状態ではインプラントを周囲炎から防ぐことは困難である。
インプラント治療の前に術者が行う診査、診断、治療技術が重要であり、また、使用するインプラントのメーカーも重要となる。
次回はインプラント周囲炎の治療法を述べていきます。
広島県にある廿日市市平良「精密な検査とカウンセリング。原因から改善して、治療する」をモットーに、大阪で10年間勤務し、学んだ最先端の技術を、郊外でも最新の治療を提供すべく地域密着型の治療を提供している「かみなか歯科」です。
● 拡大鏡、歯科用顕微鏡を用いて7倍から20倍に拡大した視野のなか行う精密治療
● CTも用いた3次元診断
● 歯科麻酔医による全身管理の元、安全に行う外科処置
の3つの特徴を軸に安心、安全な治療を提供しております。
800本以上のインプラントを埋入してきた確かな実績を元に、CT分析ソフトを用いた事前シミュレーションと、歯科麻酔医による全身管理のもと安全に手術に臨めています。痛みや腫れが少ない麻酔を使用して、寝ている間に手術を終えることが可能です。
また、歯の温存を図る歯周病治療として、歯のクリーニングを行う機器の中で最も歯茎への負担が少ない「エアーフローマスター」を導入。歯周病菌の状況や変化も動画撮影し、口内のリスク管理を行います。歯周病により失った骨を再生させる再生療法を行う資格も取得しております。
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