2021/10/15

赤身魚と白身魚の違いを知っていますか?色だけではありません。

外洋の長い距離を泳ぎ続ける魚は筋肉質になります。カツオやマグロがその代表です。これらの赤身魚には、赤さのもとである「ミオグロビン」という鉄を含んだ筋肉色素たんぱく質が含まれています。同様の理由でイワシやサンマの血合いにも鉄が多く含まれています。
また赤身魚は油も多く、味も濃厚な傾向があります。IPAやDHAなどのn-3系の不飽和脂肪酸が多く含まれていることも特徴の一つです。

一方、白身魚は赤身魚に比べてじっとしている魚が多く、そのため、脂質が少なく高たんぱくで低エネルギー量。味も淡白で消化がよいのが特徴です。

長い距離を泳ぎ続け筋肉質の魚は赤身魚、じっとしていることが多い魚が白身魚なのです。

赤身魚

カツオ

回遊魚のカツオは筋肉質な魚で、たんぱく質が豊富。そこにはうま味成分のイノシン酸などが含まれています。特に血合いには、ビタミンB12やナイアシン、抗ストレスホルモンの分泌を促すパントテン酸、鉄などが多く含まれます。

ブリ

脂ののった旬のブリはIPAやDHAを豊富に含み、血流の改善や血栓の予防が期待できます。またタウリンを豊富に含み、肝機能を高め、疲労回復も期待できます。ブリに含まれるグルタミン酸は集中力や記憶力を高める効果があるといわれています。

マグロ

部位によって含まれる栄養素が変わります。脂質が多いトロはIPAやDHAが、赤身はたんぱく質やセレンが、血合いには肝機能を高めるタウリンや鉄が豊富に含まれます。また旬のものほど脂質が増えるのでDHAなども増えます。

白身魚

カレイ

たんぱく質量が多く、脂質が少ない魚です。血管に弾力を与え、骨や関節を強化する働きがあるたんぱく質の一種、コラーゲンを豊富に含みます。このほか骨の形成に役立つビタミンDやセレンの含有量が多いことも特徴です。

鮭は身がピンク色ですが白身魚です。あの色は鮭が餌として食べたエビの色素であるアスタキサンチンによるもの。アスタキサンチンには強い抗酸化作用があり、細胞の酸化を抑えて老化を防止する働きがあります。
また、鮭の卵巣からとれるすじこ(いくら)には、鮭の身にあまり含まれていないビタミンAや抗ストレスホルモン分泌作用のあるパントテン酸を豊富に含みます。

タラ

たらは脂肪をほとんど含まず、消化吸収が良く、良質なたんぱく質が豊富です。ビタミンDも多く含みます。ビタミンDは、カルシウムを骨に沈着させる働きがあり、骨を丈夫にして骨粗鬆症を防ぐ効果があます。

抗酸化力×抗酸化力で老化防止! 鮭のトマトソースがけ

材料

鮭 1切れ
トマト 中1個
玉ねぎ 20g
ケチャップ 大さじ1
オリーブオイル 大さじ1/2
塩胡椒 少々
バター 10g
塩 少々
小麦粉 適量

(付け合わせ)
しめじ 15g

栄養価

エネルギー 255kcal
タンパク質 17.3g
脂質 16.5g
炭水化物 12.1g
塩分 0.6g

作り方

  1. 鮭に塩をふり、10分おく。トマトはタネをくりぬき1cm角、たまねぎはみじん切り、しめじはほぐしておく。
  2. 鮭の水分を拭き、小麦粉をはたく。
  3. フライパンにバターをひき、(2)としめじをじっくり焼く。
  4. 鮭としめじをとりだし、たまねぎ、トマトを炒め、火が通ったらケチャップ、塩胡椒で味を整える。
  5. 鮭に(4)をかける。

さっぱり美味しい!カツオのカルパッチョ

材料

かつおたたき 100g
*白ネギ 30g
*オリーブオイル 大さじ2
*酢 大さじ1
*レモン果汁 大さじ1/2
*塩 少々
レッドペッパーorブラックペッパー 少々
乾燥バジル 少々

栄養価

エネルギー 131kcal
タンパク質 26.3g
脂質 0.5g
炭水化物 4.0g
塩分 0.1g

作り方

  1. かつおを1口大、ねぎをみじん切りにする。
  2. ねぎと*を混ぜ合わせる。
  3. お皿にかつおを並べ、(2)をかけ、レッドペッパーとバジルを散らす。

魚は良質なタンパク質やDHA、IPA、カルシウムなど体に必要な栄養素がたっぷり含まれています。お肉や卵だけでなく魚も積極的に摂取していきたいですね。

コラムニスト

管理栄養士  天野 裕葵 

給食委託会社で病院の献立作成や厨房業務に携わった後、フリーランス管理栄養士として栄養コラム執筆やレシピ開発、栄養価計算などを行なっています。
私は、管理栄養士が国家資格にも関わらず社会的地位が低いことに疑問を感じています。もっと世の中に貢献できることがあるはずです。管理栄養士の活躍が人々の毎日を健康にすると信じております。
私は、管理栄養士の専門性を活かし、栄養学の楽しさを知ってもらう、興味を持ってもらうことが大切だと感じております。
そして、栄養学を通して「食の大切さ」を伝えてゆき、「健康な毎日」の実現に繋げていきたいと思っております。


 関連記事

column/btn_column_page
トップ