膀胱がん ｜ 症状から調べる | ファミリードクター

膀胱がんの原因

膀胱がんは喫煙との関係も指摘されています。さらに膀胱は、特殊な化学薬品による影響を受けやすい臓器です。代表的な発がん性物質は、下記の通りです。

膀胱がんの危険因子

• 喫煙（電子タバコを含む）
• 骨盤への放射線療法歴
• 尿道カテーテル
• アニリン色素等の化学薬品
• ベンジジン等の染料
• シクロフォスファミド等の抗がん剤
• フェナセチン等の鎮痛剤（近年発売が禁止された）

過去には人工甘味料と膀胱がんとの関連が注目されましたが、現在では両者の関係性は認められていません。

膀胱がんの症状

膀胱がんの主な症状は、血尿と膀胱刺激症状です。この内最も多く特徴的なのが痛みの伴わない血尿です。血尿は毎回ではないため、他に症状も見られず、受診せず放置している間にがんが進行してしまうこともあります。目で見て分かる血尿が出た場合は必ず早期に病院を受診して下さい。膀胱がんの代表的な症状は下記の通りです。

• 血尿
• 頻尿
• 排尿時の痛み
• 残尿感
• 切迫した尿意

また、がんが進行すると尿の出が悪くなったり、脇腹や腰回り、背中等が痛んだり、足がむくむこともあります。

膀胱がんの予防と治療

膀胱がんの治療

治療のスタートはがん全般の進行度合いを表すステージ（病期）の決定です。ステージは病巣がどれ程深くまで及んでいるかを示す深達度、リンパ節への転移の有無、遠隔転移の有無と体の状態から総合的に判断します。治療方法はステージを基に患者さんの希望や生活環境を鑑みた上で、可能な場合は手術療法を選択します。がんの深達度は画像所見では確実ではありません。深度の浅い表在性のがんか、もしくは筋層まで浸潤している浸潤性のがんかを確認するために、経尿道的膀胱腫瘍切除術を行います。もし深達度の浅い癌であればこの手術で完治する可能性もありますが、再発を防ぐために症例によりBCG注入療法を行うこともあります。深達度の深い浸潤性がんの場合、一般的に選択するのは膀胱全摘除術です。さらに膀胱がんの転移が認められた場合には、手術不可能と判断しGC療法などの抗がん剤による化学療法を選択します。化学療法抵抗性の症例では、抗PD-1抗体薬による治療もあります。放射線治療は膀胱温存を希望される場合や、膀胱全摘除術が難しい場合に、他の治療法と組み合わせて行うことがあります。

膀胱がんの予防

がん全般において確固たる予防法はまだありません。しかし膀胱がんにおいては確実なリスク要因として喫煙が挙げられます。喫煙者は禁煙を心掛けましょう。また、膀胱がんの原因になり得る特殊な化学薬品の使用を避けましょう。さらに膀胱がんの原因として、コーヒーや緑茶などに含まれるカフェインの過剰摂取を危険視する研究も複数ありますが、現時点では明確な関連性が認められていません。そして膀胱がんにおいて予防と同様に重要なのが、早期発見です。前述した通り、膀胱がんの自覚症状は血尿が殆どです。血尿がある場合は痛みを伴わない方が、より膀胱がんの可能性が高いため早期に泌尿器科を受診しましょう。