3月3日の桃の節句ももうすぐ。わが子の健康や幸せを祈って「雛人形」を飾る家庭も多いと思います。
ですが「雛人形っていつ出せばいいの?」と疑問に思っているママ・パパもいるのではないでしょうか。
今回は雛人形を飾る日としまう日、姉妹にはそれぞれ雛人形を買うべき?など、知っているようで意外と知らない知識を紹介します。
「ひなまつり」は、古くは中国で厄除けのために土や紙の人形を川に流す風習が伝わったもので、江戸時代以降に民間でも人形を飾って子供(女の子)の幸せを願う行事となりました。
飾る日については「必ずこの日」という決まりがあるわけではなく、地域や家庭ごとに伝わる日に出せばよいのですが、目安としては次のような日が良いと考えられています。
節分の翌日の「立春」は、春の訪れを表す日で、桃の節句のひなまつりに向けての準備を始めるには最適な日です。
ほぼ毎年、2月3日が節分で翌2月4日が立春ですが、うるう年などの影響でまれに前後することがあり、2021年(令和3年)は例外的に2月3日が立春でした。2025(令和7)年や2029(令和11)年もそうなる予定だそうですよ。
立春と同じくらい雛人形を出すのに最適なのが「雨水(うすい)の日」です。
1年を24節気に分けた2番目にあたる「雨水」は、雪が雨になり春の気候が訪れる時期とされていて、今年(2022年)は2月19日が雨水の日です。
立春(4日)は平日ですが、19日は土曜日なので、共働きのご家庭ではこの日の方が落ち着いて楽しく飾れるかもしれませんね。
そのほかにも、地域や家庭ごとに伝わる「佳き日」があれば、もちろんそれを優先して構いません。
ただ、ひなまつりの前日(3月2日)に飾るのは「一夜飾り」といって縁起が悪いと考える人もいます。せっかくの雛人形を親子で楽しむためにも、できるだけ余裕を持って出すようにしたいですね。
一方、雛人形を片付けるのはいつが良いのでしょうか。
皆さんは「雛人形は桃の節句が終わったらすぐに片付けないと、女の子の婚期が遅れる」という話を聞いたことはありませんか?
これも、実ははっきりとした文献などは残っておらず「きちんと片付けできる習慣をつけたほうが家庭の切り盛りを上手にできる」「片付ける=片付く(嫁に行く)」という昔の語呂合わせや言い伝えではないかと考えられています。
最近はガラスケース入りの雛人形セットも多いですが、昔ながらの段飾りやケースのない雛人形は、雨で湿気の多い日に箱にしまうと後々カビの原因となってしまうことも。
季節の節目を感じられるよう、ひなまつりが終われば数日以内に片付けるのがベストですが、一刻も早く!と焦る必要はなく、お天気のいい日を選んで片付けるのがおすすめです。
続いて、雛人形についての豆知識もいくつか紹介します。
姉妹で女の子が複数いる家庭では、それぞれに雛人形を用意するべきか迷っている親御さんもいるかと思います。
もともと身代わりとして川に流す人形だったことから、雛人形はその子の厄を引き受けてくれる存在と考えられています。
その考えでいくと1人ずつ用意するのが理想的ですが、現代の住宅事情では段飾りを人数分…というのはなかなか難しいもの。
その場合は、次のような方法が考えられます。
三人官女は、おひなさま(女雛)を幼少期から結婚までお世話する女性たちとされています。
ご家庭に3段飾り以上の雛人形セットがあれば、よく官女たちの顔を見てみると、左右の2人は眉毛が描かれていていますが、中央の官女は眉がないのが分かると思います。
さらに中央の女性はお歯黒もしていますが、これは昔の風習で既婚者であることを表しています。
お子さんが成長したら、昔の文化風習として教えてあげるのも良いですね。
ひなまつりの行われる「桃の節句」は3月ですが、実は「後の雛(のちのひな)」といって
9月9日の「重陽(ちょうよう)の節句」に雛人形を飾る風習もあるんです。
江戸時代には、「陽」の数字、つまり奇数のうちもっとも大きい「9」が重なる縁起が良い日と考え、9月9日にも雛人形を飾って菊の花を飾ったり菊酒を飲んだりして健康と長寿を願いました。
ちょうど秋のさわやかな気候の時期、雛人形の虫干し効果もありますので、「大人のひなまつり」としてママのために雛人形を飾ってみるのも素敵ですね。
3月3日の「ひなまつり」は、古くから形を変えつつ受け継がれてきた行事です。
今回ご紹介したようなしきたりや言い伝えも、時代とともに変化していくかもしれませんが、子供のすこやかな成長と幸せを願う親の気持ちはきっとこれからも変わらないでしょう。
私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。
娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。
親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。
しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。
まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。
より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。
現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。
かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。
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